• 【クラミジアの検査・原因・薬物治療】性病「クラミジア」とは

    クラミジアについて

    性感染症の中でも最も多いといわれているクラミジア。性病のことはなかなか恥ずかしくて他人には聞けないですが、きちんと知識を持っておくことは、自分の身を守るためにも大切です。そこで今回はクラミジアの原因、症状、治療法について説明します。
    1. 1.はじめに
    2. 2.クラミジアとは
    3. 3.クラミジアの原因は
    4. 4.クラミジアと考えられる症状は?
    5. 5.クラミジアが原因でかかる病気や疾患は?
    6. 6.クラミジアの治療
    7. 7.クラミジアにならないためには
    8. 8.おわりに

    はじめに

    性感染症の中でも最も多いといわれているクラミジア。性病のことはなかなか恥ずかしくて他人には聞けないですが、きちんと知識を持っておくことは、自分の身を守るためにも大切です。

    そこで今回はクラミジアについて、知っておくべきことをまとめました。

    クラミジアとは

    クラミジアとは、性感染症の一種で、多くの場合自覚症状が少なく、不妊症の原因となることが特徴とされています。

    性感染症の中でも感染者が多く、妊婦検診においては正常妊婦の3~5%でクラミジアの感染があるというデータもあり、推定では国内でも百万人以上の感染があるとされています。

    近年では若い女性での感染も多く、特に若い女性での感染は将来の不妊につながる可能性もあり、非常に大きな問題となっています。

    クラミジアの原因は

    クラミジアは、クラミジア・トラコマティスと呼ばれる病原体に感染することで発症します。

    この病原体自体は非常に弱く、水中でもあまり長く生きることができないため、お風呂や温泉を通じて感染することはほとんどありません。
    また、乾燥にも弱く、バスタオルなどの道具の共用によってもうつることはほとんどありません。

    ただし、クラミジアは性行為によって非常に伝染しやすくなっており、粘膜同士の接触、精液、膣分泌液などの体液との接触など、あらゆる性行為によって感染する可能性があります。

    また、性器への感染だけでなく、オーラルセックスを通じてのどへの感染が起こることも知られています。
    この場合、自覚症状が出ないことも多く、知らぬ間に人にうつしてしまう事もあるので、リスクのある行動をとった場合は十分に注意しなければなりません。

    特に、コンドームを使用しない性行為はリスクが高く、クラミジアに感染していた場合一回の性行為につき50%の確率で伝染させてしまうともいわれています。
    たとえ感染を疑うようなことがなくとも、しっかりとコンドームを使用した行為を行うことが大切になってきます。

    クラミジアと考えられる症状は?

    クラミジアは性感染症の中でも特に自覚症状に乏しく、女性では約8割、男性では約5割の人に自覚症状がないといわれています。
    しかし、十分に注意していれば気づくことができる症状もいくつかあるため、以下に紹介していきます。

    男性に出る症状
    男性の場合、初期感染の段階ではほとんど症状が見られませんが、時間がたつにつれて排尿時の痛みや性器のかゆみなどが見られるようになります。
    また、病原体が精巣上体という、精子を運ぶ管の役割をする器官に及ぶと、副睾丸炎という病気を引き起こします。
    症状としては発熱、睾丸の腫れ、痛みなどがあらわれ、ひどい時にはリンゴ大まで膨れ上がることもあるようです。
    また、さらに悪化した場合には尿道から粘液性の分泌物が出てくることもありますが、多くの場合は排尿時におし流されてしまうため、よくよく注意していなければ気づくことは難しいでしょう。

    女性に出る症状
    女性の場合、クラミジアに感染していると不妊症の大きな原因となってしまいます。
    にもかかわらず、男性よりもさらに症状がわかりにくいため、感染していることに気が付かず、病状がかなり悪化してから気が付くということも少なくありません。
    考えられる症状として、おりものの量が少し増えることや、性交時の痛み、不正出血などがあげられますが、そのほかに明確な症状は現れてこないのです。

    男女共通の症状
    のどにクラミジア感染が起きた場合、のどの痛みと痰の量の増加がみられます。
    上記の症状と合わせて見られた場合は、クラミジアの感染を疑いましょう。

    クラミジアが原因でかかる病気や疾患は?

    クラミジアは、放置しておくと様々な病気の原因となります。

    男性の場合、先ほど紹介した副睾丸炎が代表的なものですが、女性の場合はさらにさまざまな病気を引き起こすリスクがあります。

    女性のクラミジア感染が進行すると、子宮の内部にまで炎症が広がり、子宮頚管炎や子宮内膜炎を引き起こします。
    子宮内膜炎を引き起こすと、発熱、下腹部痛、不正出血などがみられ、子宮から卵管にまで感染が広がると、卵管が狭くなったり、閉じたりしてしまうため、不妊症の原因にもなってしまいます。

    さらに、炎症がおなか全体にまで広がると、骨盤内炎症性疾患という状態におちいってしまいます。
    骨盤内炎症性疾患でも、下腹部痛、発熱、不正出血などが見られ、特に月経中や月経後に強く症状が見られます。

    重症例では卵管や卵巣が破裂してしまい、死の危険にさらされてしまう可能性もあり、十分な注意が必要です。

    他に、妊娠中の女性がクラミジアに感染していた場合、流産や早産を引き起こす可能性が高くなります。
    また、おなかの中の赤ちゃんにもクラミジアが感染してしまい、生まれた後に結膜炎や肺炎などを引き起こしてしまう事もあります。

    また、男女ともにクラミジアに感染していると、HIVなどほかの性感染症にかかるリスクも高くなることが知られています。

    クラミジアの治療

    クラミジアの治療には、テトラサイクリン系、マクロライド系、ニューキノロン系と呼ばれる抗菌薬が用いられ、順調にいけば数週間で完治させることが可能です。

    ただ注意しなければならないのは、パートナーの片方だけに治療を行っても、もう片方がクラミジアの病原体を持ったままでいると、ピンポン感染といって、互いに交互に病気を感染させあってしまう事になるという事です。

    クラミジアと診断された場合、勇気をもってパートナーにも伝え、一緒に治療を受けてもらうことが大切となります。

    クラミジアにならないためには

    クラミジアに感染しないためには、まず何よりもコンドームの使用が大切です。コンドームは避妊のために使用するのはもちろんのこと、正しく使えば性感染症を防ぐことも可能です。

    また、性行為の前後は体を清潔に保ち、病原体が感染する機会をなるべく少なくすることも有効となります。

    他に、特定のパートナーを持つということも大切です。複数のパートナーの性行為を繰り返すと、それだけ感染の機会を増やすことになるため、パートナーを特定することも感染の予防につながるのです。

    おわりに

    その性質上、公に語られることはあまりありませんが、性感染症については生活の上で知っておくべき大切な知識です。

    今回の記事を通して、性感染症のひとつであるクラミジアについて、必要な情報を知っておき、必要な時の手助けになるとよいですね。

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  • ペットや家畜から感染? 知っておきたい人畜共通感染症の脅威

    人畜共通感染症について

    『人畜共通感染症』というと聞き覚えがないかもしれませんが、『鳥インフルエンザ』や『狂犬病』というと身近に感じられるのではないでしょうか?

    イヌ、ネコ、トリなど身近な動物から感染するかもしれない怖い感染症です。
    それらの感染症の症状、予防、治療法など知っておきたい情報が満載です。

    1. 1.はじめに
    2. 2.インフルエンザウイルスとは
    3. 3.鳥インフルエンザウイルス感染症の感染経路
    4. 4.鳥インフルエンザウイルス感染症の症状と予防
    5. 5.狂犬病の感染経路
    6. 6.狂犬病の症状
    7. 7.狂犬病の予防と治療
    8. 8.おわりに

    はじめに

    人畜共通感染症(ズーノーシス)とは、ヒトと動物の両方に感染する病原体(ウイルスなどの微生物)によって引き起こされる感染症のことです。中でもインフルエンザや狂犬病は、ヒトと動物の双方に感染するダイレクトズーノーシスと呼ばれています。

    鳥インフルエンザウイルスH7N9型は、中国で最初に発見されて132人が感染し、36人が死亡した致死性の高いウイルスです。
    現在はヒトからヒトへの感染性はありませんが、今後ウイルスが変異して感染が広がることが心配されています。

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    インフルエンザウイルスとは

    インフルエンザウイルスはオルトミクソウイルス科のウイルスで、A、B、C型の3種類があります。
    ウイルスの表層には赤血球を集めて塊を作る赤血球凝集素(HA)と、細胞同士の感染を助けるノイラミニダーゼ(NA)という酵素があり、これらの分子がさまざまに組み合わさることで、ウイルスの型を形成しています。

    ヒトに感染し、流行するインフルエンザウイルスはA型とB型です。A型は10~40年のサイクルで流行し、それにはウイルスの変異が大きく影響しています。
    感染者から取り出されて増やしたウイルスをもとに、スペインかぜはH1N1型、アジアかぜはH2N2型、香港かぜはH3N2型、ソ連かぜはH1N2型、新型インフルエンザである豚インフルエンザはH1N1型であることがわかっています。

    変異には突然変異とウイルス間の遺伝子組み換えの2パターンがあります。遺伝子組み換えはヒトの体内で起こることはなく、動物の体の内でヒトへ感染するウイルスへと変化します。

    2003~2006年にかけて日本、インドネシア、韓国、中国に生息する鳥から見つかった高い確率で感染症を引き起こす鳥インフルエンザウイルスをH5N1型といい、新型インフルエンザウイルスに分類されています。

    厚生労働省は鳥インフルエンザが国内感染者3,200万人のパンデミック(感染症の大流行)を引き起こすと推測し、さらに国内にワクチンがないとも述べています。

    鳥インフルエンザウイルス感染症の感染経路

    鳥インフルエンザウイルスは鳥の気道や大腸、小腸の中で増え、糞便(ふんべん)中に外に出ます。
    また、汚染水を通してカモの間で感染し、湖や沼の氷の中で凍結保存されます。
    鳥の糞(ふん)や汚染された水以外に、感染者の咳やくしゃみに含まれるウイルスから感染することもあります。

    鳥インフルエンザウイルス感染症の症状と予防

    ウイルスの潜伏期間は1~3日間です。
    症状は38℃以上の発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、全身のだるさ、咽頭痛、咳です。
    高齢者では肺炎、乳幼児では脳炎を合併して死亡するケースもあります。

    予防するには養鶏場など鳥の糞(ふん)が舞い上がるところに近づかないことが大切です。

    また、外出後は手洗いとうがいを心がけましょう。

    狂犬病の感染経路

    狂犬病ウイルスはラブドウイルス科リッサウイルス属のウイルスです。ヒトに対する主な感染源は野生のイヌですが、ネコやコウモリが菌をもっていることもあります。
    それらの感染動物の唾液に含まれる狂犬病ウイルスが、噛まれた傷、目や唇などの粘膜から侵入します。

    感染後、ウイルスは神経系を通って脳神経で活動し始めます。感染部位が脳に近いほどウイルスの潜伏期間は短く、2週間~2年間と幅広いことが特徴です。

    狂犬病ウイルスは全ての哺乳類に感染します。通常、ヒトからヒトへの感染はなく、移植時の感染例があるのみです。

    ※神経系とは
    音を聞く、痛みを感じるなどの刺激を細胞が受けたときに、それを脳に伝える組織のこと。

    狂犬病の症状

    狂犬病ウイルスに感染しているイヌは、感覚器に対する刺激に敏感になり、風や音によるわずかな刺激で痙攣(けいれん)を起こします。また、極端に水を避ける恐水症も特徴です。

    ヒトに現れる症状としては、皮膚(ひふ)の違和感と感冒様症状(発熱、鼻づまり、咳など、いわゆるかぜのような症状)があげられます。
    症状の激しい時期には不安感、恐水症状、恐風症、興奮、麻痺(まひ)、精神錯乱、腱反射と瞳孔反射のたかぶりが見られます。
    致命的な症状は麻痺(まひ)で、全身にわたると呼吸障害に至って死亡します。

    ※恐風症とは
    風の動きに敏感になり、過剰に恐れる症状のこと。

    ※腱反射とは
    筋肉と骨をつないでいる腱が、外からの刺激に反応して突然筋肉を収縮すること。有名なものは、膝の皿の下をたたくと足が跳ね上がる反射。

    ※瞳孔反射とは
    強い光を浴びたり、近くをずっと見たりすることによって瞳の大きさが変化すること。

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    狂犬病の予防と治療

    狂犬病の疑いのある動物に咬まれたらまず、傷口をよく洗うことが大切です。狂犬病ウイルスはエタノールで死滅するウイルスなので、洗浄後に消毒しましょう。
    消毒後はすぐに暴露後(感染後)ワクチンを接種します。

    接種のスケジュールは日本製のワクチンの場合、当日、3、7、14、30、90日後の6回です。
    欧米製のワクチンの場合は、当日、3、7、14、28日後の5回接種します。

    暴露前(感染前)ワクチンを接種せずに発症すると、ほとんどの場合で死亡することがわかっています。
    日本での暴露前ワクチンの接種は180日間に3回で、完了後は2年間有効です。
    接種の義務はなく、費用は自己負担です。欧米のワクチン接種は28日間に3回で、完了後は同じく2年間有効です。

    おわりに

    鳥インフルエンザと狂犬病という2つの人畜共通感染症についてご説明しました。
    それぞれの症状や予防法についてご理解いただけたでしょうか?

    ウイルスの変異と医療の進歩の関係はいたちごっこです。変異を繰り返すウイルスに対処するために、今後も情報をアップデートしていきましょう。

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  • 禁煙ポスターは若者には逆効果

    若者に喫煙を踏みとどまらせることが目的で掲示された、たばこの害を伝えるイメージ写真入りのポスターは、実は逆効果をもたらすかもしれない。

    米国の10歳代の男女約440人を対象とした研究から、コンビニエンスストアでこうしたポスターを目にした喫煙リスクの高い若者は、より喫煙したいという気持ちが高まることが分かったという。
    詳細は「Nicotine & Tobacco Research」12月13日オンライン版に掲載された。
    この研究は、米ランド研究所上級行動科学者のWilliam Shadel氏らが11~17歳の男女441人を対象に実施したもの。
    同氏によると、若者の利用率が高いコンビニエンスストアでのたばこ企業による公告宣伝活動が、若者の喫煙を促す可能性があるとして問題視されている。

    そこで同氏らは今回、実験室に疑似コンビニエンスストアを設置し、レジカウンターの背後に喫煙の害を伝えるポスターを掲示。
    来店した若者の喫煙に対する意識への影響について検討した。
    ポスターは「警告:たばこはがんの原因」というメッセージとともに喫煙によって不健康な外見になった口の写真が掲載されたものを使用した。

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    その結果、疑似コンビニエンスストアで買い物をした若者のうち、以前から喫煙に否定的であった者では、ポスターを見ても買い物後の喫煙に対する意識に変化はなかった。
    しかし、以前から喫煙に興味があり、喫煙を開始するリスクが高いと判定された若者では、ポスターを見ることでさらに喫煙を始めたいという気持ちが高まることが示された。

    この結果を踏まえ、Shadel氏は「もともと喫煙リスクの高い若者は、たばこの害を警告するポスターに対して身構えるために、ポスターが伝える健康リスクを信用しなかったり、軽視したりする可能性がある」と考察している。
    ただ、今回の研究で検討されたのは1種類のポスターのみであるため、今後は他の種類のポスターによる影響や、レジカウンターの壁面以外の位置にポスターを掲示した場合の効果についても検討する必要があるとしている。

    その上で、同氏は「禁煙教育の一環でたばこ製品の販売店に警告ポスターを掲示する場合には、慎重に検討すべきであることが今回の研究で示された」と話し、政策立案者に対して今回の研究結果を考慮した対策を求めている。

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    参考情報:リンク先
    HealthDay News 2017年12月14日
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  • 飼い犬に与えない方がよい「おやつ」

    飼い犬に与えたおやつやごほうびが、思わぬけがや病気の原因となってしまうことがあります。

    ペットが不適切なものを口にすると、胃や腸の閉塞、窒息、口のけが、嘔吐、下痢、内出血などが生じ、最悪の場合は死に至ることもあるといいます。

    以下の点に注意して、飼い犬の安全を守りましょう。

    • 料理に含まれる骨の中には折れやすく、割れると鋭利な破片が生じるものがあります(特に鶏骨)。そのため、調理中や家族の食事中は、ペットが料理を口にしないよう気を付けましょう。
    • ごみの処理にも十分に注意しましょう。犬はごみの中から食べ物を探すのがとても上手です。
    • 飼い犬に適した安全なおやつについて、獣医に相談しましょう。

    情報元:米食品医薬品局(FDA)

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    HealthDay News 2017年12月15日
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  • 介入終了から1年後の糖質制限の効果は? 肥満合併2型糖尿病患者で検討、順天堂大

    順天堂大学医学部附属静岡病院糖尿病・内分泌内科の佐藤淳子氏らは、以前の研究で、血糖コントロールが不良で肥満を合併した日本人の2型糖尿病患者では、6カ月間の糖質調整食(130g/日以下)はエネルギーコントロール食に比べてHbA1c値とBMIを有意に低下させることを確認している。

    同氏らは今回、糖質調整食による介入終了後には糖質の摂取量が増えたにもかかわらず、その効果は1年後も維持されていたとする研究結果を「PLOS ONE」12月4日オンライン版に発表した。
    ただし、ベースライン時から18カ月後には、糖質調整食とカロリー制限でHbA1c値とBMIの低減効果に差はみられなかったことから、いずれの方法であっても適切な指導を行うことで有効な食事療法になり得るとしている。

    佐藤氏らは、2013年9月~2014年11月に、血糖コントロールが不良(HbA1c値7.5%超が3カ月以上)で肥満(BMI 23kg/m2超)を合併した2型糖尿病患者66人を対象に、糖質の摂取量を1日130gまでに制限する糖質調整食群(33人)とカロリー制限群(33人)にランダムに割り付けて6カ月間観察するランダム化比較試験を実施した。

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    その結果、カロリー制限群と比べて糖質調整食群では6カ月後のHbA1c値(-0.65%対0.00%、P<0.01)とBMI(-0.58kg/m2対-0.22kg/m2、P=0.03)が有意に低下したことが明らかにされ、カロリー制限の遵守が難しい2型糖尿病患者では130g/日以下の糖質調整食は短期的には有効な食事療法である可能性があると報告している(Clinical Nutrition 2017; 36: 992-1000)。

    佐藤氏らは今回、6カ月間の糖質調整による介入終了後もその効果が持続するのか否かを明らかにするため、糖質調整食群とカロリー制限群をさらに1年間追跡し、ベースライン時から18カ月後のHbA1c値とBMIの変化量を比較検討した。

    介入試験を終了した計62人(糖質調整食群32人、カロリー制限群30人)のうち計49人(各群22人、27人)が18カ月後までの追跡を完了した。
    その結果、ベースライン時から18カ月後の炭水化物の平均摂取量は糖質調整食群が214g/日(176~262g/日)、カロリー制限群が215g/日(189~243g/日)と両群間で差はみられなくなった。
    また、同期間中、両群間でトリグリセライド(TG)やHDL-コレステロール、LDL-コレステロール(LDL-C)、血清クレアチニンの値に有意な差はみられなかった。

    さらに、ベースライン時から18カ月後には糖質調整食群ではHbA1c値が0.35%、BMIは0.77kg/m2低下し、カロリー制限群ではそれぞれ0.4%、0.63kg/m2低下していたが、両群間で有意差は認められなかった。
    これら2つの群をまとめて解析したところ、ベースライン時から18カ月後には体重やBMI、HbA1c、LDL-Cの値が有意に低下していることも分かった。
    全体として、エネルギー摂取量や炭水化物の摂取量には大きな変化はみられなかったが、エネルギー全体に占める脂質や炭水化物、飽和脂肪酸の割合が低下傾向にあった。

    以上の結果から、佐藤氏らは「糖質の制限による血糖値やBMIの抑制は介入終了後も維持されるが、その効果はカロリー制限と同様である可能性がある。
    糖質制限でもカロリー制限でもうまく内容が構成され、個別化されたプログラムであれば、いずれも血糖値やBMIの低下に有効だと考えられる」と述べている。

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    糖尿病とは?血糖値や症状に関する基本情報。体内のインスリン作用が不十分であり、それが起因となり血糖値が高い状態が続いていきます。症状など分類別に解説しています。

    糖尿病とは?血糖値や症状に関する基本情報

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    HealthDay News 2017年12月25日
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  • ジカ感染児、成長に伴いさまざまな障害―CDC調査

    2年前にジカウイルスに感染した母親から生まれた小頭症の子どもたちは、現在も健康状態や発達の面で数々の重大な問題を抱えていることが明らかになった。

    米疾病対策センター(CDC)のグループがブラジル保健省などの協力を得て実施した調査から、2歳前後に成長した子どもたちの多くにてんかん発作や睡眠、聴覚、視覚の問題があり、自力で座ることができないなどの運動障害があることが分かったという。
    詳細は「Morbidity and Mortality Weekly Report(MMWP)」12月15日号に掲載された。

    妊娠中にジカウイルスに感染すると、胎児の小頭症を引き起こす可能性があると考えられている。
    2015~2016年にはジカウイルス感染症が流行したブラジルの北東部で、同ウイルスに感染した母親から小頭症の子どもが数多く生まれた。
    今回の調査は、このうち出生時の検査で先天的なジカウイルス感染が確認された19人の小児を対象に実施された。

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    その結果、生後19~24カ月の時点で11人にてんかん発作がみられ、半数以上に睡眠障害があることが分かった。また、嚥下障害などによる摂食困難が9人に、ガラガラの音に反応することができないといった聴覚障害が13人に、動いている物を眼で追えないといった視覚障害が11人に認められた。

    さらに、自力で座ることができないなどの重度の運動障害がある小児も15人いた。なお、19人中14人がこれらの障害を3つ以上抱えており、治療の複雑化をもたらしていた。

    CDC長官のBrenda Fitzgerald氏は「ジカウイルスによって深刻な影響を受けた小児では、その後も大幅な発達の遅延がみられ、成長に伴い問題が顕著になってきていることが分かった」と説明。
    その上で、「胎内でジカウイルスに曝露した小児についてはもれなく観察を継続し、妊娠中の曝露による影響について完全に把握する必要がある」としている。

    一方、CDC発達・障害部門のGeorgina Peacock氏は「ジカウイルス感染による先天的な影響が認められる小児は、成長とともにさまざまな医療関係者や介護者による特別なケアが必要になってくる。
    今回の知見を活かし、ジカウイルス感染症に起因した障害を抱える患者の長期的な治療に備えるとともに、米国をはじめ世界各国でジカウイルス感染に対する警戒態勢を維持し、感染予防の取り組みを継続してくことが重要だ」と話している。

    (HealthDay News 2017年12月14日)

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    HealthDay News 2017年12月14日
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  • 「予防医療でのホルモン補充療法は無益」、米で勧告

    米国の予防医療に大きな影響力を持つ米国予防医療作業部会(USPSTF)は12月12日、「閉経後女性は心疾患や骨粗鬆症といった慢性疾患を予防する目的でホルモン補充療法(HRT)を受けるべきではない」とする勧告を発表した。

    2012年に出された前回の勧告から変更はなく、2017年5月に発表された草案とも一致した内容だとしている。
    勧告の全文は「Journal of the American Medical Association(JAMA)」12月12日号に掲載された。

    女性は更年期を境に女性ホルモンの分泌が減少するが、それを補充する治療がHRTだ。
    HRTではエストロゲンのみによる治療とエストロゲンとプロゲステロンの併用治療のいずれかが行われる場合が多い。
    また、錠剤だけでなくパッチ(貼り薬)もある。

    HRTはホットフラッシュなどの更年期障害の治療で実施されるが、高齢になるほど発症リスクが高まる心疾患や骨粗鬆症、骨折などを予防する効果がある可能性も示唆されていた。
    しかし、USPSTFは2012年の勧告に引き続き今回も、閉経後女性がこれらの慢性疾患を予防する目的でHRTを受けるべきでないとの見解をあらためて示した。

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    今回の勧告をまとめた作業部会の委員長である米カイザー・パーマネンテ・ワシントン衛生研究所(KPWHRI)のDavid Grossman氏は「閉経後女性に対する慢性疾患の予防を目的としたHRTに利益が全くないわけではない。
    しかし、それを上回る害があるため、全般的に見るとHRTの利益はないとの結論に至った」と説明している。

    ただし、この勧告は更年期女性がホットフラッシュや腟乾燥感などの更年期症状を緩和する目的で短期的なHRTを受けることを否定するものではないとしている。

    USPSTFの作業部会は今回、4万人を超える女性を対象とした18件の臨床試験のデータをレビューした。
    その結果、エストロゲンとプロゲステロンの併用によるHRTは乳がんおよび心疾患のリスクを上昇させ、またエストロゲンのみによるHRTは脳卒中や血栓、胆嚢がんのリスクを上昇させることが示されたという。
    作業部会は「こうしたリスクはHRTによる骨粗鬆症や糖尿病のリスク低減効果を上回る」と結論づけた。

    今回の勧告を策定した作業部会には関与していない米マウントサイナイ・ アイカーン医科大学産婦人科学・生殖医学のSuzanne Fenske氏は、「他の治療法ではコントロールできない症状に苦しむ更年期女性にはHRTを行うメリットはある」とした上で、「HRTは予防目的ではなく、更年期障害の管理のために実施すべきだ」と強調する。

    同氏によると、米国で初めてHRTが登場した1960年代には、HRTは「永遠に女性らしさを保つことができる治療法」としてもてはやされたという。
    1980年代には骨粗鬆症の予防効果をはじめ、さまざまなHRTのベネフィットが報告され、注目された。
    しかし、2000年代に報告された女性健康イニシアチブ(Women’s Health Initiative;WHI)の一連の研究結果は、HRTの位置付けを揺るがすことになった。同試験では、HRTが乳がんや心疾患、脳卒中のリスク上昇に関連することが示されたからだ。

    作業部会委員長のGrossman氏によると、今回のレビューでは前回の勧告以降に発表されたWHIの長期追跡データも考慮された。
    しかし、その内容は作業部会の結論に変更を迫るものではなかったという。

    しかし、米メイヨー・クリニックのStephanie Faubion氏は、今回の勧告が多くの女性の不安を煽ることになるのではないかと懸念を示す。
    例えば、45歳以下で閉経を迎えた早期閉経女性は勧告の対象外とされているが、こうした女性がHRTによるリスクへの恐れからこの治療を受けないと健康状態が悪化する可能性があることを同氏は指摘している。また、同氏は全年齢層の女性に対して同一の勧告が示されていることに言及し、「60~70歳代の女性と比べて50歳代の女性の方がHRTによって得られる利益は大きい」との考えを示している。

    Fenske氏も「ホットフラッシュなどの更年期障害に苦しんでいる女性は、HRTによって安全にその症状を軽減することができる。HRTについては誤った情報や誤解を招く情報が多いため、HRTによる更年期障害の治療に興味がある女性はまず医師に相談すべきだ」と強調している。

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    HealthDay News 2017年12月12日
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  • DPP-4阻害薬による皮膚難病のリスク因子を同定 非炎症型「水疱性類天疱瘡」患者の約9割に特定のHLA遺伝子、北大ら

    2型糖尿病の経口治療薬であるDPP-4阻害薬を服用中に、非炎症型の「水疱性類天疱瘡」という厚生労働省指定の難病を生じた患者の約9割がある特定のHLA遺伝子「HLA-DQB1*03:01」を保有していることを、北海道大学大学院皮膚科学の氏家英之氏(講師)らの研究グループが理化学研究所らとの共同研究で突き止めた。

    このHLA遺伝子は、DPP-4阻害薬を服用する糖尿病患者において、これまで発症予防の術がなかった水疱性類天疱瘡の発症リスクを予測するバイオマーカーとして活用できる可能性があるという。
    詳細は「Journal of Investigative Dermatology」12月1日オンライン版に掲載された。

    DPP-4阻害薬は2型糖尿病の経口治療薬として国内外で汎用されているが、服用患者の一部に水疱性類天疱瘡という難治性の自己免疫疾患を来すケースがあることが知られている。
    水疱性類天疱瘡は皮膚の表皮と真皮の境にある基底膜に存在するタンパクに対する自己抗体ができることで生じ、かゆみを伴う発疹や水疱、びらんを生じる。60~70歳以上の高齢者に多くみられ、難治性で患者のQOLを大きく低下させるため発症予防が望まれているが、これまで水疱性類天疱瘡が発症するリスク因子は明らかにされていなかった。

    そこで共同研究グループは今回、DPP-4阻害薬を服用中に水疱性類天疱瘡を生じた2型糖尿病患者30人を対象に皮膚症状や自己抗体を調べ、対象患者を非炎症型と炎症型の2種類に分けてHLA遺伝子を解析した。
    また、DPP-4阻害薬の服用によらない水疱性類天疱瘡患者72人と同薬を服用中で水疱性類天疱瘡を発症していない2型糖尿病患者61人のHLAも解析し、健康な対照群(873人)のデータと比較した。

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    その結果、DPP-4阻害薬を服用中に水疱性類天疱瘡を生じた患者の7割(21人)を非炎症型が占めていた。HLA遺伝子の解析により、この非炎症型患者では86%が「HLA-DQB1*03:01」というHLA遺伝子を保有しており、この保有率は対照群(18%)と同薬を服用中の2型糖尿病患者(31%)と比べて有意に高いことが分かった。

    さらに、同薬の服用によらない水疱性類天疱瘡患者におけるHLA遺伝子の保有率は26%と、対照群との有意な差はみられなかったことから、HLA-DQB1*03:01は一般の水疱性類天疱瘡や2型糖尿病とは関連せず、DPP-4阻害薬服用による水疱性類天疱瘡の発症と強く関連することが明らかになった。

    研究グループは、HLA-DQB1*03:01を保有する患者がDPP-4阻害薬を服用中に水疱性類天疱瘡を発症する確率については今後の研究で明らかにする必要があるとしつつも、「今回同定されたHLA-DQB1*03:01というHLA遺伝子は、DPP-4阻害薬を服用中の水疱性類天疱瘡の発症を予測する因子になり得るものであり、疾患バイオマーカーと発症予防法の開発への活用が期待される」と述べている。

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    HealthDay News 2017年12月25日
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  • 増えすぎても増えなくても不安!妊娠後期の体重管理方法

    妊娠後期の理想的な体重増加について

    妊娠後期に入れば出産ももう間近。頑張ってきた体重管理もゴールは目前です。ところが、妊娠後期の体重コントロールは思いのほか難しいもの。後期における理想的な体重増加量の目安と、上手な体重管理のコツをお教えします。

    赤ちゃんとの対面までもう少し。最後まで気を抜かずに体重を管理していきましょう。

    1. 1.妊娠後期の理想的な体重増加ペース
    2. 2.妊娠後期に体重が急増する場合の理由
    3. 3.妊娠後期に体重が増えない場合の理由
    4. 4.体重を管理するための運動
    5. 5.体重を管理するための食事
    6. 6.体重管理は食事と運動の両面から

    妊娠後期の理想的な体重増加ペース

    妊娠中の体重増加量の目安は、妊娠前の体重によって異なってきます。
    まずは妊娠期間トータルでの体重増加量の目安を把握しましょう。

    妊娠期間中の体重増加量の目安
    妊娠期間を通しての体重増加量は、もともとのお母さんのBMIによって変わってきます。

    ・BMI18.5未満(痩せ気味):10~12キロ
    ・BMI18.5~25未満(標準):7~10キロ
    ・BMI25以上(太り気味):5~7キロ

    特にBMIが25以上のお母さんの場合、基本的には医師と相談しながら個別判断となります。最終的にはBMIが28を超えないような体重コントロールが必要です。

    妊娠後期の理想的な体重増加量のペース
    妊娠後期では、週に1回の妊婦健診を行います。そこで、1週間ごとの体重増加量を知っておくことで、増えすぎなのか増えなさすぎなのかを把握する目安になります。
    妊娠後期における1週間の体重増加量の目安も、BMIによって異なります。

    ・BMI18.5未満(痩せ気味):0.3~0.5キロ
    ・BMI18.5~25未満(標準):0.3~0.5キロ
    ・BMI25以上(太り気味):個別対応

    この数値は、あくまでも妊娠中期までの体重管理が順調であった場合の目安です。
    後期に入る前に、著しく増えすぎたり、増えなさすぎたりした場合は、医師と相談しながら体重管理を行っていきます。

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    妊娠後期に体重が急増する場合の理由

    妊娠後期に体重が急増してしまった場合、その原因はどこにあるのでしょう?
    考えられる要因と、その理由について解説します。

    1.食べすぎ
    妊娠後期になると、特に食欲が増してきます。これは、出産や産後の育児に備えた自然な現象です。
    食欲のままに食べていると、どうしてもカロリーオーバーになってしまいます。
    確かに、ある程度は体重を増やしてく必要があります。体力不足で難産になったり、産後の肥立ちに影響する可能性があるからです。
    しかし、食事内容にも十分に気を使い、糖質や脂質の摂りすぎにならないようにしなくてはなりません。

    2.運動不足
    お腹が大きくなるにつれて、動くことが大変になってきますよね。腰痛や恥骨痛などのトラブルもある場合はなおさらです。
    体を動かす機会が不足してしまうと、摂取カロリーと消費カロリーのバランスが崩れてしまいます。
    特に食べ過ぎているわけではないのに体重が増加してしまう場合、運動不足が考えられます。

    3.便秘
    妊娠後期には子宮が腸を圧迫するため、便秘になりやすくなります。
    体重は脂肪のみが原因で増えるのではありません。
    腸の中に溜まった便の重さが体重に反映していることも十分にあり得ます。

    4.むくみ
    定期健診では、むくみの程度も調べていますね。足を指で押される検査です。
    むくみとは、体の中に余分な水分がたまっている状態を言います。
    当然、むくみによる水分が体重の増加に反映されます。

    5.羊水過多
    羊水の量は、妊娠中期の終わりごろにピークを迎え、後期に入ると徐々に減少していきます。
    羊水の量が800mlを超えている場合を羊水過多と言います。様々な要因が影響していますが、お母さんが妊娠糖尿病である場合、羊水過多になりやすいと考えられています。
    羊水の量には個人差がありますが、多すぎる場合はその分、体重が増えることになります。

    6.巨大児
    巨大児とは、出生時体重が4000グラムを超えている赤ちゃんを言います。大きく育った赤ちゃんは喜ばしい半面、難産になったり、出産直後にトラブルになる可能性があります。
    巨大児には、お父さんかお母さんのどちらかが大きいなどという遺伝的なものと、妊娠糖尿病を原因とする病的なものがあります。
    特に、妊娠糖尿病がもとで赤ちゃんが大きくなったことが考えられる場合、出生直後の赤ちゃんに低血糖症状が現れるリスクがあります。

    妊娠後期に体重が増えない場合の理由

    増えすぎても困りますが、逆に体重増加が少なすぎる場合も不安になりますよね。
    体重が増えない要因とその理由についても考えてみましょう。

    1.摂取カロリー不足
    医師や看護師、助産師などから、「体重!体重!」と耳にタコができるくらい聞かされた経験をしているお母さんは少なくないですよね。
    体重を増やさないことに意識が行くあまり、本来摂取しなければいけない栄養素が不足してしまうこともあります。

    2.食欲不振
    妊娠後期には、子宮が胃や腸を圧迫します。
    その結果、胸やけや消化不良、便秘などが起こり食欲自体が低下してしまうことがあるのです。
    食欲がわかないことから自然と食事量が減ってしまい、カロリー不足になってしまいます。

    3.胎児発育不全
    何らかの要因で、赤ちゃん自体の発育が十分でない場合があります。
    赤ちゃんが小さく発育が遅い場合、本来増えるはずの赤ちゃんの重さがプラスされないことが原因です。

    4.羊水過少
    羊水の量が極端に少ない場合も、羊水量が体重に足されなくなるため、体重増加が鈍くなります。

    特に、羊水量が100ml以下の場合は羊水過少という病的な状態です。羊水は赤ちゃんにとってクッションとしての役目のみならず、運動や呼吸の練習をする大切なもの。
    羊水が少ない場合は、胎児機能不全に陥るリスクも想定されます。

    5.ストレスや妊娠中のダイエット
    妊娠中の体系変化に対してコンプレックスや嫌悪感を抱いてしまうお母さんも存在します。そのような場合、体重が増えたり体系が変化しないようにダイエットを行うケースもあるのです。
    また、多くのストレスを抱えている場合も食欲不振などを招き、体重を十分に増やすことが出来なくなってしまいます。

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    体重を管理するための運動

    体重管理には、食事と運動を上手に組み合わせることが必要です。
    まずは運動による体重管理の方法のコツをお教えします。

    有酸素運動で余分なカロリーを消費
    妊娠中の体重管理にぴったりなのが有酸素運動です。
    有酸素運動は激しい動きは少ないため、お腹への衝撃もほとんどありません。また、脂肪燃焼にも最も効果的なのが有酸素運動なのです。
    ウォーキングやマタニティビクスなどがおススメです。
    週に2~3回程度、1回30分程度を目安に行いましょう。

    ストレッチやヨガ、体操などで筋肉の強化
    筋肉が増えると基礎代謝が上昇します。つまり、ただ息をしているだけでも消費カロリーが増えるのです。また、筋肉をつけておくことで出産や育児などにも大きなメリットがあります。

    ストレッチやヨガ、妊婦体操を定期的に行い、適度な筋肉をつけましょう。ただし、腹圧をかけるような動作は厳禁です。

    体重を管理するための食事

    運動だけでは体重管理は上手くいきません。
    特に食事は、体重管理だけでなく、お母さんと赤ちゃんの健康にも影響してくる大切な要素となります。
    妊娠後期の体重管理を食事面から見ていきます。

    体重が増加しすぎの場合の食事のコツ
    体重オーバーの原因を食事から見た場合、次の要素が考えられます。

    ・糖分オーバー
    ・脂肪分オーバー
    ・塩分オーバー
    ・食物繊維不足

    これらを解消することで、体重増加のペースを穏やかにしてくれます。
    昔ながらの薄味の和食が一番健康的な食事であると言えるでしょう。
    さらに、よく噛むことも重要です。噛むことによって、脳の満腹中枢が刺激されます。その結果、食べすぎを防いでくれるのです。消化にも良いですから、食事の際はぜひ意識して噛んでみてください。

    体重が増えない場合の食事のコツ
    体重が増えない場合を食からアプローチすると、「食べたくても食べられない」ケースと「食べたくない」ケースが考えられます。
    まずは前者から。
    「一度に1食分食べる」「1日3食」という考えを捨てましょう。少量ずつでもよいので、食べられそうなときに少しずつ栄養補給をしていきます。

    そして問題は後者です。
    食べたくない原因を見つけ、それを解消しなければいけません。
    女性ですから、太ることに抵抗感を覚えるのは当たり前です。しかし、今はあなただけの体ではないのです。お母さんの食事は赤ちゃんのための食事でもあります。
    たとえ妊娠中に一時的に体重が増加しても、産後に体重を戻すことは可能です。今は少しだけダイエットをお休みしてみませんか?
    そしてストレスなどが原因の場合。
    まずは自分のことを最優先で考えましょう。それが赤ちゃんのためになるベストな行動なのです。わがままになるくらいで調度いいかもしれません。

    体重管理は食事と運動の両面から

    出産までもう少しとなった妊娠後期。体重管理のゴールも目前です。
    上手な体重管理は食事と運動の両面からアプローチすることが欠かせません。
    体重コントロールに問題がある場合、無理のない範囲で少しずつ生活スタイルの見直しを行ってみてください。

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  • 妊活には欠かせない基礎体温のチェック!基礎体温と排卵日との関係とは?

    基礎体温について

    基礎体温を付けていますか?手軽に妊娠や排卵状態を知ることができる方法が基礎体温の測定です。そもそも基礎体温とはなんなのでしょう?基礎体温と妊娠や排卵日の関係について解説します。正しい基礎体温の知識を身に付けて、妊活に役立てましょう。
    1. 1.基礎体温とは
    2. 2.妊娠しやすい時期とは
    3. 3.基礎体温と排卵日の関係
    4. 4.基礎体温の計り方
    5. 5.基礎体温の安定のさせ方
    6. 6.基礎体温は継続してこそ意味がある

    基礎体温とは

    基礎体温と通常の体温の違い
    毎日の健康管理や、発熱時などには熱を測りますよね。いわゆる体温と基礎体温には違いがあります。
    基礎体温とは、女性特有のホルモンバランスの変化によっておこる微小な体温変化のサイクルのことを言います。女性の体は、排卵と月経を堺にして周期的に高温と低温を繰り返しているのです。

    女性ホルモンの影響で、体温が周期的に変わる
    女性ホルモンは大きく分けて2種類存在しています。
    月経から排卵までの期間に分泌されるのがエストロゲンです。
    エストロゲンには卵子を育てる働きがあり、排卵を促します。

    一方、排卵を堺にして、エストロゲンの分泌相は減少し、かわりにプロゲステロンというホルモンが分泌されるようになります。
    プロゲステロンの役割は、妊娠しやすい体を作ることです。子宮内膜を厚くしたり、脂肪をつけやすくしたり、出産に向けての準備をするためのホルモンと言えます。
    この2種類のホルモンの分泌量の違いによって、基礎体温に変化が現れるのです。

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    妊娠しやすい時期とは

    女性の体が妊娠できる時期は非常に限られています。
    月経サイクルから見ると、妊娠が成立しやすい時期はどの程度の期間なのでしょうか?

    卵子と精子の生きられる期間
    卵子と精子には生きられる期間に違いがあります。その日数の違いを見てみましょう。
    卵子が十分に成長すると、卵巣から飛び出してきます。これが排卵です。
    排卵が起こる日を排卵日と呼んでいます。
    排卵した卵子は、卵管を通りながら子宮までやってきます。卵子が生きていられる期間はこのごくわずかな期間に限られるのです。
    卵子の寿命は、日数にしておよそ1日という非常に短い期間なのです。
    一方、卵子と比較すると精子の寿命はやや長くなっています。
    平均で数日間、長くても1週間程度です。

    妊娠が成立できる期間は非常に短い
    妊娠が成立するためには、卵子の寿命である1日の間に精子と出会わなければなりません。
    しかし、まる1日間卵子が元気な状態であるわけではありません。卵子が元気でいられる期間は排卵からおよそ半日程度。その間に精子と出会うことが妊娠成立のポイントなのです。これは精子にも当てはまります。精子が元気に活動できる期間はおよそ1~2日間。
    妊娠しやすい期間はこんなにも短いのです。

    基礎体温と排卵日の関係

    基礎体温を測定して記録をつけていくと、排卵日が把握できるようになります。
    排卵日と基礎体温には密接な関係があるためです。

    基礎体温を付けると排卵日がわかる
    妊娠の可能性を高めるためには、排卵日を正確に把握する必要があることがご理解いただけたと思います。
    そのための方法の一つが基礎体温の記録です。
    排卵日になると基礎体温は一気に低下しますから、そのタイミングを逃さないようにすることが大切です。

    排卵を堺に体温に変化が現れる
    エストロゲンが分泌されている期間(=排卵前)は基礎体温は低温となり、排卵当日に一気に下降します。その後、プロゲステロン優位の時期になると、基礎体温は高温になります。
    妊娠が成立すると月経予定日でも高温期が続きます。
    妊娠が成立せず生理が訪れると体温は低温期に戻ります。

    基礎体温の計り方

    基礎体温には厳密な測定方法があります。
    微小な体温変化をとらえる必要があるため、正しく測定しなければ意味がありません。
    基礎体温の測り方を知っておきましょう。

    基礎体温専用の婦人体温計が必要
    まず、基礎体温の測定は通常の体温計では行えません。
    普段使用する体温計は小数点第1位までしか表示されませんよね。しかし、これではホルモンによる体温変化を捉えることができないのです。
    基礎体温を測定するためには、専用の婦人体温計を使用します。婦人用体温計には小数点第2位までが表示されるようになっています。
    基礎体温は、この小数点第2位の変動を見ていくことが重要になってくるからです。

    基礎体温の正しい測り方
    基礎体温は測定方法が厳密に決められています。

    1.測定は朝目が覚めたらすぐに行う。時刻はできるだけ同じにすること
    2.ベッドから出たりトイレに行ったりしない状態で測る
    3.体温計はベロの下(舌下体温)で測定する

    基礎体温の測定で重要となってくるのは、朝一番の体温をとらえることにあります。
    トイレに行ったり、ベッドから出たりすると、体温に変化が生じてしまいます。そのため、布団の中にいる状態で、目が覚めたらすぐ測定する必要があるのです。

    また、人間の体温は1日のうちでも時間帯によって変動しています。測定時刻を同じにしなければ、体温の上下を把握することができません。
    通常、体温はわきの下で測りますよね。しかし、基礎体温ではベロの下で測ります。その理由は、体の外側(皮膚)よりも、体の内側のほうが正確な体温となるためです。
    基礎体温を測るのは最初のうちは面倒かもしれませんが、継続してこそ意味をもってくるのです。

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    基礎体温の安定のさせ方

    基礎体温はホルモンバランスによって変動します。
    ホルモンバランスが乱れている人は、基礎体温がきれいな2層に分かれなかったり、排卵日がわからなかったりします。
    基礎体温を安定させるコツとはなんでしょう?

    女性ホルモンを安定させる
    妊娠しやすい体を作るためには、女性ホルモンが正常に分泌される必要があります。
    女性ホルモンはストレスや食生活、疲労などによって簡単に影響を受けてしまいます。
    その結果、規則正しい排卵が起こらなくなることもあるのです。
    ホルモンバランスを整えるための工夫としてこんなことがあります。

    規則正しい生活
    女性ホルモンは卵巣から分泌されますが、卵巣に対してホルモンを分泌させるように命令を出しているのは脳です。
    ホルモン分泌を司っている脳の部分は、睡眠や体温など、その他の生命維持に関することも調整しています。
    規則正しい生活を送ることで、自然とホルモンバランスも整ってくるのです。

    ストレスをためない
    妊娠をあせるあまり、それ自体がストレスになってしまっている場合もあります。
    そのほか、仕事や人間関係など、現代はストレスであふれていますよね。

    ストレスを避けることは難しくても、ストレスをためないように心がけましょう。

    体を冷やさない
    体が冷えると血流が悪くなります。すると、卵巣や子宮を含めた内臓全体に十分な血液が供給されません。つまり、冷えは内臓の機能低下を招いてしまうのです。
    特に卵巣や子宮の機能が十分でないと、元気な卵子が育たなかったり、受精しても着床しにくくなったりします。
    冷えは万病の素と言いますが、まさにその通りなのです。

    大豆製品を摂る
    イソフラボンという言葉を耳にしたことがある人は多いことでしょう。
    イソフラボンとは女性ホルモンと非常によく似た成分です。イソフラボンを摂取することで、女性ホルモンと同じような働きをしてくれます。
    イソフラボンは主に大豆製品に豊富に含まれています。
    ホルモンバランスの乱れを感じる人は、大豆製品の摂取を心がけてみてください。

    基礎体温は継続してこそ意味がある

    基礎体温を測る重要性をご理解いただけましたか?
    基礎体温は1か月を1サイクルとしますが、最低でも数か月は続ける必要があります。
    長期間の記録を見ることで、自分の平均的な月経サイクルを把握することができるからです。
    ちょっと面倒かもしれませんが、気長に続けてみましょう。

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