• 大気汚染で精子の質が低下する可能性

    大気汚染が男性の不妊の原因となる可能性があることが、台湾人男性を対象とした研究で示された。この研究では微小粒子状物質PM2.5への曝露によって精子の形態異常がもたらされ、精子の質が低下することが示唆されたという。

    詳細は「Occupational & Environmental Medicine」11月21日オンライン版に掲載された。

    研究を率いた香港中文大学公衆衛生・一次医療学部のXiang Qian Lao氏は「大気汚染は精子の形状およびサイズの異常と有意に関連していた。
    したがって、大気汚染は相当数のカップルに不妊をもたらしている可能性がある」としている。ただし、同氏は「この研究は観察研究であるため、大気汚染が原因で精子の質が低下するという因果関係を示したものではない」と強調している。

    Lao氏らは今回、2001~2014年に検診を受けた15~49歳の台湾人男性6,475人(平均年齢31.9歳)のデータを分析した。
    この検診では精子の質(総数、形状、サイズ、運動率)も評価していた。PM2.5への曝露レベルは、対象者の居住地により3カ月単位で2年にわたって評価した。

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    その結果、喫煙、飲酒、年齢、体重などの影響を考慮しても、PM2.5への曝露と精子の形態異常との間に関連が認められ、2年間のPM2.5濃度(平均)が5μg/m3増えるごとに正常な形態の精子が1.29%減少し、正常な形態の精子の割合が下位10%になるリスクが26%増大した。

    一方、PM2.5への曝露は精子濃度の上昇に関連することも分かった。
    これについて、Lao氏らは「身体が精子の質の低下を克服しようとする代償的な反応ではないか」との見方を示している。

    大気汚染が精子に影響を及ぼす正確な機序は明らかにされていないが、PM2.5には精子損傷との関連が認められている重金属や多環芳香族炭化水素類などの物質が含まれているという。Lao氏は「PM2.5による大気汚染は世界に広がっているため、多くの男性が影響を受けている可能性がある」と指摘し、精子の質を改善するためにも世界的な大気汚染への対策が求められると主張している。

    米レノックス・ヒル病院のTomer Singer氏によると、数十年前から精子の濃度および運動率の低下や形態異常の増加が認められていたが、原因を突き止めるのが困難だったという。
    米ノースウェルヘルスのManish Vira氏は「この研究は大気汚染と精子の異常との関連を裏付ける強いエビデンスとなる」と述べる一方、「このような影響がみられるのは大気が極度に汚染された地域に限定されるものと考えられる」としている。

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    HealthDay News 2017年11月22日
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  • 腹部肥満で拡張不全型心不全患者の死亡リスク上昇 国立国際医療研究センター

    左室駆出率が保たれた心不全(拡張不全型心不全、HFpEF)患者は、腹部肥満を併存すると死亡リスクが高まる可能性があることが、国立国際医療研究センター(東京都)糖尿病内分泌代謝科の辻本哲郎氏らの検討で分かった。

    詳細は「Journal of the American College of Cardiology」12月号に掲載された。

    HFpEF患者はしばしば高血圧、糖尿病、心房細動を併存することが知られているが、腹部肥満による生命予後への影響を調べた研究はほとんどない。
    辻本氏らは今回、HFpEF患者を対象に、腹部肥満と死亡との関連を調べる研究を行った。

    研究では、HFpEF患者に対するアルドステロン拮抗薬の有効性を検討した国際多施設共同のランダム化比較試験、TOPCAT(Treatment of Preserved Cardiac Function Heart Failure with an Aldosterone Antagonist)試験に参加した3,445人の患者のうち、この研究の基準を満たした3,310人が対象となった。
    対象患者は腹部肥満のある群(2,413人)と腹部肥満のない群(897人)に分けられ、死亡リスクについて比較検討された。

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    平均3.4年間の追跡期間中に500人の死亡が確認された。
    解析の結果、1,000人年当たりの死亡率は、腹部肥満のある群で46.1、腹部肥満のない群で40.7であった。
    多変量解析の結果、腹部肥満のない群と比べて、腹部肥満のある群で全死亡リスクは有意に高かった(調整後ハザード比1.52、95%信頼区間1.16~1.99、P=0.002)。

    また、腹部肥満のない群と比べて、腹部肥満のある群では心血管死や非心血管死のリスクもそれぞれ有意に高いことが認められた(それぞれの調整後ハザード比1.50、1.08~2.08、P=0.01および1.58、1.00~2.51、P=0.04)。

    以上の結果を踏まえて、辻本氏らは「腹部肥満を伴うHFpEF患者は、腹部肥満のない患者と比べ死亡リスクが高い可能性がある。
    HFpEF患者の生命予後を改善するには内臓脂肪に注目した体重管理が重要かもしれない」と結論づけている。

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    HealthDay News 2017年12月4日
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  • 2型糖尿病と肥満の併存は駆出率保持心不全のリスク因子 神戸大

    2型糖尿病患者は肥満を伴うと左室拡張機能が悪化しやすく、左室駆出率が保持された心不全(HFpEF)のリスクが高まる可能性のあることが、神戸大学大学院循環器内科学講師の田中秀和氏らの検討で分かった。

    左室長軸方向の心筋収縮能と左室拡張能は密接に関連しているが、健康な人では肥満による左室長軸方向の心筋収縮能への影響は認められなかったのに対し、2型糖尿病患者では肥満により左室長軸方向の心筋収縮能は有意に障害されていた。
    詳細は「Cardiovascular Diabetology」11月9日オンライン版に掲載された。

    2型糖尿病と肥満はHFpEF発症の重要なリスク因子であることが知られている。
    また、2型糖尿病と肥満があると左室拡張機能は悪化することも示されているが、糖尿病や肥満と心機能との関連は明らかにされていない。
    田中氏らは今回、左室駆出率が保たれた無症候性の2型糖尿病患者を対象に、肥満が左室拡張機能といった心機能に及ぼす影響を検討した。

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    対象は、2013年7月~2015年9月に同大学病院に入院し、左室駆出率が55%以上に保たれ、冠動脈疾患が認められない無症候性の2型糖尿病患者145人と、年齢と性、左室駆出率をマッチさせた健康な成人90人(対照群)。

    参加者には標準的な心エコー図検査を行い、左室長軸方向の心筋収縮能の指標として、心尖部3断面からGlobal Longitudinal Strain(GLS)を計測した。
    2型糖尿病患者群と対照群をそれぞれ肥満(BMI 25以上)の有無で分けて左室拡張機能を比較検討した。

    解析の結果、肥満のある2型糖尿病患者では、肥満のない2型糖尿病患者と比べてGLS値が有意に低かったが(17.9±2.4%対18.9±2.6%、P<0.05)、対照群では肥満の有無でGLS値に差はみられなかった(19.8±1.3%対20.4±2.1%、P=0.38)。

    また、2型糖尿病患者においてGLS値はBMIと有意な正相関を示したほか、多変量回帰分析からBMIは左室心筋重量係数とともにGLS値の独立した決定因子であることが分かった。

    以上の結果を踏まえて、田中氏らは「2型糖尿病と肥満を合併すると心機能により悪影響を及ぼし、HFpEFの発症リスクを高めることが分かった。
    こうした心不全を予防するためにも2型糖尿病患者では厳格な体重管理が必要になると考えられる」と述べている。

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    HealthDay News 2017年12月4日
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  • 流行のダイエット法“CICO”に専門家ら警鐘

    ケーキを我慢しなくても痩せられる“CICO(Calories In, Calories Out)”と呼ばれる流行のダイエット法を知っているだろうか。

    CICOの考え方は極めて単純で、食べる物はジャンクフードでも何でもよいが、毎日必ず摂取カロリーを計算し、それを上回るカロリーを運動で消費すれば減量できるというもの。
    しかし、意外なことではないが、多くの専門家がCICOについて否定的な見解を示している。

    CICOでは摂取カロリーの計算だけが必要で、食べる物は果物や野菜とキャンディーや加糖飲料が同レベルに扱われ、栄養バランスは考慮されない。
    しかし、米テキサス大学サウスウェスタン医療センター臨床栄養学のLona Sandon氏は「健康のためには減量さえすればよいというわけではない。
    CICOで減量は可能だが、栄養不足あるいは栄養失調に陥る可能性がある。
    栄養バランスに注意して食品を選ばなければ身体が必要とする全ての栄養素を摂取できず、骨粗鬆症やがん、心疾患などのリスクが上昇する」と指摘している。

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    同氏は「(CICOのような)その場しのぎの考え方はやめて、健康的な食事と運動を組み合わせた方法で時間をかけて減量するのが望ましい」と強調。
    具体的には「一皿分の量を減らすか、一食分の量が決まっている冷凍食品を利用して全体的な食事の量を抑える」とともに、「息が切れるくらいの速さでのウォーキングやランニング、サイクリング、水泳などの有酸素運動とレジスタンス運動を定期的に行う」ことを勧めている。
    なお、減量には週に計300~400分の運動が必要だという。

    米ニューヨーク大学メディカルセンター臨床栄養士のSamantha Heller氏も「急速な体重減少を伴う極度のカロリー制限は思わぬ問題を招く可能性があるだけでなく、減量を試みる人にフラストレーションを感じさせるだけの場合もある」と指摘。

    また、これまでの研究で体重の増減が繰り返されると肥満や心血管疾患などのリスクが高まることが示されていることにも言及し、「われわれは、減量してやせ型の体型になりたいという願望にとらわれ、健康を維持するという最も重要なことを忘れてしまいがちだ。

    しかし、減量よりもブロッコリーや枝豆、ピーカンナッツ、ベリー類などの健康的な食品を食べることの方がはるかに重要である」と話している。

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  • 65歳以上のがん診断例、4人中1人が過去にもがんを経験

    65歳以上でがんと診断された米国人の4人中1人を、以前にも同じ部位あるいは別の部位のがんを経験したことのある「がんサバイバー」が占めていることが米テキサス大学サウスウェスタン医療センターのCaitlin Murphy氏らの研究で明らかになった。

    詳細は「JAMA Oncology」11月22日オンライン版に掲載された。

    Murphy氏らは今回、全米のがん患者が登録されたSEERプログラムのデータを用い、2009~2013年にがんと診断された74万990人におけるがんサバイバーの割合を調べた。

    その結果、65歳以上の患者の約25%、65歳未満の患者の11%をがんサバイバーが占めていた。また、がんサバイバーの割合は年齢やがんの種類によって4~37%の範囲でばらつきがみられた。
    なお、以前に診断されたがんのほとんどが別の部位のがんだった。

    米フォックス・チェイスがんセンター外科腫瘍学のMarc Smaldone氏は「がん治療の向上に伴い患者の寿命は延びているが、それと引き換えに以前のがんとは無関係のがんや、以前のがん治療に起因した新たながんを発症する可能性がある人も増えている」と説明している。

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    また、同氏は「がんと診断された患者の多くは抑うつ症状に苦しんだり治療費への不安を感じたりする。
    複数回にわたるがんの診断は、ただでさえニーズが満たされていないがんサバイバーの問題を、さらに複雑かつ深刻なものにしてしまう」と指摘。
    このほか、有望ながん治療薬の臨床研究の多くががんサバイバーを対象から除外していることも問題点として挙げている。

    一方、米レノックス・ヒル病院のStephanie Bernik氏は、がん発症に影響する遺伝的要因や生活習慣に問題がある一部の人ががんにかかりやすくなる可能性を指摘。
    「複数の種類のがんには遺伝的要因が関与することが分かっているため、以前がんを発症した人が再び新たにがんを発症するリスクが高いことは理解できる。

    また、喫煙や飲酒も複数の種類のがんリスクを高めるため、こうした生活習慣のある人はがんを発症しやすいと考えられる」と説明している。

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    HealthDay News 2017年11月22日
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  • 赤ワインで「リラックス」、蒸留酒で「攻撃的」に?

    酒を飲んでどんな気分になるかは、飲んだ酒の種類によって左右されるという研究結果が「BMJ Open」11月21日オンライン版に掲載された。

    英国の研究グループが21カ国の約3万人を対象とした調査データを分析した結果、赤ワインやビールはリラックスした気分をもたらす一方、蒸留酒は攻撃的な気分や涙もろさにつながりやすいことが分かったという。

    この研究を実施したのは英パブリックヘルス・ウェールズNHSトラストのMark Bellis氏ら。アルコールや薬物に関する世界的な調査であるGlobal Drug Survey(世界ドラッグ調査)のデータを分析した。
    今回の結果を踏まえ、Bellis氏は「アルコールによる情緒への悪影響を知ることは重要だ」と話している。

    対象は、2015年11月~2016年1月に実施された調査に協力した21カ国の18~34歳の男女のうち、調査時点から遡って1年間にビール、赤および白ワイン、蒸留酒の4種類を全て飲んだことがあり、自宅および自宅外でよく飲む飲み物としてこれらの中から1種類を挙げた2万9,836人。

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    調査では、これらのアルコール飲料を飲んだ時に(1)活力がみなぎる、(2)リラックスする、(3)セクシーな気分になる、(4)自信が増す―といったポジティブな気分、あるいは(5)疲れる、(6)攻撃的になる、(7)気分が悪くなる、(8)落ち着かない、(9)涙もろくなる―といったネガティブな気分を経験するかどうかについて聞いた。
    なお、蒸留酒にはウイスキーやブランデー、ジン、テキーラなどさまざまな種類があるが、蒸留酒の種類に関するデータは含まれていない。

    その結果、「飲んだ時に攻撃的な気分になる」との回答率が29.8%と最も高かったのが蒸留酒だった。
    これに対し、赤ワインを飲んで攻撃的な気分になると回答した人の割合は7.1%だった。

    また、リラックス効果が最も高かったのは赤ワインで、回答者の52.8%が「赤ワインを飲んだ時にリラックスする」と回答していた。
    ビールについても約半数の回答者が「リラックスする」としていた。

    一方、蒸留酒は攻撃的な気分だけでなく、気分の悪さ、落ち着きのなさ、涙もろさをもたらしやすいことも分かった。
    ただし、赤ワインにもネガティブな作用はあり、「飲んだ時、疲れた気分になる」と回答した人が最も多かったのは赤ワインだった。

    Bellis氏は「アルコール濃度の違いを考えれば、酒の種類によって脳や情緒への作用が異なるのは当然である」とした上で、「蒸留酒は早いペースで飲まれることが多く、アルコール濃度も高いため、短時間で気分に刺激を与える一方、それ以外のアルコール飲料は食事とともにゆっくり飲まれることが多い。
    こうしたことが今回の研究結果に影響しているのではないか」との見方を示している。

    アルコールの作用には男女差もみられ、男性よりも女性の方がアルコールによってポジティブあるいはネガティブな感情を抱きやすい傾向が認められた。
    しかし「攻撃的な気分」だけは例外で、飲酒した時にこのような気分になる確率は女性よりも男性の方が高かった。

    さらに、アルコール依存症患者は飲酒によってポジティブな気分になる確率が高いことも示された。
    例えば、飲酒した時に活力がみなぎると回答した人の割合は、依存症でない人の5倍であった。
    ただし、アルコール依存症患者では飲酒した時に攻撃的な気分や疲れなどネガティブな気分を味わう確率も高かった。

    「自分の酔い方に問題があると感じる場合は、飲む酒を蒸留酒からビールや赤ワインに変えるのも場合によっては有効である」とBellis氏は助言する。
    ペースを守って飲み、アルコール度数の低い酒やノンアルコール飲料を選ぶのもよいという。

    ただし、アルコール依存症の人の場合は1杯飲めば抑制できなくなる可能性が高いため注意が必要だと専門家は呼び掛けている。

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  • 「砂糖に心疾患やがんのリスク」業界団体がデータ隠蔽か

    砂糖の主成分であるショ糖が心疾患や膀胱がんのリスクを高める可能性を示唆した約50年前の研究結果を、米国の砂糖の業界団体が隠蔽し続けてきたと指摘する論文が「PLOS Biology」11月21日オンライン版に掲載された。

    内部文書の分析に基づきこの論文を執筆した米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のStanton Glantz氏らは「喫煙の害を示す研究結果を大手たばこ企業がもみ消した事例と共通した問題だ」としている。

    Glantz氏らは今回、1967~1971年に砂糖研究財団(Sugar Research Foundation ; SRF、現・砂糖協会)による資金提供を受け英バーミンガム大学の研究者らが実施した「プロジェクト259」と呼ばれる研究に関する内部文書を分析した結果を発表した。
    この研究では、ラットにショ糖とでんぷんのいずれかが多く含まれた餌を与えたところ、ショ糖を与えたラットではでんぷんを与えたラットと比べ、心疾患リスクと強く関連するトリグリセライド値(中性脂肪)が上昇し、当時から膀胱がんとの関連が指摘されていたβ-グルクロニダーゼと呼ばれる酵素の値も上昇する可能性が示唆された。

    しかし、研究者らがこれらの予備データをSRFに提示したところ、研究を続けるための資金提供が打ち切られてしまったという。
    また、この予備データはその後公表されることはなかった。

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    「研究者たちは砂糖の有害性を示唆するデータを彼ら(SRFの関係者)に示し、『研究を終わらせるにはあと数週間必要だ』と説明した。
    ところが彼らはデータを見て『その必要はない』と回答し、全てをなかったことにした」とGlantz氏は話す。同氏は「この研究データは砂糖の取り過ぎと心血管リスクとの関連について解明を進める一助となったはずだが、業界団体はそれを求めていなかった」との見方を示している。

    なお、プロジェクト259が実施された当時、米食品医薬品局(FDA)は砂糖の含有量が多い食品に対して規制を強化するかどうかを検討中であった。
    論文の筆頭著者であるUCSF のCristin Kearns氏は「この結果が公になっていれば、砂糖はもっと厳しく監視されていた可能性がある」としている。

    一方、今回Glantz氏らがまとめた論文について、砂糖協会は「プロジェクト259は進捗が大幅に遅れ、予算も超過していた」と説明。
    「砂糖協会は設立当初から一貫して科学研究と技術革新を尊重してきた。現在も消費者の食習慣における砂糖の役割について理解を深めるための研究支援に尽力している」としている。

    米レノックス・ヒル病院で減量プログラムを実施しているSharon Zarabi氏は、Glantz氏らの報告を受け「われわれが何を食べるべきかを示す政府のガイドラインが、食品業界のロビイストによって左右されている実態が明らかになった」とコメント。
    特定の食品の摂取を支持する研究の多くが業界の資金援助によるものであることを指摘している。

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  • ビタミンD不足で不妊治療の成功率が低下する可能性

    血中ビタミンD濃度が低い女性は体外受精などの不妊治療が成功する確率が低いとする研究結果が「Human Reproduction」11月15日オンライン版に掲載された。

    英バーミンガム大学産婦人科講師のJustin Chu氏らがこれまでに発表された11件の研究データを解析した結果、血中ビタミンD濃度が充足している女性と比べ、不足あるいは欠乏している女性では妊娠率や生児獲得率が低いことが示されたという。

    Chu氏らは今回、体外受精や凍結胚移植、顕微授精といった生殖補助医療(ART)による不妊治療中の女性の血中ビタミンD濃度と治療アウトカムとの関連について検討したコホート研究11件(計2,700人)のデータを用いてメタ解析を実施した。

    その結果、血中のビタミンD濃度が充足している女性では、不足または欠乏している女性と比べて生児を獲得できる可能性が1.33倍であることが示された。
    さらに、臨床的に妊娠が確認される可能性も、ビタミンD濃度が充足している女性では、不足または欠乏している女性と比べて1.46倍であることが分かった。ただし、ビタミンD濃度と流産リスクとの間に関連は認められなかった。

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    なお、ビタミンD濃度が充足していたのは解析対象となった女性の26%のみだったという。
    ビタミンD濃度の基準値は統一されていないが、米国の内分泌学会は血中25(OH)D濃度で30ng/mL超を「充足」、21 ~29 ng/mLを「不足」、20 ng/mL未満を「欠乏」と定義している。

    今回の研究結果について、Chu氏らは「関連性が示されたに過ぎず、ビタミンDサプリメントを使用することでART後の生児獲得率が高まることが証明されたわけではない」と説明。
    「妊娠を希望している女性は、ビタミンD濃度を高める介入の効果が臨床試験で示されるまでは、ビタミンDサプリメントの購入を急ぐべきではない。
    ビタミンDの過剰摂取によって体内にカルシウムが蓄積し、骨が脆弱になるほか心臓や腎臓に悪影響がもたらされる可能性がある」と話し、慎重な解釈を求めている。

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  • 「毎年インフル予防接種で免疫低下」説にエビデンスなし

    「毎年インフルエンザの予防接種を受けると次第に免疫力が低下していく」と信じる人がいるが、そのようなエビデンスはない。むしろ、インフルエンザワクチンの接種歴が1回だけという人よりも、毎年接種してきた人の方が、免疫力が高いことを示した研究結果があるという。

    この研究は、ベルゲン大学(ノルウェー)臨床科学部のRebecca Cox氏らが実施したもの。以前、繰り返しワクチンを接種することでウイルスなどに感染した細胞を破壊するキラーT細胞(CD8陽性T細胞)の働きが阻害されることが、動物実験と免疫の低下した小児を対象とした研究で示されていた。
    そこで同氏らは健康な成人でも繰り返しインフルエンザワクチンを接種すると免疫が低下するのかどうか調べたという。

    対象は、2009年にインフルエンザワクチンを接種し、それ以降は接種したことがない医療従事者と、同年以降も毎年ワクチンを接種していた医療従事者の計250人。
    インフルエンザの流行シーズンが始まる前またはワクチン接種時に採取された血液サンプルを用い、抗体価とキラーT細胞およびヘルパーT細胞(CD4陽性T細胞)の活性を評価した。

    その結果、ワクチンを接種した人では接種回数にかかわらずインフルエンザウイルスの感染を予防できるレベルの抗体価が維持されていた。
    また、接種歴が1回だけの人と比べ、毎年接種していた人ではヘルパーT細胞の活性が高く、ウイルス感染と戦う能力が高いことが示された。

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    呼吸器専門医である米レノックス・ヒル病院のLen Horovitz氏は「毎年予防接種を受けてもウイルスから身を守るもう1つの防御力が失われるわけではないことを示した研究結果であるといえる」と説明。

    一方、米ノーザン・ウェストチェスター病院の感染症診療部門に所属するDebra Spicehandler氏も「この研究結果は、毎年インフルエンザワクチンを接種しても、自然免疫は低下しないことを示している」と話している。

    Cox氏らによる研究の詳細は「The Journal of Infectious Diseases」3月号に掲載されている。

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    HealthDay News 2017年11月21日
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  • 一般的な肩の手術、偽手術を上回る効果認められず

    肩の痛みに対して実施されている一般的な手術の有効性に疑問を投げかけるランダム化比較試験(RCT)の結果が「The Lancet」11月20日オンライン版に掲載された。

    肩甲骨の一部である肩峰の痛みが続いている患者を対象に関節鏡視下肩峰下除圧術を実施しても、手術を実施しない場合を上回る症状の緩和はみられなかったという。

    肩の痛みは仕事や家事などに支障をもたらし、深刻な問題となりうる。
    米国では肩の痛みによる受診件数は年間450万件に上る。肩の痛みの約7割は肩峰の痛みが原因とされているが、その治療法の一つとして広がっているのが関節鏡視下肩峰下除圧術だ。
    これは、関節鏡と呼ばれる内視鏡を皮膚にあけた小さな穴から挿入し、関節の内部を確認しながら肩峰を削って関節内の摩擦や引っ掛かり(インピンジメント)を軽減するというもの。
    英国ではその実施件数は2000年の2,523件から2010年には2万1,355件に増加したという。

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    今回報告されたRCTは、この手術の有効性について検証するために英オックスフォード大学教授のAndrew Carr氏らが英国内の32施設で実施した。
    試験では、理学療法やステロイド注射などの非外科的治療を受けても肩峰の痛みが3カ月以上続いており、回旋筋腱板の腱の接触が認められる患者313人(平均年齢53歳、女性が50%)を(1)関節鏡視下肩峰下除圧術群(以下、手術群)、(2)偽手術群、(3)経過観察のみの群―の3群にランダムに割り付けた。
    偽手術群では関節鏡を用いて関節の内部を確認するが、手術は行わなかった。

    試験開始から6カ月後および12カ月後には患者に肩の症状(痛みと機能)の程度を0~48点(点数が高いほど症状が軽い)で評価してもらった。

    その結果、6カ月後および12カ月後のいずれの時点においても、経過観察群を含む全ての群で肩の症状が改善していた。
    6カ月後の症状の評価スコア(平均)は手術群で32.7点、偽手術群では34.2点で、両群間に有意差はなかった。
    一方、経過観察群の評価スコアは29.4点で、手術群および偽手術群と比べると有意に低かったが、実際の症状に明らかな差はなかった。

    Carr氏は同誌のプレスリリースで「関節鏡視下肩峰下除圧術は肩の痛みを訴える患者の症状を緩和し、有害事象や合併症のリスクは低いと信じられ、30年以上にわたって実施されてきた。

    しかし、今回のわれわれの試験から、全く治療をしない場合と比べればわずかに効果がある可能性はあるが、偽の手術を上回るベネフィットはないことが分かった」と説明している。

    この試験結果に対し、ラドバウド大学医療センター(オランダ)のBerend Schreurs氏は、同誌の付随論評で「信頼に足る研究グループによる今回の報告が、今後の日常診療に変化をもたらすことを期待している。
    合併症リスクが低くても得られるメリットがなければ高額な外科手術を実施すべきではない」としている。

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    HealthDay News 2017年11月21日
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