2型糖尿病患者の「血糖・血圧・脂質」値に季節変動 JDDM研究データを分析

日本人の2型糖尿病患者を対象に調査した結果、HbA1c、血圧、脂質の管理目標達成率には季節変動がみられることが、東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科准教授の坂本昌也氏らの研究グループの検討で分かった。いずれの指標も、達成率は冬季(12月~翌年2月)よりも夏季(6~8月)の方が高かったという。研究の詳細は「Diabetes Care」2月10日オンライン版に掲載された。

 2型糖尿病治療の目的は、主に心血管イベントの予防と糖尿病の進展抑制であるが、目標を達成するには血糖値だけでなく血圧や脂質のコントロールが不可欠である。しかし、これまで実施された大規模臨床試験では、これらの管理目標値を同じように達成しても、心血管イベントの抑制効果は一致した結果が得られていない。

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 坂本氏らは、その要因の一つとしてHbA1c、血圧、脂質の測定値に季節変動がみられる点に着目。日本全国の糖尿病専門病院およびクリニックが参加した糖尿病データマネジメント研究会(JDDM)による多施設共同研究のデータを用いて、HbA1c、血圧、LDL-コレステロール(LDL-C)の管理目標達成率の季節変動に影響する要因を調査した。

 対象は、JDDMによる多施設共同研究に参加した日本全国の2型糖尿病患者10万4,601人のうち、2013~2014年の2年間にHbA1cおよび血圧、LDL-Cを12回以上測定した患者4,678人(平均年齢61.3歳)。管理目標値は、HbA1c値が7%未満、血圧値が130/80mmHg未満、LDL-C値が100mg/dL未満と定義した。

 その結果、3項目全て、あるいはHbA1c、血圧、LDL-Cそれぞれの目標達成率には季節変動がみられ、いずれも夏季に対し冬季の方が低いことが分かった〔3項目全て達成した割合は、夏季15.6%に対し冬季は9.6%、HbA1c値では各53.1%、48.9%、収縮期血圧(SBP)値では各56.6%、40.9%、LDL-C値では各50.8%、47.2%〕。夏季と冬季の目標達成率の差はSBP値が最も大きかった。

 多変量回帰分析により、目標達成率の低下に影響する因子を調べた結果、冬季には「BMI 25以上」および「糖尿病罹病期間10年以上」の人でHbA1cの目標達成率が低下し、「65歳以上」の人でSBP達成率が低下することが明らかになった。さらに、季節にかかわらず、インスリンおよびスルホニル尿素(SU)薬の使用は3項目全ての目標達成率の低下と関連していた。

 以上の結果から、坂本氏らは「2型糖尿病患者のHbA1c、血圧、脂質の管理目標達成率には季節変動がみられることが分かった。日常診療で2型糖尿病を管理する際には、これら3つの指標の季節変動を考慮する必要がある」と結論。その上で、「冬季にこれらの指標の管理を強化することは、心血管イベント予防につながる可能性がある」と述べている。

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参考情報:リンク先
HealthDay News 2019年2月18日
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