• 若者の「スマホ依存症」、脳画像で異常を確認

    スマートフォン(スマホ)から離れられない若者に脳画像検査を実施したところ、脳内の神経伝達物質の活性のバランスに異常が認められたとする研究結果が北米放射線学会(RSNA 2017、11月26日~12月1日、米シカゴ)で発表された。

    この研究は高麗大学(韓国)のHyung Suk Seo氏らが実施したもの。
    対象は、インターネット依存症またはスマホ依存症と診断された10歳代の男女19人(平均年齢15.5歳)と、年齢および性をマッチさせた依存症のない健康な男女19人(対照群)。
    依存症患者には、インターネットまたはスマホへの依存症の重症度を測定する標準化された検査を実施した。
    この検査では主にインターネットやスマホの使用が日常生活や社会生活、生産性、睡眠習慣、感情に与える影響について評価した。

    また、依存症患者のうち12人には9週間にわたって認知行動療法を実施したが、その前にMRIの一種であるMRスペクトロスコピー(MRS)を用いて脳機能を評価した。
    MRSは体内の代謝物を非侵襲的に測定でき、主に脳腫瘍や脳卒中、気分障害、アルツハイマー病などの患者の脳機能評価に使用されている。

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    その結果、インターネットまたはスマホの依存症患者では、対照群と比べてグルタミン酸-グルタミン(Glx)に対するγアミノ酪酸(GABA)の活性レベルの比が高いことが示された。
    GlxとGABAはいずれも脳内の神経伝達物質だが、Glxは興奮性、GABAは抑制性の物質とされている。
    同氏らによると、これまでの研究でGABAは視機能や運動調節、不安などさまざまな脳機能の制御に関与することが明らかにされているという。

    また、今回の研究ではクレアチンおよびグルタミン酸に対するGABAの活性レベルの比が、インターネットまたはスマホへの依存レベルや抑うつ、不安と有意に関連することも示された。

    この研究結果を受け、米コーエン小児医療センターのSanjeev Kothare氏は「インターネットあるいはスマホへの依存症はギャンブルやポルノへの依存症に匹敵する病態かもしれない」との見方を示している。

    また、10歳代の子どもを持つ親に対し、同氏は「もしわが子がスマホ中毒ではないかと心配ならスマホやコンピュータの使用を制限すべきだ」と助言している。

    なお、学会発表された研究は査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

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  • 「脱毛症」「若白髪」で男性の心疾患リスク5倍?

    男性型脱毛症または若白髪がある男性では、これらがない男性と比べて40歳までに心疾患を発症するリスクが5倍を超えるとする研究結果がインド心臓病学会(CSI 2017、11月30~12月3日、インド・コルカタ)で発表された。

    この研究を実施したU.N.メータ研究所心臓研究センター(UNMICRC、インド)のKamal Sharma氏は「男性型脱毛症や若白髪を冠動脈疾患のリスク因子として考慮すべきだ」としている。

    対象は、冠動脈疾患がある40歳未満のインド人男性790人と、年齢をマッチさせた健康なインド人男性1,270人(対照群)。
    全ての男性に心電図検査や心臓超音波検査、血液検査、冠動脈造影などの検査を実施し、病歴を聴取した。また、男性型脱毛症および白髪の程度を評価した。

    その結果、冠動脈疾患患者では、健康な男性と比べて男性型脱毛症がある割合が高く(49%対27%)、若白髪がある割合も高かった(50%対30 %)。
    また、年齢と他の心血管リスク因子で調整後の冠動脈疾患リスクは、男性型脱毛症があると5.6倍に、また若白髪があると5.3倍に高まることが示された。

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    さらに、40歳未満のインド人男性では男性型脱毛症と若白髪はいずれも冠動脈疾患の最も強い予測因子で、次に強い予測因子は肥満(4.1倍のリスク)だった。
    糖尿病や高血圧、冠動脈疾患の家族歴、腹部肥満、高BMI、脂質異常症、喫煙も冠動脈疾患の予測因子ではあったが、男性型脱毛症や若白髪、肥満と比べると関連は弱かった。

    この結果を踏まえ、Sharma氏は「男性型脱毛症と若白髪は全体的な心血管リスクに影響する生物学的年齢の指標である可能性がある」との見方を示している。

    また、同研究所のDhammdeep Humane氏は「男性型脱毛症や若白髪のある男性には、冠動脈疾患の監視を強化し、健康的な食事や運動、ストレスへの対処などを通じた生活習慣の是正を指導すべき」と指摘。

    ただし、この研究はこれらの因子と冠動脈疾患との関連を示しているに過ぎない点を強調し、「さらなる研究で因果関係が証明されるまでは、男性型脱毛症や若白髪のある男性にスタチン療法を勧めるべきではない」としている。

    なお、学会発表された研究は査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

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  • 高齢者は食中毒に注意

    65歳以上の人は若い頃よりも免疫が低下している可能性が高く、食中毒になるリスクも高まります。

    高齢になると、身体に以下のような変化がみられるといわれています。

    • 消化管に食物が留まる時間が長くなるため、細菌に繁殖する時間を多く与えることになります。
    • 肝臓や腎臓が、有害な細菌や毒素を十分に除去できなくなることがあります。
    • 消化管の細菌を抑制する胃酸が十分に産生されなくなります。
    • 高齢になると食中毒リスクを高める慢性疾患にも罹りやすくなります。

    情報元:foodsafety.gov

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    HealthDay News 2017年11月27日
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  • 大腿骨近位部骨折の手術を遅らせてはならない理由

    大腿骨近位部を骨折した高齢者は、できるだけ早く手術を受ければ重篤な合併症を回避できるかもしれない―。

    トロント大学(カナダ)のDaniel Pincus氏らが実施した研究から、骨折後24時間以内に手術を受けた患者では、24時間超が経過してから手術を受けた患者と比べて死亡リスクや心筋梗塞などの合併症リスクが低下することが明らかになった。
    詳細は「Journal of the American Medical Association(JAMA)」11月28日号に掲載された。

    大腿骨近位部とは太ももの骨(大腿骨)のうち、足の付け根に近い部分(骨頭、頸部、転子部、転子下)を指す。大腿骨近位部を骨折したら、できるだけ早期に手術することが望ましいとされ、米国とカナダのガイドラインでは骨折後48時間以内の手術が推奨されている。
    しかし、「実際には推奨時間内に手術を受けている患者はそれほど多くはない」とPincus氏は指摘する。

    同氏によると、手術が遅れる理由として考えられるのは(1)すぐに使用できる手術室の空きがない、(2)手術を担当する医師をすぐに確保できない、(3)既に手術を待機している患者がいる―ことなど。
    また、医学的な理由から手術が遅延される場合もあるが、そうしたケースは極めてまれだという。

    さらに、手術までの待機時間がどの程度までなら許容範囲なのかについて一貫したエビデンスがないことも、早期の手術が広がっていない背景にあった。
    そこでPincus氏らは今回、2009年4月~2014年3月にオンタリオ州の72施設で大腿骨近位部骨折の手術を受けた患者4万2,230人(平均年齢80.1歳、女性70.5%)のデータを解析した。

    その結果、30日後までの死亡率は、骨折後24時間以内に手術を受けた患者の5.8%に対して24時間超が経過してから手術を受けた患者では6.5%と有意に高かった(P<0.006)。また、心筋梗塞や深部静脈血栓症、肺塞栓症、肺炎などの合併症リスクも24時間以内に手術を受けた患者に比べて24時間超が経過してから手術を受けた患者で高かった。

    Pincus氏は「骨折後24時間が経過するとリスクは明らかに上昇し始める」と指摘。
    「今回の研究から、24時間が安全な手術が可能な期間(safe window)であることが示された」と話している。

    付随論評の著者の一人である米シーダーズ・サイナイ医療センターのHarry Sax氏は「高齢者は複数の疾患を抱えている場合が多く、数日間をかけて大腿骨近位部骨折の手術に耐えられるか否かを確認するための検査を行うこともある」とする一方で、「ベッドに寝たきりでいる時間が長くなるほど肺炎や血栓のリスクは高まる。骨折した状態が続くと脂肪が漏れ出て肺まで飛び散る場合もある。
    手術を遅らせることで状況が良くなることはなく、むしろ悪化する」と説明している。

    その上で、同氏は「もし高齢の親族が大腿骨近位部を骨折したら、検査は必要最低限に抑え、できるだけ早く手術をしてほしいと医療チームに頼むべきだ」と助言。
    また、「高齢の大腿骨近位部骨折患者の管理に特化した外科医、老年病専門医、麻酔科医などのチームによる治療プログラムがある病院で治療を受けるのが最善だ」としている。

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    HealthDay News 2017年12月28日
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  • 都市の緑化で喘息による入院が減少か

    大気汚染は喘息の増悪リスクを高めるが、空気が悪い都市部でも樹木が多い地域であれば喘息で入院するリスクは低下することが英国の研究で示唆された。

    この研究を実施した英エクセター大学医学部のIan Alcock氏は「健康に良い環境の整備に向けた都市計画に役立つ知見が得られた」としている。
    詳細は「Environment International」12月号に掲載された。

    Alcock氏らは今回、1997~2012年に英国の都市部2万6,455地区で記録された喘息による入院約65万件のデータを分析し、地区間で喘息による入院率を比較した。

    その結果、大気汚染レベルが最も高い地区では、樹木の多さが喘息による入院率の低下と関連していた。
    例えば、大気中の微小粒子状物質PM2.5の濃度が約15μg/m3あるいは二酸化窒素(NO2)の濃度が約33μg/m3の地区では、樹木が1km2当たり300本多いと喘息による入院が住民10万人当たり50件減少することが示された。
    ただし、大気汚染レベルが低い地区では樹木が多くても喘息による入院率の低下は認められなかった。

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    一方、大気汚染レベルが低い地区では緑地や庭園が多いと喘息による入院率が低下した。
    ただ、大気汚染レベルが最も高い地区では緑地や庭園の多さと喘息による入院率の低下との関連は認められなかった。

    Alcock氏は「都市部の植生はデメリットよりもメリットの方が大きいことが明らかになった」と結論づける一方、緑地や庭園が多いことによる効果は汚染物質の濃度が低い地区で認められ、樹木が多いことによる効果は汚染物質の濃度が高い地区で認められたことから、「植生の効果は一様でないことも分かった」としている。

    なお、植生の種類によって喘息による入院率への影響に違いが認められた理由について、同氏は「草の花粉は大気汚染物質との相互作用でアレルギー症状を引き起こしやすくなるため、大気汚染レベルが高い地区では緑地や庭園によるメリットが小さい可能性がある。
    一方、樹木は大気から汚染物質を除去すると考えられているため、汚染レベルの最も高い地区で最大のメリットが得られるのではないか」との見方を示している。

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    喘息とは?ハウスダウトや排気ガスなど引き起こす原因が色々あがられ何が起因になっているか異なる場合があります。どういった症状があるのか、どういったことで改善できるのか。詳しく解説しています。

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    HealthDay News 2017年11月27日
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  • 季節性アレルギー性鼻炎の薬物療法に新ガイドライン

    多くの人を悩ませる季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)のベストな治療法に関する新たなガイドラインが発表された。米国の2学会が合同で策定したもので、「Annals of Internal Medicine」11月28日オンライン版に掲載された。

    新ガイドラインでは12歳以上の季節性アレルギー性鼻炎患者に対し、ステロイド点鼻薬を主軸とした治療が推奨されている。

    このガイドラインはアレルギー性疾患や喘息、免疫疾患を専門とする米国の2学会(AAAAIおよびACAAI)の作業部会が策定した。
    主な推奨内容は以下の通り。

    (1)12歳以上の患者に対する初期療法では、ステロイド点鼻薬と抗ヒスタミン薬の併用療法ではなくステロイド点鼻薬の単剤治療から開始する
    (2)15歳以上の患者に対する初期療法では、ロイコトリエン受容体拮抗薬よりもステロイド点鼻薬の使用が勧められる
    (3)12歳以上で中等症~重症の患者に対する初期療法では、ステロイド点鼻薬と抗ヒスタミン薬の点鼻薬の併用療法を患者に勧めてもよい

    AAAAIによると、ステロイド点鼻薬には市販薬もあるため入手しやすく、月当たりの薬代も15~20ドル(約1,700円~2,200円)程度と比較的安価だ。

    しかし、専門家がこの薬剤を推奨している最大の理由は、季節性アレルギー性鼻炎の初期療法で使用する薬剤として、他のどの種類の薬剤よりも有効性が高いからだという。

    また、米ノースウェル・ヘルスのアレルギー・免疫の専門医であるPunita Ponda氏は、副作用が比較的少ないこともステロイド点鼻薬の利点として挙げている。

    ただし、同氏は「ステロイド点鼻薬は完璧な薬ではない。鼻の痒みや乾燥、鼻血などの副作用の可能性もある」とした上で、「適切な方法で噴霧すればこれらの副作用は軽減されるため、医師に噴霧方法を教えてもらうとよい」と助言している。

    なお、新ガイドラインは12歳以上の患者を対象とした治療に関するものであるため、12歳未満の小児患者に対する治療指針は示されていないが、Ponda氏は「ステロイド薬による成長への影響を懸念する声があり、また噴霧器の使用が難しい場合もあるため、12歳未満の患者にはステロイド点鼻薬よりも経口抗ヒスタミン薬の方が有用である可能性がある」との見解を示している。

    一方、米ニューヨーク大学(NYU)ウィンスロップ病院のLuz Fonacier氏は「ステロイド点鼻薬が奏効しない患者には、抗ヒスタミン薬の経口薬や点鼻薬のほか、ロイコトリエン受容体拮抗薬が症状の軽減に役立つ場合もある」としている。

    さらにPonda氏は、ステロイド点鼻薬にこうした薬剤を上乗せしてもアレルギー症状をコントロールできない場合には、アレルゲン免疫療法(allergy shot)も選択肢の一つとなると紹介。
    この治療法は通常、週1回のペースで6カ月間にわたってアレルゲンを注射し、その後は月1回の注射を3~5年続けるというもので、「患者にとっては相当の覚悟が必要ではあるが、根治が望める唯一の治療法だ」と説明している。

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    HealthDay News 2017年11月28日
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  • 患者の満足度が一気に低下するのはどんなとき?

    ひと昔前まで、患者は医師の助言であれば仮に歓迎できない内容であっても受け入れるのが当たり前だった。しかし近年、患者は注文の多い医療サービスの消費者となり、要望に応じない医師に対して不満を示すようになりつつあるようだ。

    特に、新たな薬剤の処方や専門医など他の医師への紹介を要求して断られた場合に患者の満足度が一気に低下することが、米国の家庭医を受診した患者を対象とした研究で示された。
    詳細は「JAMA Internal Medicine」11月27日オンライン版に掲載された。

    この研究は米カリフォルニア大学デービス校(UCD)のAnthony Jerant氏らが実施したもの。
    同大学傘下のクリニックの家庭医56人を受診した患者1,141人(平均年齢45.6歳、女性68.4%)に、受診ごとに医師に対する満足度を評価してもらった。
    受診件数は計1,319件だった。

    その結果、全受診の68.0%(1,319件中897件)で患者から何らかの要求が示され、医師は全ての要求の85.2%に応じていた。要求内容で多かったのは臨床検査の実施(34.0%)、他の医師への紹介(21.1%)、鎮痛薬(20.5%)や新たな薬剤(鎮痛薬や抗菌薬を除く、20.5%)の処方だった。

    どのような要求が断られると患者の満足度が低下するのかについて分析したところ、他の医師への紹介または新たな薬剤を要求して断られた場合に満足度が最も低下し、要求を受け入れられた場合と比べて満足度スコアのパーセンタイル値が平均で約20ポイント低いことが示された。また、鎮痛薬や臨床検査を要求して断られた場合も平均で約10ポイント低下することが分かった。

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    Jerant氏は「医師にとって最大の問題は、患者の満足度スコアが医師の賃金に直結するケースが増えていることだ」と指摘。
    「実際はそれほど役に立たないと分かっていても、患者の要求に従って鎮痛薬を処方したり検査を行ったりしてしまう医師は少なくないだろう。
    われわれは、患者の満足度スコアを反映させた報酬のあり方について再考すべきだ」としている。

    米国内科学会(ACP)臨床プログラムのCynthia Smith氏は「最近はテレビで新薬の情報を得たり、自分の症状についてインターネットで調べた上で受診する患者が多い。

    例えば、いとこに脳腫瘍患者がいる頭痛患者の場合、頭痛についてインターネットで検索した時に画像検査で脳腫瘍を発見できるという情報を得れば、その検査を要求するのは不思議ではない」と話す。

    なお、今回の研究では抗菌薬の処方の要求は少なく(8.1%)、またこの要求に応じてもらえなくても満足度スコアは低下しないばかりかわずかに上昇することが示された。
    この点について、Jerant氏は「抗菌薬の不適切な処方に起因した耐性菌の増加といった問題がようやく認知されてきたことが背景にあるのではないか」と考察。
    「これは希望の持てる結果であり、鎮痛薬の問題についても広く周知されれば状況は変わってくる可能性もある」と期待を寄せている。

    また、Jerant氏とSmith氏はともに「医師は患者とのコミュニケーション能力を向上させる必要がある」と強調。Smith氏は「薬や検査を求める患者の背景にある気持ちを探り、理解する必要がある」としている。

    一方、Jerant氏は医師に対し、「患者の要求を全面的に否定するのではなく、お互いの妥協点を見出すよう心掛けるとよい」と助言。患者の不安を認めた上で、正直に「この薬や検査は治療には役立たないと考えている」と伝え、しばらく様子を見ることを提案する“watchful waiting(注意深い経過観察)”のアプローチが有望だとして、今後、臨床試験でこのアプローチの効果を検証したいとの意向を示している。

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  • 大気汚染で精子の質が低下する可能性

    大気汚染が男性の不妊の原因となる可能性があることが、台湾人男性を対象とした研究で示された。この研究では微小粒子状物質PM2.5への曝露によって精子の形態異常がもたらされ、精子の質が低下することが示唆されたという。

    詳細は「Occupational & Environmental Medicine」11月21日オンライン版に掲載された。

    研究を率いた香港中文大学公衆衛生・一次医療学部のXiang Qian Lao氏は「大気汚染は精子の形状およびサイズの異常と有意に関連していた。
    したがって、大気汚染は相当数のカップルに不妊をもたらしている可能性がある」としている。ただし、同氏は「この研究は観察研究であるため、大気汚染が原因で精子の質が低下するという因果関係を示したものではない」と強調している。

    Lao氏らは今回、2001~2014年に検診を受けた15~49歳の台湾人男性6,475人(平均年齢31.9歳)のデータを分析した。
    この検診では精子の質(総数、形状、サイズ、運動率)も評価していた。PM2.5への曝露レベルは、対象者の居住地により3カ月単位で2年にわたって評価した。

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    その結果、喫煙、飲酒、年齢、体重などの影響を考慮しても、PM2.5への曝露と精子の形態異常との間に関連が認められ、2年間のPM2.5濃度(平均)が5μg/m3増えるごとに正常な形態の精子が1.29%減少し、正常な形態の精子の割合が下位10%になるリスクが26%増大した。

    一方、PM2.5への曝露は精子濃度の上昇に関連することも分かった。
    これについて、Lao氏らは「身体が精子の質の低下を克服しようとする代償的な反応ではないか」との見方を示している。

    大気汚染が精子に影響を及ぼす正確な機序は明らかにされていないが、PM2.5には精子損傷との関連が認められている重金属や多環芳香族炭化水素類などの物質が含まれているという。Lao氏は「PM2.5による大気汚染は世界に広がっているため、多くの男性が影響を受けている可能性がある」と指摘し、精子の質を改善するためにも世界的な大気汚染への対策が求められると主張している。

    米レノックス・ヒル病院のTomer Singer氏によると、数十年前から精子の濃度および運動率の低下や形態異常の増加が認められていたが、原因を突き止めるのが困難だったという。
    米ノースウェルヘルスのManish Vira氏は「この研究は大気汚染と精子の異常との関連を裏付ける強いエビデンスとなる」と述べる一方、「このような影響がみられるのは大気が極度に汚染された地域に限定されるものと考えられる」としている。

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  • 腹部肥満で拡張不全型心不全患者の死亡リスク上昇 国立国際医療研究センター

    左室駆出率が保たれた心不全(拡張不全型心不全、HFpEF)患者は、腹部肥満を併存すると死亡リスクが高まる可能性があることが、国立国際医療研究センター(東京都)糖尿病内分泌代謝科の辻本哲郎氏らの検討で分かった。

    詳細は「Journal of the American College of Cardiology」12月号に掲載された。

    HFpEF患者はしばしば高血圧、糖尿病、心房細動を併存することが知られているが、腹部肥満による生命予後への影響を調べた研究はほとんどない。
    辻本氏らは今回、HFpEF患者を対象に、腹部肥満と死亡との関連を調べる研究を行った。

    研究では、HFpEF患者に対するアルドステロン拮抗薬の有効性を検討した国際多施設共同のランダム化比較試験、TOPCAT(Treatment of Preserved Cardiac Function Heart Failure with an Aldosterone Antagonist)試験に参加した3,445人の患者のうち、この研究の基準を満たした3,310人が対象となった。
    対象患者は腹部肥満のある群(2,413人)と腹部肥満のない群(897人)に分けられ、死亡リスクについて比較検討された。

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    平均3.4年間の追跡期間中に500人の死亡が確認された。
    解析の結果、1,000人年当たりの死亡率は、腹部肥満のある群で46.1、腹部肥満のない群で40.7であった。
    多変量解析の結果、腹部肥満のない群と比べて、腹部肥満のある群で全死亡リスクは有意に高かった(調整後ハザード比1.52、95%信頼区間1.16~1.99、P=0.002)。

    また、腹部肥満のない群と比べて、腹部肥満のある群では心血管死や非心血管死のリスクもそれぞれ有意に高いことが認められた(それぞれの調整後ハザード比1.50、1.08~2.08、P=0.01および1.58、1.00~2.51、P=0.04)。

    以上の結果を踏まえて、辻本氏らは「腹部肥満を伴うHFpEF患者は、腹部肥満のない患者と比べ死亡リスクが高い可能性がある。
    HFpEF患者の生命予後を改善するには内臓脂肪に注目した体重管理が重要かもしれない」と結論づけている。

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  • 2型糖尿病と肥満の併存は駆出率保持心不全のリスク因子 神戸大

    2型糖尿病患者は肥満を伴うと左室拡張機能が悪化しやすく、左室駆出率が保持された心不全(HFpEF)のリスクが高まる可能性のあることが、神戸大学大学院循環器内科学講師の田中秀和氏らの検討で分かった。

    左室長軸方向の心筋収縮能と左室拡張能は密接に関連しているが、健康な人では肥満による左室長軸方向の心筋収縮能への影響は認められなかったのに対し、2型糖尿病患者では肥満により左室長軸方向の心筋収縮能は有意に障害されていた。
    詳細は「Cardiovascular Diabetology」11月9日オンライン版に掲載された。

    2型糖尿病と肥満はHFpEF発症の重要なリスク因子であることが知られている。
    また、2型糖尿病と肥満があると左室拡張機能は悪化することも示されているが、糖尿病や肥満と心機能との関連は明らかにされていない。
    田中氏らは今回、左室駆出率が保たれた無症候性の2型糖尿病患者を対象に、肥満が左室拡張機能といった心機能に及ぼす影響を検討した。

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    対象は、2013年7月~2015年9月に同大学病院に入院し、左室駆出率が55%以上に保たれ、冠動脈疾患が認められない無症候性の2型糖尿病患者145人と、年齢と性、左室駆出率をマッチさせた健康な成人90人(対照群)。

    参加者には標準的な心エコー図検査を行い、左室長軸方向の心筋収縮能の指標として、心尖部3断面からGlobal Longitudinal Strain(GLS)を計測した。
    2型糖尿病患者群と対照群をそれぞれ肥満(BMI 25以上)の有無で分けて左室拡張機能を比較検討した。

    解析の結果、肥満のある2型糖尿病患者では、肥満のない2型糖尿病患者と比べてGLS値が有意に低かったが(17.9±2.4%対18.9±2.6%、P<0.05)、対照群では肥満の有無でGLS値に差はみられなかった(19.8±1.3%対20.4±2.1%、P=0.38)。

    また、2型糖尿病患者においてGLS値はBMIと有意な正相関を示したほか、多変量回帰分析からBMIは左室心筋重量係数とともにGLS値の独立した決定因子であることが分かった。

    以上の結果を踏まえて、田中氏らは「2型糖尿病と肥満を合併すると心機能により悪影響を及ぼし、HFpEFの発症リスクを高めることが分かった。
    こうした心不全を予防するためにも2型糖尿病患者では厳格な体重管理が必要になると考えられる」と述べている。

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    参考情報:リンク先
    HealthDay News 2017年12月4日
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