• 「飲み過ぎ」「喫煙」で見た目も老化

    お酒の飲み過ぎや喫煙は深刻な健康リスクをもたらすだけでなく、外見にも影響する可能性が新たな研究で示唆された。これらの習慣がある人は目や耳に老化のサイン(徴候)が現れるのが早く、実年齢よりも老けて見えやすいことが分かったという。

    詳細は「Journal of Epidemiology & Community Health」12月号に掲載された。

    この研究は南デンマーク大学(デンマーク)のAnne L. Schou氏らが実施したもの。
    21~93歳のデンマーク人1万1,613人を約12年間にわたって追跡調査したCCHS研究(コペンハーゲン市心臓研究)のデータを用い、見た目で分かる老化の徴候とされている(1)耳たぶの深いひだ(フランク徴候)、(2)両眼の角膜周囲にみられる不明瞭な灰色の輪(角膜環)、(3)上まぶたにできる黄色の結節(眼瞼黄色腫)、(4)男性型禿頭症―の発生に対して過度の飲酒や喫煙がもたらす影響について検討した。

    対象者の週当たりの平均飲酒量は女性で2.6杯、男性で11.4杯だった。また、喫煙者の割合は女性で57%、男性で67%だった。

    解析の結果、喫煙量が増えるにつれて角膜環と眼瞼黄色腫、フランク徴候を生じるリスクは上昇していた。
    また、過度の飲酒は角膜環とフランク徴候のリスクに関連していた。なお、少量から中等量の飲酒であればこれらの徴候がみられるリスクへの影響はないことも分かった。

    この研究は観察研究でストレスといった飲酒や喫煙以外の老化に関連する因子による影響を除外できていないなどの限界があり、「飲酒や喫煙が外見を老けさせる」という因果関係を示したものではない。

    しかし、Schou氏らは「飲酒と喫煙は老化の徴候に関連しており、それによって実年齢よりも老けて見えるようになることが、前向き研究で初めて明らかにされた。
    この結果は過度の飲酒や喫煙が全般的な身体の老化を促進することを反映したものだと考えられる」と結論づけている。

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  • 救急受診した胸痛患者への画像検査は無駄?

    胸痛を訴えて救急外来を受診した患者に対して実施されている検査の一部は、病院での滞在時間の延長と高額な医療費、放射線の曝露リスクをもたらすだけで、予後の改善にはつながらない可能性があるとする研究結果が「JAMA Internal Medicine」11月14日オンライン版に掲載された。

    この結果は米国心臓協会年次集会(AHA 2017、11月11~15日、米アナハイム)でも発表された。

    米国では年間約1000万人が胸痛を訴えて救急診療部を受診している。
    胸痛があると心筋梗塞を起こしている可能性があるため、胸痛患者に対しては血液検査や心電図、病歴聴取および診察により心筋梗塞かどうかを評価するのが一般的だ。
    しかし近年、これらの検査に加えて非侵襲的に冠動脈の状態を調べることができる冠動脈CT血管造影(CCTA)や運動負荷試験が行われるようになった。

    今回、米ワシントン大学医学部のDavid Brown氏らはCCTAおよび運動負荷試験を実施することで救急を受診した胸痛患者の予後が改善するのかどうかを検証するため、米国内の病院9施設で登録された患者1,000人のデータを分析した。

    このうち88%(882人、平均年齢54.4歳、48%が女性)には一般的な検査に加えてCCTAまたは運動負荷試験が実施され、残る12%(18人、同53.2歳、42%が女性)には一般的な検査のみが実施されていた。
    分析の結果、病院での平均滞在時間は追加検査を実施した群の28時間に対して追加検査を実施しなかった群では20時間と短く、追加検査を実施しない方が早く退院できることが分かった。

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    また、救急を受診してから1カ月以内に血行再建術が必要となった患者や、救急を再び受診した患者の割合については、追加検査を実施した群と実施しなかった群との間に有意差は認められなかった。

    一方、医療費は追加検査を実施した群の2,584ドル(約28万8,000円)に対して実施しなかった群では2,261ドル(約25万2,000円)とより低く、放射線曝露量も追加検査をしなかった群で有意に少なかった。

    米国心臓病学会(ACC)の元会長であるRichard Chazal氏は「この研究は米国の救急診療部や胸痛センターにおける診断プロセスに疑問を投げかけるものだ」としている。
    同氏によると、医師は心筋梗塞を見逃すことによる医療訴訟のリスクを減らすため、自分の身を守るために追加検査を実施している可能性が高いという。

    ただ、同氏は「高精度の心筋マーカーであるトロポニン値の血液検査が普及しつつあるため、今後、追加検査は不要となるだろう」との見方を示している。

    またChazal氏は「今回の研究では救急を受診してから1カ月間の追跡結果が報告されているが、それ以降も長期的に追跡するべきだ」としている。

    さらに、今回1カ月以内の救急再受診率は追加検査を実施した群と実施しなかった群との間に有意差はなかったものの前者では3%、後者では6%だったことに言及し、「胸痛で救急を受診した患者に対しては、後にかかりつけ医を受診するよう指示してから帰宅させる必要がある」と注意を促している。

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    HealthDay News 2017年11月15日
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  • 適度な飲酒で全死亡リスクが低減 多目的コホート研究から

    国立がん研究センターなどの多目的コホート研究(JPHC Study)グループは、適度な飲酒は全死亡のほか、がんや心臓病、脳血管疾患の三大死因による死亡リスクの低下と関連するとの研究結果を「Journal of Epidemiology」11月11日オンライン版に発表した。

    一方で、男女ともに飲酒量が多過ぎると死亡リスクは有意に上昇したことから、適量飲酒の重要性も再確認された。

    研究グループは今回、JPHC研究に参加した一般住民を前向きに約18年間追跡したデータを用いて、飲酒量と休肝日の有無や日数などの飲酒パターンが全死亡や心臓病、脳血管疾患、呼吸器疾患、病気を除いた傷害といった死因別の死亡リスクにどのような影響を及ぼすのかを調べた。

    対象は、1990年および1993年にがんや循環器疾患の既往がない40~69歳の住民10万2,849人。平均18.2年の追跡期間中に1万5,203人の死亡が確認された。
    研究開始時と5年後および10年後の調査時に行った質問紙調査への回答から、週当たりのエタノール換算した飲酒量を算出し、飲酒量で男性は7つの群に、女性は6つの群に分けて各死亡との関連を分析した。
    また、休肝日の有無や日数で(1)休肝日なし群、(2)週1~2日群、(3)週3~4日群、(4)週5~6日群の4群に分けて分析した。

    なお、飲酒量による分類は、男性は(1)飲酒しない群、(2)月に1~3日程度飲む群、(3)1週間当たりエタノール換算量で1~149g飲酒する群、(4)同150~299g群、(5)同300~449g群、(6)同450~599g群、(7)同600g以上群に分け、女性は男性の1週間当たりエタノール換算量で450g以上群をまとめた6つの群とした。
    エタノール換算した飲酒量の目安は、週150gがビール大瓶では約7本、日本酒では約7合に相当するという。

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    その結果、全死亡リスクは、男性では飲酒しない群と比べて、月に1~3日程度の少量飲酒する群と中程度(エタノール換算量で週に500g未満)の飲酒をする群で低下したが、飲酒量が多い群(週600g以上)ではリスクは上昇していた。女性でも少量から中程度(エタノール換算量で週に150g未満)の飲酒をする群で全死亡リスクは低下したが、飲酒量が多い群(週450g以上)ではリスクは有意に上昇し、男女ともに飲酒と全死亡はJ字型曲線(Jカーブ)の関係にあること分かった。

    また、死因別の分析では、男性はがんと脳血管疾患による死亡と飲酒量との間にはJカーブの関係がみられたが、心疾患と呼吸器疾患による死亡との間にはU字型曲線(Uカーブ)がみられた。
    一方、女性はがんと心臓病、脳血管疾患による死亡と飲酒量との間にJカーブの関係がみられた。

    さらに、週に1日以上飲酒する男性に限定して週当たりの飲酒量別に3つの群(週150g未満、150~299g、300g以上)に分け、休肝日がない群と比べた休肝日のある群の死亡リスクを分析した。

    その結果、休肝日を週に1~2日取り、かつ飲酒量が週150g未満の群では全死亡リスクが低下したほか、飲酒量にかかわらず休肝日を週に1~2日取る男性は脳血管疾患による死亡リスクが低下していた。

    これらの結果から、研究グループは「今回の研究で、多量飲酒を避けて適量飲酒をすることが健康には重要なことが再確認されたほか、休肝日を取ることが健康に好影響をもたらすことが示された」と述べている。

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    HealthDay News 2017年11月27日
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  • 野菜や果物の摂取量、足りている成人は10人中1人だけ―米調査

    野菜や果物はおいしく健康にもよいが、米国で推奨量の野菜を日常的に食べている成人は9%に過ぎないことが米疾病対策センター(CDC)国立慢性疾患予防・健康増進センター(NCCDPHP)の Seung Hee Lee-Kwan氏らによる研究で明らかになった。

    推奨量の果物を食べている成人も12%にとどまっていたという。
    詳細は「Morbidity and Mortality Weekly Report」11月17月号に掲載された。

    野菜や果物にはビタミンやミネラル、食物繊維などが豊富に含まれ、日常的に十分な量を食べることで心疾患や2型糖尿病、特定の種類のがん、肥満などのリスクが低減されることが分かっている。
    このため、米国の食事ガイドラインでは最低でも1日に野菜を2~3カップ相当、果物を1.5~2カップ相当摂取することが推奨されている。

    Lee-Kwan氏らは今回、2015年に全米で18歳以上の成人を対象に実施された調査で得られた過去1カ月間の(1)100%果汁(2)果物(3)乾燥豆(4)濃緑色の野菜(5)オレンジ色の野菜(6)そのほかの野菜―の摂取頻度に関するデータを分析した。

    その結果、ガイドラインで推奨されている量の野菜を摂取していた成人は全体の9.3%だった。また、果物についても推奨量を摂取していたのは12.2%だった。
    さらに、女性に比べて男性で、高齢者と比べて18~30歳の若年者で推奨量の野菜や果物を摂取している人の割合が低いことも分かった。

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    このほか、推奨量の野菜や果物を摂取している人の割合には地域差も認められた。例えば、推奨量の野菜を摂取している人の割合が最も高かったのはアラスカ州で12%だったが、ウエストバージニア州では6%にとどまっていた。
    さらに、世帯収入が最も高い層ではこの割合は11.4%だったのに対し、貧困層および貧困レベルに近い層では7%だった。

    Lee-Kwan氏らは「野菜や果物の摂取を阻む要因を明らかにし、それらを解消するために継続的に取り組む必要がある」とした上で、「野菜や果物の価格が高いこと、入手しにくい場合があることなどが一部の米国人で摂取を阻む要因となっている可能性がある」との見方を示している。

    一方、米レノックスヒル病院の管理栄養士であるHeather Seid氏は「茹でた野菜と生の果物でなければ栄養面でのメリットが期待できないわけではない。
    例えば、リンゴにシナモンとナツメグをふりかけてローストすればおいしく栄養面でも優れたデザートになる。マッシュポテトの代わりにカリフラワーのピューレと低脂肪乳、オリーブオイルを混ぜ合わせるのもよい」と、柔軟な発想で調理して積極的に果物や野菜を摂取することを提案。

    また、冷蔵庫を開けた時にすぐ目に入る中段に野菜や果物を保存したり、キッチンカウンターの上に果物を常備し、それ以外のものを置かないようにするのも、日常的な摂取につながる可能性があると助言している。

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