• センサー内蔵の“デジタル錠剤”、米で承認

    米食品医薬品局(FDA)は11月13日、センサーが内蔵された“デジタルメディスン”のエビリファイ マイサイト(Abilify MyCite)を承認したと発表した。

    エビリファイ マイサイトは統合失調症などの治療薬として既に承認されている抗精神病薬のアリピプラゾール(商品名エビリファイ)に微小なセンサーが埋め込まれた錠剤で、飲み込むと体内でシグナルを発し、患者が指示通り薬を飲んでいるかどうかを介護者や医療従事者が確認できるという。

    エビリファイ マイサイトは大塚製薬と米プロテウス・デジタル・ヘルス社が共同開発した。内蔵されたセンサーは胃液に接するとシグナルを発し、患者の身体に貼り付けたパッチ型のシグナル検出器「マイサイト パッチ」が服薬の日時や患者の活動量などを記録する。
    その後センサーは体内で消化、吸収されることなく安全に体外に排泄されるという。

    また、専用アプリを使用することでスマートフォンなどの端末で服薬状況や活動量を確認することができる。
    患者が許可すれば患者の家族や介護者、医療従事者もデータを共有することができる。
    適応はエビリファイと同じで、成人の統合失調症、双極性1型障害の躁病および混合型症状の急性期、大うつ病性障害の補助療法とされている。

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    FDA医薬品評価研究センターのMitchell Mathis氏はプレスリリースで「精神疾患に対して処方された薬剤が実際に摂取されたかどうかを追跡できるのは、一部の患者にとって有益だ」とコメント。

    一方、プロテウス・デジタル・ヘルス社最高経営責任者(CEO)のAndrew Thompson氏は、同社のプレスリリースで「既に銀行取引や買い物、友人や家族とのコミュニケーションなど日常生活でスマートフォンは広く利用されている」とした上で、「今回のFDAの承認によって重度の精神疾患患者が新たな方法で治療チームとともに治療計画を立てられるようになる」との展望を示している。

    重度の精神疾患患者では服薬コンプライアンスの悪化がしばしば問題となる。
    服薬コンプライアンスの悪い患者はさらに重症化しやすく、入院が必要な状態まで悪化する可能性が高いため、医療費の増大を招く。
    New York Timesによると、米国では服薬コンプライアンスの悪化が原因で年間1000億ドル(約11兆2500億円)もの医療費が生じているとの試算もあるという。

    ただし、一部の医師は「デジタルメディスンを使用する患者が医療従事者などから常に監視されていると感じ、問題が生じる可能性もある」として慎重な姿勢を示している。
    米ハーバード大学医学大学院のAmeet Sarpatwari氏は、New York Timesの取材に対し「適切に使用しないと患者に(医療従事者に対する)信頼感ではなく不信感が生まれてしまうかもしれない」と話している。

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    HealthDay News 2017年11月14日
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  • HPVワクチンでまれな小児疾患も防げる可能性

    子宮頸がん予防のために接種するヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンには、再発性呼吸器乳頭腫症というまれな小児疾患を防ぐ効果もあるかもしれないとの研究報告が「Journal of Infectious Diseases」11月9日号に掲載された。

    オーストラリアではHPVワクチン接種の普及に伴い、この疾患の患者が大きく減少したという。

    再発性呼吸器乳頭腫症は、気道に良性のいぼである乳頭腫(パピローマ)が生じる疾患だ。出産時に母親から子どもへとHPV6型または11型が母子感染することが原因と考えられている。
    患者は何度も再発する乳頭腫によって呼吸困難に陥り、通常は気道を確保するために繰り返し手術を必要とする。
    米国では年間約800人の子どもがこの疾患を発症し、1億2300万ドル(約138億円)の医療費がかかっているという。

    今回の研究では、ビクトリアン・サイトロジー・サービス(オーストラリア)のJulia Brotherton氏らが同国の全国調査データを分析した結果、再発性呼吸器乳頭腫症を新たに発症した子どもは2012年の7人から2016年には1人へと減少したことが分かった。
    また、この期間に新たに発症した子どもの数は15人だったが、その母親はいずれも妊娠前にHPVワクチンを接種していなかった。

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    オーストラリアでは14~15歳の女児の86%、男児の79%が4価HPVワクチン(がんリスクの高いHPV6、11、16、18型の感染を防ぐワクチン)を1回以上受けている。
    今回の結果は、同国のHPVワクチン接種プログラムの普及によって再発性呼吸器乳頭腫症の発生がなくなりつつあることを示している。

    Brotherton氏は「HPVワクチンが再発性呼吸器乳頭腫症の発生を防ぐというエビデンスが世界で初めて示された。
    われわれの研究でこの恐ろしい疾患の予防法がついに見つかったのは素晴らしいことだ。
    今回、HPVワクチンを接種すべきもう一つの理由が示されたともいえる」と話している。

    一方、ニューサウスウェールズ大学(UNSW)カービー研究所(オーストラリア)のBasil Donovan氏らは同誌の論説で「HPVワクチン接種率が高い他の先進国でも同様の研究を実施して接種プログラムの効果を検討すべきだ」と指摘。
    「HPVワクチンの有益性はこれまでにも明らかにされているが、それでもワクチン導入をためらう国は少なくない。
    こうした国では今後数十年にわたり、多くの患者が予防可能な疾患によって死亡することになってしまう」と述べている。

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    参考情報:リンク先
    HealthDay News 2017年11月9日
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