• 不妊の原因にもなるクラミジア。検査や予防の方法とは

    クラミジアについて

    性感染症の中でも、多くの割合を占めているのがクラミジアです。放っておくと不妊にもつながるクラミジア。その症状や原因、検査方法や治療法などについてまとめました。クラミジアを予防して、妊娠できる体づくりをしましょう。
    1. 1.はじめに
    2. 2.クラミジアとは
    3. 3.クラミジアと不妊の関係
    4. 4.クラミジア検査の方法と費用
    5. 5.クラミジアの原因と症状
    6. 6.クラミジアの治療と予防
    7. 7.まとめ

    はじめに

    性感染症と言うと自分には関係ないと思っている方もいるとは思いますが、自覚症状も少ないので
    感染者が増加しています。今回はクラミジアの原因や症状、治療法などを紹介していきます。

    クラミジアとは

    性感染症としてメジャーな存在であるクラミジア。
    近年感染者数が増加しています。

    クラミジアとは一体どんな病気なのでしょうか?

    クラミジアとは?
    クラミジアとはクラミジア・トラコマチスという真菌の一種です。

    粘膜の中から人の体に侵入し、細胞の中で増殖をしていきます。
    クラミジアは人の細胞内でしか生きていくことができないのです。

    性感染症の一種
    クラミジアは性感染症の中でも最も患者数の多い病気です。

    特に20代までの若年層に感染者数が多いのが特徴で、男性よりも女性のほうがはるかに患者数が多くなっています。

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    クラミジアと不妊の関係

    クラミジアは、これから妊娠出産を迎えるであろう女性に感染患者数が多いのが特徴といえます。

    クラミジアと女性の妊娠出産にはどのような関係があるのでしょうか?

    クラミジアの感染が重症化するとどうなる?
    クラミジアは性交渉によって感染します。
    クラミジアが女性の膣内に侵入してくると、やがて子宮や卵管、卵巣まで感染が広がって行きます。

    すると感染部位が炎症を起こして卵管や卵巣が癒着したり、子宮内膜炎になったりしてしまいます。

    その結果、排卵が起こらなくなったり、卵子が卵管を取れず、妊娠ができなくなったりします。

    クラミジアが重症化すると、女性の体にはこのような重篤な変化が訪れるのです。

    クラミジアが不妊の原因になる?
    クラミジアが重症化してしまうと、先に述べたような排卵障害が起こります。

    卵子が子宮まで届くことができないので、当然の結果として不妊につながるのです。

    クラミジア検査の方法と費用

    クラミジア感染症において特に重要となるのが早期の発見です。

    クラミジアの検査方法や費用等についてまとめました。

    クラミジアの検査はどこで受けられる?
    クラミジアの検査は主に以下のところで受けることができます。

    • 産婦人科
    • 泌尿器科
    • 自宅(郵送のキットにて)

    クラミジアの検査方法とは?
    クラミジアの検査方法は大きく分けて2種類あります。

    血液検査と粘膜検査です。

    血液検査ではクラミジアに対する抗原や抗体ができているかどうかを調べることができます。

    一方、粘膜検査では膣内の粘膜を少量擦り取り、その中にクラミジアがいるかどうかを調べます。

    クラミジア検査の費用はどれくらい?
    一般的な費用の目安は次の通りです。

    保険適用での検査の場合、自己負担分は2000円から3000円程度です。

    自宅で検査を行う場合は、3000円から5000円程度が相場となっています。

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    クラミジアの原因と症状

    クラミジアはどこから感染するのでしょうか?
    また、感染するとどのような症状が現れるのでしょう?

    クラミジアの感染経路と感染したときの症状についてまとめました。

    クラミジアの感染経路は?
    クラミジアは人の粘膜の中でしか生きられません。

    つまり粘膜と粘膜の直接の接触が感染経路となるのです。

    コンドームを使用しないでの性交渉、オーラルセックスやディープキスなどが感染の原因となります。

    クラミジアに感染するとどんな症状が出る?
    残念なことに、クラミジアに感染しても女性の場合はほとんど自覚症状がありません。

    これがクラミジアが爆発的な流行を見せている理由です。

    自覚症状を強いて挙げるならば、次のようなものになります。

    • おりものの増加
    • 下腹部痛
    • 不正出血

    ただしこれらの症状はすべての人に見られるわけではありません。

    多くの女性は無症状のままなのです。

    クラミジアの治療と予防

    クラミジアは不妊にもつながる性感染症です。

    正しい予防法と治療法を知っておきましょう。

    クラミジア治療法とは?
    クラミジアは抗生物質の服用で簡単に治療することができます。

    ただし抗生物質の服用には注意点があります。

    • パートナーも一緒に検査を受けて、陽性の場合は必ず一緒に治療する。
    • 抗生物質は、定められた期間必ず飲みきる。自己判断で服薬を中止しない。
    • 治療中は性交渉を行わない。
    • 治療後は必ず再検査を行い、クラミジアがいなくなっていることを確認する。

    クラミジア感染を防ぐためにできること
    クラミジアは不妊の原因になるだけでなく、お腹の赤ちゃんにも影響を及ぼす病気です。

    クラミジアの感染を防ぐためにできることを紹介します。

    • 性交渉時には必ずコンドームを使用する。
    • 性交渉は特定のパートナーとのみ行う。
    • パートナーと一緒に定期的に検査を受ける。

    クラミジアの予防は一般的な倫理観を持っていれば、何も難しい事はありません。
    お互いに対する思いやりを大切にしましょうね。

    まとめ

    いかがでしたでしょうか。
    この記事を読んでもし症状に該当するかもしれないと思い当たる方は早めの病院受診をおすすめします。

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    病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください。
  • ベビーパウダーは赤ちゃんだけじゃない!?大人も使える活用方法教えます

    ベビーパウダーについて

    ベビーパウダーは赤ちゃんや子供だけが使うものと思っていませんか?実は、ベビーパウダーはメイク、スキンケア、ヘアケアなどの場面でも活躍するのです!ここでは、赤ちゃんだけじゃない大人も使えるベビーパウダーの使い方などをいろいろ詳しくご紹介していきます。
    1. 1.はじめに
    2. 2.ベビーパウダーって何?
    3. 3.ベビーパウダーの種類とその特徴って?
    4. 4.ベビーパウダーの活用法~メイク編~
    5. 5.ベビーパウダーの活用法~スキンケア編~
    6. 6.パックとして使う
    7. 7.保湿のために使う
    8. 8.ベビーパウダーの活用法~ヘアケア編~
    9. 9.まとめ

    はじめに

    ベビーパウダーは、赤ちゃんや子供のあせもを防ぐためのものだと思っている方が多いのではないでしょうか?しかし、大人でも活用いろいろな活用の仕方があります。今回は、ベビーパウダーを活用したメイク、スキンケア、ヘアケアの活用法をご紹介します。

    ベビーパウダーって何?

    ベビーパウダーは、主に乳幼児のあせもやただれを防ぐために皮膚につける粉末のことを言います。
    また、あせもやただれだけでなく、かぶれや股ずれ、男性のカミソリ負けなどにも使うことができます。

    ベビーパウダーは、「タルカムパウダー」や「シッカロール」とも呼ばれます。

    ベビーパウダーの主な原料は、タルク(滑石)などの鉱物と、コーンスターチなどの植物でんぷんです。今のベビーパウダーができるより前は、キカラスウリという植物のでんぷんを使った「天花粉」などを使っていました。

    ベビーパウダーは、パウダーの細かい粒子で水分を吸い上げ、でんぷんによって皮膚の湿度を適度に保ち、タルクによって皮膚の表面を滑らかにします。
    ベビーパウダーをつけて乾燥させているのではなく、皮膚同士の摩擦を少なくすることであせもをできにくくしています。

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    ベビーパウダーの種類とその特徴って?

    ベビーパウダーは粉状タイプが一般的です。
    しかし、ベビーパウダーには粉タイプだけではなく、固形タイプもあります。
    ここでは、ベビーパウダーの種類とその特徴についてご紹介します。

    ベビーパウダーの種類
    ベビーパウダーには、2つの種類があります。

    その種類とは

    • 粉タイプのもの
    • 固形タイプのもの

    です。
    粉タイプのものは薬局やベビー用品店などでよく見かけます。
    固形タイプのものは、薬局ではあまり見かけませんが、アマゾンなどで購入することができます。
    それぞれのベビーパウダーの特徴
    ベビーパウダーの種類によってさまざまな特徴があります。

    <粉タイプのベビーパウダーの特徴>
    よく使われるタイプのベビーパウダーです。体の一部だけでなく広範囲で使用するときには大変便利です。ただし、粉タイプは飛び散ることがあるので取り扱いに注意しましょう。

    <固形タイプのベビーパウダーの特徴>
    固形タイプはよく使われるベビーパウダーではありませんが、粉タイプとは違い、周りに飛び散ってしまう心配がありません。固形タイプも粉タイプ同様、肌につけるとサラサラします。

    このように種類によって色々な特徴があるので、使う用途やシチュエーションなどによって使い分けると良いでしょう。

    ベビーパウダーの活用法~メイク編~

    ベビーパウダーは、赤ちゃんや子供が使うことが多いです。
    しかし、大人が使うこともできるのです。
    まず、ここではメイクでのベビーパウダーの活用法についてご紹介します。

    フィニッシュパウダーとして使う
    リキッドファンデーションを使っている方は、テカりを防ぐため、仕上げとしてフィニッシュパウダーも使っているのではないでしょうか?
    そのフィニッシュパウダーの代わりに、ベビーパウダーを使うことができるのです。
    ベビーパウダーにもフィニッシュパウダー同様皮脂を吸着させお肌の表面を均一にする働きがあります。
    パウダーファンデーションのように、ブラシを使って肌にのせていくようにしましょう。

    チークをぼかすときに使う
    ふんわりした頬はお人形さんみたいで可愛いですよね。
    そのふんわりした頬を作り出すのにベビーパウダーを活用しましょう。
    手持ちのチークを濃く入れた後に、ベビーパウダーを使ってぼかします。
    すると、ベールをまとったようなふんわりした頬を作ることが出来ます。

    ファンデーションとして使う
    ちょっと近所に出かけたいだけでがっつりメイクするのは億劫だという方も多いのではないでしょうか?
    その手間を省くためにファンデーションの代わりにベビーパウダーを使う方法があります。

    化粧下地や日焼け止めを塗った後に、ベビーパウダーをのせてファンデーションの代わりにします。
    ファンデーションよりカバー力は落ちますが、薄づきで自然な仕上がりになりお肌への負担も少ないです。

    また、雨の日など湿気の多い日に効果があるのが、リキッドファンデーションに混ぜて使う方法です。
    リキッドファンデーションにベビーパウダーを混ぜることで、水分と油分のバランスを整えてくれます。

    それ以外にもリキッドファンデーションが重すぎると感じる方は、いつもつける量より少ないファンデーションに少量のベビーパウダーを混ぜることで軽いつけ心地になります。

    ベビーパウダーの活用法~スキンケア編~

    ここでは、スキンケアでのベビーパウダーの活用法についてご紹介します。
    洗顔フォームに混ぜて使う
    いつも使っている洗顔料に、ティースプーン1杯のベビーパウダーを混ぜると、即席のスクラブ洗顔料を作ることが出来ます。

    スクラブ洗顔料とはザラザラした細かい粒子が含まれた洗顔料のことで、角質や皮脂を取り除く効果があります。
    ベビーパウダーには、皮膚軟化作用や殺菌作用があるため、混ぜて使うことでニキビや吹き出物予防にも効果を発揮します。

    また、市販のスクラブ洗顔料よりも粒子が細いので、毛穴の奥の汚れも残すことなく落とすことができます。
    ただ、きちんと洗い流さないとベビーパウダーが毛穴に残ってしまうので注意が必要です。

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    パックとして使う

    牛乳やヨーグルトに混ぜてパックとして使うことで、肌の古い角質を取りキメの整った肌を作ることが出来ます。

    【牛乳パックの方法】
    1、ベビーパウダー大さじ3と牛乳100㏄をよく混ぜる
    2、トロトロとして来たら顔にまんべんなく塗る
    3、約10分間その状態のままで過ごす
    (その際、完全に乾き切らないようにする)
    4、ぬるま湯でパックが残らないように丁寧に洗い流す

    【ヨーグルトパックの方法】
    1、ベビーパウダー小さじ2・無糖プレーンヨーグルト大さじ1をよく混ぜる
    (この時、はちみつ大さじ1を入れると保湿効果を得ることが出来ます)
    2、よく混ざったら顔に塗る
    3、約10分間そのままで過ごす
    (この時完全に乾かないようにする)
    4、ぬるま湯でパックが残らないように洗い流す

    パックは毎日ではなく、週2~3回を目安に行うようにするといいでしょう。
    また、パックが乾き切ってしまうと肌に必要な水分も吸着させてしまうことがあるので注意しましょう。

    保湿のために使う

    ニベアクリームと合わせて使うことで、夜のスキンケアとして使うことが出来ます。
    ニベアを塗った後のベタベタを予防するだけでなく肌をしっかり保湿することができます。

    【夜のスキンケア方法】
    1、洗顔した後、化粧水で肌を整える
    2、ニベアを顔全体に塗る
    (この時肌荒れやニキビがあるときは「オロナインH軟膏」を使うと、肌荒れやニキビを改善出来ます。)
    3、軽くベビーパウダーをつける
    (この時ベビーパウダーをたくさん付けると肌がパリパリになるので、薄くつけるようにしましょう)

    ベビーパウダーの活用法~ヘアケア編~

    ここでは、ヘアケアでのベビーパウダーの活用法についてご紹介します。
    ドライシャンプーとして使う
    緊急時や水が使えない場所などでシャンプー出来ないことがありますよね。
    そんな時、ドライシャンプーとしてベビーパウダーを使いましょう。

    【ドライシャンプーのやり方】
    1、ティースプーン1杯のベビーパウダーを手にとります。
    2、ベビーパウダーを頭皮にもみ込むようにしながら髪全体に馴染ませます。
    3、目の細かいくしなどでベビーパウダーが見えなくなるまで髪をとかします。

    ベビーパウダーでドライシャンプーをすることで、頭皮の余分な皮脂を取り除き髪の毛をサラサラにするだけでなく、頭皮についた臭いも取ってくれます。

    まとめ

    ベビーパウダーについて分かっていただけましたか?
    ベビーパウダーは赤ちゃんはもちろん大人でも使うことが出来ます。
    ただし、洗顔などに使う場合はしっかりと洗い流すことを心がけましょう。
    注意点を守れば、様々な場面で活躍してくれます。
    ベビーパウダーを使って様々なケアを試してみてはいかがでしょうか?

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  • n-3系脂肪酸の血中濃度と冠動脈疾患リスクとの関係は? 多目的コホート研究から

    魚に豊富に含まれるn-3 系多価不飽和脂肪酸(n-3 PUFA)の血中濃度が高いと、冠動脈疾患(CHD)全体のリスク低減とは関連しないものの、致死性のCHDリスクは低下する可能性があると、国立がん研究センターなどの多目的コホート研究(JPHC Study)グループが「Atherosclerosis」2017年12月8日オンライン版に発表した。

    これまでの研究で、魚やn-3 系多価不飽和脂肪酸(n-3 PUFA)の摂取量が多いとCHDリスクが低減する可能性が示されている。
    JPHC Studyでも既に魚とn-3 PUFAの摂取量が多い人ではCHDリスクが低下するとの研究結果を報告しているが(Circulation 2006; 113: 195-202)、日本人におけるn-3 PUFAの血中濃度とCHDリスクとの関連は明らかにされていない。
    研究グループは今回、JPHC Studyに参加した一般住民から提供された保存血液を用いてn-3 PUFA〔エイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサペンタエン酸(DPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)〕の血中濃度とCHD発症リスクとの関連を調べるコホート内症例対照研究を行った。

    研究では、まず1990年および1993年に全国9地域に在住し、循環器疾患やがんの既往がない40~69歳の男女約3万4,000人を対象に2007年まで追跡した(追跡期間は平均13.5年)。研究開始時点に保存血液を提供し、CHDを発症した209人と年齢や性、採血日などをマッチさせた対照群(CHD発症例1人に対し2人、418人)を抽出し、計627人の保存血液を用いて測定したn-3 PUFAの血中濃度とCHDリスクとの関連を調べた。
    CHDを発症した209人の内訳は、心筋梗塞が168人、心臓突然死が41人で、非致死性が157人、致死性が52人であった。

    対象者をn-3 PUFAの血中濃度で4分位に分けて、血中濃度が最も低い群を基準として各群のCHDリスクと比較したところ、多変量ロジスティック解析の結果、CHD全体ではn-3 PUFAの血中濃度とCHDリスクとの間に有意な関連は認められなかった(血中濃度が最も低い群に対する最も高い群のオッズ比は0.79、95%信頼区間0.41~1.51、P=0.51)。

    また、非致死性のCHDについても同様に両者の間に関連は認められなかったが、致死性のCHDについては、n-3 PUFAの血中濃度が最も低い群と比べて最も高い群で88%の有意なリスク低下が認められた(同0.12、0.02~0.75、P=0.03)。

    研究グループによると、この結果は致死性のCHDでのみn-3 PUFAとCHDの関連が認められた欧米のメタ解析と一致していた一方で、2006年に研究グループが発表した研究結果(アンケートから算出したn-3 PUFAの摂取量は非致死性のCHDとのみ関連)とは一致していなかった。

    そのため、研究グループは「今回の研究では致死性のCHDの症例数が少なかったため結果が偶然に得られた可能性も否定できない。
    今後、アジア圏でのさらなる研究の蓄積が待たれる」との見解を示している。

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    参考情報:リンク先
    HealthDay News 2018年1月22日
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  • 妊娠中に魚を食べると抑うつ状態になりにくい? 母親約7万5千人と父親約4万人を調査、富山大

    妊娠中や出産直後に魚を多く食べると、あまり食べなかった女性と比べて抑うつ状態になりにくい可能性があると、富山大学医学部公衆衛生学講座准教授の浜崎景氏らの研究チームが「Journal of Psychiatric Research」12月15日オンライン版に発表した。

    この研究は、全国で10万組を超える親子を対象に2011年に開始されたエコチル調査(子どもの健康と環境に関する全国調査)の一環として行われたもの。
    研究チームによると、この研究は妊娠中の魚およびn-3 系多価不飽和脂肪酸(n-3 PUFA)の摂取量と抑うつ状態のなりやすさとの関係を調べた過去最大規模のものだという。

    妊娠中や産後は子どもを授かった喜び以上に、気分の落ち込みや不眠が続き、抑うつ状態になりやすいとされ、最近では産前産後の妊婦の心のケアの重要性が指摘されている。
    これまで数多くの疫学研究で魚介類やn-3 PUFAの摂取量が多いほど抑うつ状態になりにくい可能性が報告されているが、一致した見解は得られていない。

    研究チームは今回、エコチル調査に参加した子どもの父母を対象に、母親の妊娠前期と妊娠中期~後期における食事調査(父親に対しては母親の妊娠期間中に1回実施)からの魚およびn-3 PUFAの摂取量と父母の抑うつ状態との関係を調べる研究を行った。

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    解析対象とした母親は、妊娠前期が7万5,139人、妊娠中期~後期が7万9346人、産後1カ月が7万7,661人であり、父親は4万1,506人であった。
    母親と父親をそれぞれ魚の摂取量で5つの群に分けて(摂取量が「少ない」「やや少ない」「中程度」「やや多い」「多い」)、摂取量が最も少なかった群を対照として各群の抑うつ状態になるリスクを比較検討した。

    解析の結果、妊娠前期の女性では、魚の摂取量が最も少なかった群と比べて「やや少ない」群〔オッズ比0.83、95%信頼区間(CI)0.73~0.94〕と中程度に摂取する群(同0.79、0.70~0.91)で抑うつ状態になるリスクが有意に低下した。

    また、妊娠中期~後期の女性では、最も摂取量が少なかった群と比べて摂取量が多かった4つの群で抑うつ状態になるリスクが低下し、中でも「やや多い」群でリスクは29%有意に低下した〔同0.71、0.63~0.82、傾向検定でも有意な関連あり(P=0.01)〕。産後1カ月の女性では、「やや少ない」群と「中程度」群、「やや多い」群で抑うつ状態になるリスクが有意に低下した。

    さらに、父親は魚の摂取量が「少ない」群と比べて「やや多い」群で抑うつ状態になるリスクが有意に低下した。

    一方で、n-3 PUFAの摂取量については、妊娠中期~後期では摂取量が「やや少ない」から「やや多い」の3つの群で抑うつ状態になるリスクが低下し、また産後の「やや少ない」群でもリスクは低下したが、妊娠前期や父親では摂取量と抑うつリスク低減との関連は認められなかった。

    以上の結果から、研究チームは「妊娠中~産後の魚の摂取量は母親の抑うつ状態の程度と関連する可能性があり、父親でも同様の傾向がみられることが分かった。

    一方で、n-3 PUFAの摂取量については、抑うつ状態との関連は魚の摂取量よりも弱まることも示された」と結論づける一方で、今回の研究結果はあくまでこれらの関連性を示したに過ぎず、魚をより多く食べる人は一般的に健康意識が高く、そうした要因が結果に影響を及ぼした可能性も否定できないと指摘している。

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    HealthDay News 2018年1月22日
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  • 耳鳴りのデバイス治療、有望性示す

    耳鳴り(耳鳴)の新たな治療法として、耳からの音による刺激に加えて首や頬の皮膚に電気刺激を与える非侵襲的なデバイス治療が有望であることが分かった。

    この治療によって耳鳴患者の症状が軽減し、生活の質(QOL)が向上することが米ミシガン大学のグループによる小規模研究で示されたという。
    詳細は「Science Translational Medicine」1月3日号に掲載された。

    米国では国民の15%に耳鳴があり、絶えず続く耳鳴やそのストレスで仕事や日常生活に支障を来している患者は約200万人に上るという。
    今回の研究を実施した同大学教授のSusan Shore氏らは、これまでの長年にわたる研究から、蝸牛神経核背側核と呼ばれる脳領域の神経細胞である「紡錘細胞」が耳鳴の発生に関与していることを突き止めていた。
    同氏によると、耳鳴患者では本来であれば音が聞こえた時にみられる紡錘細胞の活動亢進が認められ、実際は無音でもこの細胞から聴覚にかかわる脳領域へシグナルが伝達されるため音として認識されてしまうという。

    そこで、同氏らは今回の研究で、聴覚と体性感覚の2種類の感覚を刺激して紡錘細胞からのシグナル伝達を阻害するデバイス治療の有効性について検討した。
    この治療は、患者の耳鳴のピッチに合わせて設定した音をイヤホンから一定の間隔で流し、首や頬などに装着した電極からは弱い電気刺激を一定の間隔で与えるというもの。
    まず、モルモットを用いた実験で刺激を与える最適なタイミングを判定した。

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    次に、「歯を食いしばる」「舌を突き出す」「首を曲げる」といった動きによって一時的に耳鳴の症状に変化がみられる患者20人を対象とした臨床試験を実施した。
    同試験では、対象者の半数(治療群)には1日30分の音と電気刺激を組み合わせたデバイス治療を4週間にわたって受けてもらい、残る半数(偽治療群)には音による刺激のみを与え電気刺激は行わない治療を受けてもらった。
    その後4週間の中断期間を経て治療群と偽治療群を入れ替え、再び4週間の治療を受けてもらった。

    その結果、治療群では耳鳴の症状が有意に改善し、QOLも向上した。これに対し、音による刺激のみの偽治療群では同様の効果は認められなかった。
    Shore氏らによると、治療群では一部の患者から「耳鳴の音の不快さが軽減された」「耳鳴の音を無視することが苦にならなくなった」といった声が聞かれ、完全に症状が消失した患者も2人いたという。

    ただ、今回の研究は小規模なものであったため、同氏らは「今後より大規模な研究で適切な治療の頻度や期間、効果が望める患者の特徴などを明らかにする必要がある」としている。

    米国耳鳴協会(ATA)によると、現在、耳鳴を治癒させる治療法はないが、認知行動療法や音響療法で改善がみられる患者もいるという。
    重症の場合は、脳深部刺激療法や迷走神経刺激法などの侵襲的治療が実施される場合もある。

    今回の研究には関与していない米カリフォルニア大学アーヴァインメディカルセンターのHarrison Lin氏は「この新技術は一部の耳鳴患者の治療で革新をもたらす可能性がある。
    煩わしく、耐え難い耳鳴の症状を軽減する非侵襲的で忍容性の高い治療法に関する今回の報告は、極めて重要なものだ」と評価。
    その上で「将来、この治療法が耳鳴に対する新たな治療選択肢となることに期待したい」と話している。

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    HealthDay News 2018年1月3日
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  • 妊娠中のアセトアミノフェンが児の言語発達に影響か

    妊娠初期に解熱鎮痛薬のアセトアミノフェンを使用すると、生まれてくる子どもの言語発達が遅れる可能性があることを示唆する研究結果が「European Psychiatry」1月10日オンライン版に掲載された。

    ただ、こうした関連は女児のみに認められ、男児では母親が妊娠中に同薬を使用しても言語発達遅滞リスクの上昇は認められなかったという。

    この研究は米マウントサイナイ・アイカーン医科大学のShanna Swan氏らが実施したもの。スウェーデンのコホート研究に妊娠8~13週で登録された女性754人を対象に、妊娠してから研究登録時までのアセトアミノフェンの使用と、生まれてきた子どもの2歳6カ月時の言語発達との関連について検討した。

    対象者の59.2%に妊娠してから研究登録時までにアセトアミノフェンを使用した経験があり、尿検査でもアセトアミノフェンが検出されていた。
    一方、看護師と親の評価に基づくと、2歳6カ月の時点で女児の4%、男児の13%に言語発達遅滞(発話語数が50語以下と定義)が認められた。

    解析の結果、妊娠8~13週までにアセトアミノフェンを使用した母親から生まれた女児では、2歳6カ月時の言語発達遅滞リスクが高かった。
    特に妊娠8~13週までに6錠以上のアセトアミノフェンを使用したと報告した母親から生まれた女児では、同薬を使用しなかった母親から生まれた女児と比べて同リスクは5.9倍と高かった。

    この研究結果について、専門家らはアセトアミノフェンが子どもの言語発達遅滞の原因になることを示したものではない点を強調しながらも、「妊娠中のアセトアミノフェンの使用は、どうしても必要な場合にとどめておくべき」との見解を示している。

    今回の研究には関与していない米カリフォルニア大学サンディエゴ校教授のChristina Chambers氏によると、アセトアミノフェンは長年にわたって完全に安全な薬だと考えられてきたため、妊婦のほぼ2人に1人はアセトアミノフェンを使用しているのが実態だという。 

    妊娠中に痛みの緩和や解熱のために使用できる薬剤の選択肢が限られており、アセトアミノフェンに代わる薬剤がないことも、多くの妊婦がアセトアミノフェンに頼らざるを得ない要因の一つだ。
    解熱鎮痛薬にはアセトアミノフェンのほか、アスピリンやイブプロフェン、ナプロキセンなどのNSAIDがあるが、催奇形性情報提供団体(OTIS)によると、妊娠中、特に妊娠後期のNSAID使用にはリスクがあるとされている。

    ただし、Chambers氏は今回の研究について(1)アセトアミノフェンの市販薬を使用した時期や頻度のデータは女性の記憶に基づいているため信頼性が低い(2)アセトアミノフェンを必要とした女性にはもともと重症あるいは慢性的な疾患があった可能性があるが、その影響については考慮されていない―といった限界があることを指摘し、「結果は慎重に解釈すべきだ」と強調している。

    一方、今回の研究を率いたSwan氏は「妊娠中のアセトアミノフェン使用に関連したリスクのエビデンスは増えてきている」と説明。
    一例として、妊娠中に1カ月以上にわたって同薬を使用することで出生児のADHDリスクが上昇するとの報告もあると紹介している。
    その上で、同氏は「妊娠中にアセトアミノフェンを使用する場合は医師に相談し、医学的に妥当とされる場合に限り服用することが重要だ」と助言している。

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    HealthDay News 2018年1月10日
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  • 体外受精は新鮮胚と凍結胚のどちらが良い?

    排卵のある女性に対する体外受精では、新鮮胚と凍結胚のいずれを移植しても生児出生率に差はないとするランダム化比較試験の結果が「New England Journal of Medicine」1月11日号に掲載された。

    第1回目の体外受精を受ける女性約2,000人を対象とした同試験では、体外受精後の生児出生率は新鮮胚で約50.2%、凍結胚で48.7%と同程度であることが示されたという。

    この研究を実施したのは米ペンシルベニア州立大学医学部産婦人科学・公衆衛生学教授のRichard Legro氏ら。
    以前、同氏らは無排卵の多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の女性を対象としたランダム化比較試験を実施し、体外受精による生児出生率は凍結胚が新鮮胚を上回っていたとする結果を報告していた。
    ただ、排卵のある女性に対する体外受精に関しては、どちらを移植すると成功率が高まるのかについては不明だったという。

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    そこでLegro氏らは今回、排卵はあるが不妊期間が1年を超えている20~35歳の女性2,157人を、第1回目の体外受精で新鮮胚を移植する群と凍結胚を移植する群のいずれかにランダムに割り付け、生児出生率を比較した。

    その結果、生児出生率はそれぞれ50.2%、48.7%で、両群間に有意差はなかった。ただ、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の発生率は新鮮胚群の2.0%に対して凍結胚群では0.6%と低かった。
    OHSSは不妊治療で使用される排卵誘発剤による影響で発生しうる病態で、重症例では危険な状態あるいは死亡に至る可能性もあるという。

    この結果について、Legro氏は「全ての不妊女性に合った治療法は存在しないということを示すもの」と説明。
    その上で「個々の患者の特徴に合わせた治療を選択すべきだろう」と話している。
    また、同氏は「今回の結果を踏まえれば、新鮮胚よりもOHSSリスクが低い凍結胚の方が、全ての体外受精患者に対して安全性が高いと考えられる」との見解を示している。

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    HealthDay News 2018年1月11日
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