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7月 04 2017 米国のティーン、5割超が「性経験なし」
米国ではメディアに性に関する情報があふれ、今どきのティーンエージャーは性に奔放だと見られがちだが、実際はそうではないことが米国立健康統計センター(NCHS)のJoyce Abma氏らによる研究で示された。研究では、15~19歳の男女の5割超に性行為の経験がないことが明らかになったという。この研究結果を受けて、米シアトル小児病院のCora Breuner氏は「高校生は皆セックスをしているという考えは間違っている」とコメントしている。
今回の研究結果は、2011~2015年に米国疾病管理予防センター(CDC)の支援を受けて全米で実施された、15~19歳の男女4,000人以上の対面調査の結果に基づいたもの。同調査によると、「今までに1回以上の性行為の経験がある」と回答した人は、女性で42%、男性で44%だった。経験がある人のうち、女性の74%、男性の51%は、初めての性行為の相手と「交際関係」にあった。一方、初めての性行為を会ったばかりの相手と経験した人の割合は、女性では2%、男性では7%であった。
性行為の経験率は2002年の調査からはほとんど変わっていなかったが、1988年には15~19歳の女性の51%、男性の60%が性行為の経験があると回答していた。Breuner氏は、近年の若年者が性行為に慎重になっている主な理由はHIVだと考えており、「この致死的な性感染症に関する情報が広がった後、性行為の経験率は現在のレベルまで減少した」と話している。
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お近くの治験情報を全国から検索できます。一方、妊娠に対する意識は高まっているようであることが分かった。女性の89%、男性の80%は「性行為により妊娠したら困る」と回答しており、「妊娠したらうれしい」と回答したのは女性11%、男性20%にとどまった。直近の性行為の際に「何らかの方法で避妊をした」と回答した人の割合は、2002年には83%だったが、今回の調査では90%に上昇していた。
最もよく使用される避妊法はコンドームで、女性の56%が最後の性交時にコンドームを使用していた。女性の31%がピル、13%がその他のホルモン製剤ベースの避妊薬を使用しており、22%はコンドームと避妊薬を併用していた。さらに、性経験のある女性の23%は緊急避妊薬を使用した経験が1回以上あり、この割合は2002年の8%から増加していた。
こうした避妊法の変化は、若年者が親の介入なしに避妊具や避妊薬を入手しやすくなったことによるものだと考えられる。また、親が子どもと性について率直に話し合い、賢い性行動を促すようになっていることも要因だと、Breuner氏は付け加えている。
この研究は、CDC発行の「National Health Statistics Report」6月22日号に掲載された。
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7月 04 2017 遺伝性乳がん、最も発症リスクが高まる年齢は?
BRCA1遺伝子やBRCA2遺伝子に変異がある女性は、乳がんや卵巣がんを発症するリスクが高いことが知られているが、そのリスクが最も高くなる年齢を明らかにした前向きコホート研究の結果が「Journal of the American Medical Association(JAMA)」6月20日号に掲載された。研究を実施した英ケンブリッジ大学公衆衛生・プライマリケア学のAntonis Antoniou氏らは「乳房や卵巣の予防的切除などの対策を取るべき時期を決める際に一助となる知見」としている。
この研究では、BRCA1遺伝子の変異がある女性が乳がんを発症するリスクが高まる年齢について検討。その結果、発症リスクは成人後、年齢が上がるにつれて急激に上昇し、31~40歳に最大となり、その後は生涯にわたって横ばいとなることが示された。また、BRCA2遺伝子の変異がある女性でも成人後にリスクの上昇が始まり、51~60歳に最大となり、その後横ばいとなることが分かった。
これまでのBRCA1/2遺伝子変異と乳がんや卵巣がんの発症リスクに関する報告によると、70歳までの乳がん発症の累積リスクはBRCA1遺伝子変異がある女性で40~87%、BRCA2遺伝子変異がある女性では27~84%と幅があった。これらの報告は、後ろ向き研究に基づいたものだったため、Antoniou氏らは今回、より精度の高いリスク推定を行うため、より大規模な前向き研究を実施した。
対象は、1997~2011年に英国やオランダなどで登録されたBRCA1遺伝子変異陽性の6,036人とBRCA2遺伝子変異陽性の3,820人の計9,856人。このうち4,810人はベースライン時に乳がんまたは卵巣がんの既往があった。中央値で5年の追跡期間中に426人が乳がん、109人が卵巣がん、245人が対側乳がんの診断を受けた。
解析の結果、BRCA1遺伝子変異がある女性が80歳までに乳がんを発症する確率(累積発症率)は72%、卵巣がんを発症する確率は44%だった。一方、BRCA2遺伝子変異がある女性が80歳までに乳がんを発症する確率は69%、卵巣がんを発症する確率は17%だった。また、乳がんの診断後、20年間に対側乳がんを発症するリスクは、BRCA1遺伝子変異がある女性では41%、BRCA2遺伝子変異がある女性では21%だった。
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お近くの治験情報を全国から検索できます。このほか、BRCA1/2遺伝子変異がある女性における乳がん発症リスクは、女性の親族に乳がん既往者がいる場合にさらに上昇すること、変異の位置もリスクの増減に関与することなどが分かった。
これらのリスク推定値について、米国がん協会(ACS)のLen Lichtenfeld氏は「これまでの推定値と比べて少しばかり正確で、現実が反映された値かもしれない」とコメント。「『卵巣は摘出したくない』と願う女性もいるが、『もっと早く摘出しておけば良かった』と後悔する女性もいる。この研究データは、どのような選択肢があり、どのような結果がもたらされるかについて、冷静に議論する際に役立つだろう」としている。
なお、乳がんの家族歴のない女性が遺伝子検査を受けるべきか否かについては、議論が続いている。家族歴も既往歴もない場合はBRCA1/2遺伝子変異陽性の確率は極めて低いとされる一方、例外もあるため検査対象を広げるべきとの意見もあり、専門家の見解は一致していない。
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7月 04 2017 子宮筋腫による出血性ショックに?その原因のメカニズム
良性の腫瘍が子宮内にできる子宮筋腫。通常、初期症状もなく自覚症状もほとんどないため中々気づく人は少ないです。妊娠を得て超音波検査により発見されるといったケースも多く、子宮筋腫自体は、年齢によってことなりますが4人に1人は発症しており、決して珍しい病気ではありません。小さいうちは影響もなく、女性ホルモンが強く関係しているといわれており、閉経後にそのまま小さくなったまま生涯に何の症状もなく過ごす方もいます。
今回の出血性ショックは、自覚症状があるのにも関わらず、極限まで何もしていなかったり、痛みがあるのにずっと耐え続けることなど、何もしないまま放置し続けた結果、そういった事例が起きるといった可能性を紹介しています。そこに至るまで、どういったことに気を付けて、何に注意すればいいのか。詳しく解説していきます。子宮筋腫に関する治験・臨床試験(新しい治療薬)情報はこちら
お近くの治験情報を全国から検索できます。子宮筋腫の異変とは?月経時の出血量に注意子宮筋腫による症状は特に粘膜下筋腫と呼ばれる子宮筋層の一番子宮に近い箇所にある場合、起きやすい症状の一つです。ここに至るまでは、過多月経など、通常より血の量が多いことがずっと続いていたり、痛みが持続して毎月症状が重い場合、発症している場合は注意が必要です。個人差によってことなりますが、いつもと違うといった場合は、おかしいと認識する必要があります。大丈夫であろうという思い込みが非常に危険です。
子宮が大きくになるにつれて、臓器や組織、血管が圧迫。筋腫子宮外の箇所が傷つきやすい状態となり、何かを起因として、止まらないほどの大量の大出血を起こし、出血性ショックを引き起こす場合があります。出血性ショック以外にも危険な症状は?もう一つの危険性があり、有茎漿膜下筋腫(ゆうけいしょうまくかきんしゅ)という漿膜化筋腫とは違い、腹腔内に根元に茎がある筋腫症状があります。
この症状は、筋腫の根元がねじれることで個人差により痛みの差はありますが、立っていられない激痛が起こり、それに伴い出血症状を起こすケースがあり、放置すると腹膜炎を併発する恐れがあります。いずれの症状も女性ホルモンによる影響が強くリュープリンやピル等の対処でも改善することもできますが(医師の診断基準の元)自分の合う治療を考えると良いかもしれません。何より症状にいつも以上に痛みを感じるようになったり、生理時の出血が多量に感じるようになった場合は、迷わず病院に行くことは非常に大切であり、放置したり我慢しすぎるのはよくありません。
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子宮筋腫とは?症状や原因、過多月経や貧血。手術やそれ に伴う費用や入院期間の目安。どういった検査方法があるのかなど詳しく解説しています。