• 朝食前の運動は24時間総脂肪酸化量を増大させる 筑波大の研究グループ、日本人女性を対象に検討

    男性と同様に、女性が朝食前の空腹時に運動を行うと24時間総脂肪酸化量が増大し、これは24時間のエネルギーや炭水化物バランスが負になったことが影響している可能性のあることが、筑波大学運動栄養学の徳山薫平氏らの検討で分かった。一時的な負のエネルギーバランスを大きくするように運動を行うタイミングを調整すると、24時間の総脂質酸化量を増やせる可能性があるという。詳細は「PLOS ONE」7月10日オンライン版に掲載された。

     24時間のエネルギーバランスが保たれている条件下では、運動を行っても24時間の総脂肪酸化量には影響を及ぼさないことが報告されている。しかし、これまでの徳山氏らの検討で、健康な男性では一晩絶食した翌朝の朝食前に運動を行うと、朝食や昼食、夕食を摂取後の運動に比べて運動後24時間の総脂肪酸化量が増大する可能性が示唆されている。そこで今回、同氏らは健康な女性を対象に、朝食前の運動が24時間の総脂肪酸化量に及ぼす影響を検討する研究を行った。

     対象は、日常的に中強度の運動を行っている健康な女性9人(平均年齢23.9±1.3歳、平均体脂肪率26.9±1.2%)。参加者には試験初日の22時に代謝測定室に入室してもらい、就寝は23時~翌朝6時とし、食事は朝食(8時)、昼食(12時)、夕食(18時)を提供した(総エネルギー量は、参加者の24時間エネルギーバランスがとれるように設定した)。また、参加者には6時30分に60分間のトレッドミル走行を最大酸素摂取量(VO2max)の50%に相当する強度で行う、あるいは座位で安静状態を保つことをランダムに行ってもらった。

     その結果、朝食前に運動を行うと、座位で過ごした場合と比べて24時間のエネルギー消費量、総炭水化物酸化量とともに総脂肪酸化量が増大することが分かった(519±37kcal/日対400±41kcal/日)。

     また、相対的な24時間エネルギーバランスの経時変化には、運動を行った場合と安静状態を保った場合では推移に差があり、朝食前には一時的な減少がみられた。相対的な24時間エネルギーバランスが最も低下した値は、安静時よりも運動時で有意に大きかった(-124±4kcal対-507±20kcal、P<0.01)。また、24時間炭水化物バランスの推移についても同様な傾向がみられた。

     以上の結果から、徳山氏らは「過去の報告と合わせて、一時的な負のエネルギーバランスを大きくするように運動を行うタイミングを調整すると24時間の総脂質酸化量を増やせる可能性が示唆された。朝食前の運動を継続した場合に効果が持続するのかどうかなどは、今後検討する必要がある」と述べている。

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    HealthDay News 2017年7月24日
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  • 内臓脂肪と皮下脂肪の面積比は心血管疾患の予測因子 東京医歯大ら、2型糖尿病患者で検討

    2型糖尿病患者では、腹部CT検査で求めた内臓脂肪面積(VFA)と皮下脂肪面積(SFA)の比〔visceral fat area(VFA)/subcutaneous fat area(SFA);V/S比)は心血管疾患(CVD)発症の予測因子としてBMIよりも優れる可能性のあることが、東京医科歯科大学大学院分子内分泌代謝学の福田達也氏と国立国際医療研究センター糖尿病内分泌代謝科の坊内良太郎氏らの検討で分かった。詳細は「Journal of Diabetes Investigation」7月7日オンライン版に掲載された。

     坊内氏らは既に、2型糖尿病患者では、皮下脂肪が少なく内臓脂肪が多い状態は動脈硬化の進展と強く関連する一方で、皮下脂肪が多いと動脈硬化の進展に保護的に働く可能性があることを報告している。同氏らは今回、V/S比に着目し、2型糖尿病患者を対象にV/S比がCVDの初回発症率または再発率とどのように関連するのかを検討する後ろ向き観察研究を行った。

    同氏らは、外来の2型糖尿病患者682人(平均年齢64±13歳、女性が約41%)を対象に、デュアル生体インピーダンス解析(BIA)によりVFAとSFAを評価した。対象患者をV/S比で四分位に分けて、CVDの初回発症率または再発率との関連を比較検討した。CVDは脳卒中、不安定狭心症、心筋梗塞、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)または冠動脈バイパス術(CABG)、血管造影の施行、末梢動脈疾患(PAD)による下肢切断、CVD死と定義した。

     中央値で2.5年の追跡の結果、対象患者のうち21人がCVDを発症した。CVDを発症した患者数はV/S比の上昇に伴って増加した。共変数を調整した多変量モデルにおいて、V/S比の1標準偏差(SD)上昇はCVD発症率の増加と有意に関連した(ハザード比1.82、95%信頼区間1.09~3.04、P=0.021)。同モデルにおいて、推算糸球体濾過量(eGFR)、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、抗血小板薬の使用、HbA1c値はCVD発症の有意な予測因子であったが、VFA、SFAおよびBMIとCVD発症率との間には有意な関連はみられなかった。

     年齢やeGFR、BNP、抗血小板薬の使用、HbA1c値にV/S比を加えた場合には、CVD発症のnet reclassification improvement(NRI)とintegrated discrimination improvement(IDI)はともに有意に改善したが、VFA、SFAおよびBMIによる予測能の改善は有意ではなかった。

     以上の結果を踏まえ、坊内氏らは「2型糖尿病患者において、BIAで評価したV/S比はCVDの独立した予測因子となる可能性がある」と結論づけている。

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