緑茶カテキン血中濃度は脳卒中や心筋梗塞リスクと関連しない 約3万人の日本人男女を解析、JPHC研究

 日本人の成人男女では、緑茶カテキンの血中濃度は脳卒中や心筋梗塞などの虚血性心疾患のリスクと関連しない可能性があることが、国立がん研究センターなどによる多目的コホート(JPHC)研究から明らかになった。ただ、喫煙習慣のない男性では、緑茶カテキンの一種であるエピガロカテキン3ガレート(EGCG)の血中濃度が高いほど脳卒中リスクは低いことが分かったという。詳細は「Atherosclerosis」10月号に掲載された。

 これまでの観察研究で緑茶を摂取すると脳卒中による死亡リスクが低減することが示唆されており、JPHC研究でも緑茶を毎日4杯以上摂取すると脳卒中リスクが20%低下する可能性があると報告されている。研究グループは今回、JPHC研究に参加した40~69歳の男女を長期にわたり前向きに追跡したデータを用いて、カテキンの血中濃度と脳卒中および虚血性心疾患との関連を調べた。

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 対象は、ベースライン時(1990年および1993年)に全国9地域に在住し、がんや循環器疾患の既往がなかった40~69歳の男女2万9,876人。2007年末までの追跡期間中に発症した脳卒中の1,132人および虚血性心疾患の209人とそれぞれの対照群(各1,132人、418人)を合わせて、脳卒中に関しては2,264人、虚血性心疾患に関しては627人を対象に分析を行った。

 ベースライン時に採取した血液サンプルからカテキンの血中濃度を測定し、対象者を4種類の緑茶カテキンの血中濃度で、脳卒中リスクに関しては4つのグループに、虚血性心疾患リスクに関しては3つのグループに分けて比較検討した。その結果、男女ともに緑茶カテキンの血中濃度は脳卒中と虚血性心疾患の発症と有意に関連しないことが分かった。

 一方、緑茶カテキンの一種であるEGCGの血中濃度に関しては、喫煙をしていない男性に限り、血中濃度が最も低いグループに比べて最も高いグループで脳卒中リスクが47%低いことが明らかになった(オッズ比0.53、95%信頼区間0.29~0.98)。

 以上の結果から、研究グループは、血中の緑茶カテキンが検出感度以上だった人がきわめて少数だったため、結果は慎重に解釈する必要があるとしながらも、「緑茶カテキンの血中濃度と脳卒中、虚血性心疾患との関連は認められなかった」と結論づけている。ただ、EGCGについては、男性の非喫煙者で血中濃度が高いほど脳卒中リスクが低い可能性があるとしている。

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HealthDay News 2018年11月15日
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