活性型ビタミンDで透析患者の心血管疾患リスク低減せず 大阪市立大によるRCTで判明

ビタミンD欠乏とさまざまな疾病が関連するため、ビタミンD補充による疾病予防効果の有無が注目されている。血液透析患者は、腎不全に伴うカルシウムやリン代謝異常から生じる骨病変を減らすため「活性型ビタミンD製剤」を服用することが多く、骨ミネラル代謝以外への効果もあると考えられていた。しかし、血液透析患者が活性型ビタミンD製剤を服用しても心血管疾患の発症リスクは低下しないことが、大阪市立大学大学院血管病態制御学研究教授の庄司哲雄氏らの研究グループの検討で明らかになった。日本人の透析患者を対象としたランダム化比較試験であるJ-DAVID試験の結果で、詳細は「Journal of the American Medical Association(JAMA)」12月11日オンライン版に掲載された。

 透析患者では、腎臓でビタミンDを活性化する機能が失われ、骨ミネラル代謝異常を生じ、心血管疾患リスクが高まることが知られている。観察研究では、透析患者が活性型ビタミンD製剤を服用すると、服用しない場合に比べて全死亡率や心血管疾患による死亡率、心血管疾患の発症率が低いとする報告が相次いでいる。そこで、庄司氏らは今回、日本の透析患者を対象に、活性型ビタミンD製剤の心血管疾患リスク低減効果を検討するため、ランダム化比較試験を実施した。

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 対象は、全国108施設から2008~2011年に登録した20歳代~80歳代の血液透析患者976人。二次性副甲状腺機能亢進症を有する患者は対象から除外し、副甲状腺ホルモン(PTH)が180pg/mL以下を呈する血液透析患者とした。対象患者を、活性型ビタミンD製剤(経口アルファカルシドール0.5μg/日;495人)服用群または同剤を服用しない従来治療を受ける対照群(481人)にオープンラベルでランダムに割り付けて、中央値で4年間追跡した。

 その結果、心筋梗塞、うっ血性心不全による入院、脳卒中、冠動脈血行再建術などの複合心血管イベントの発生率は、活性型ビタミンD製剤服用群の21.1%に対し、対照群では17.9%と両群間に有意差はみられず、むしろ服用群で高い傾向にあることが分かった。また、全死亡率についても両群間で有意な差は認められないことも明らかになった(18.2%対16.8%)。

 これまでの観察研究に基づいて、透析患者では、活性型ビタミンD製剤の服用により心血管疾患リスクは低減すると考えられてきた。そのため、庄司氏は「今回の結果は意外だった」と述べつつ、「PTH値の高い患者を対象から除外しているため、PTH高値の患者に対する活性型ビタミンD製剤投与の有用性を否定するものではない点に注意が必要だ」と指摘している。今後は活性型ビタミンD製剤の投与により心血管リスクが低下する患者と低下しない患者を事前に見分ける方法などについて、検討を進めたいとしている。

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HealthDay News 2018年12月25日
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