• 自然災害後の血糖管理に影響する因子とは? 熊本地震で被災した糖尿病患者を対象に調査

    2016年4月の熊本地震で被災した糖尿病患者を対象とした調査から、被災後の血糖コントロールには、被災直後では迅速なライフラインの復旧と十分な睡眠の確保が、その後の復旧・復興期では糖尿病治療薬や食料の十分な供給が重要となる可能性が示された。

    熊本大学大学院糖尿病・代謝・内分泌内科講師の近藤龍也氏らの研究グループが「Journal of Diabetes Investigation」7月6日オンライン版に発表した。

    大規模な自然災害後には糖尿病患者の血糖コントロールが悪化することが数多くの研究で報告されており、熊本地震でも余震が続く中、長引く避難所生活や車中泊による健康への悪影響が懸念されていた。

    研究グループは今回、熊本地震で被災した糖尿病患者を対象に、被災前後のHbA1cやグリコアルブミン(GA)などの血糖指標の変化と血糖コントロールに影響を及ぼす因子について調査を実施した。

    研究では、同大学病院を定期的に外来受診していた糖尿病患者727人のうち基準を満たした557人を対象に、熊本地震で被災した前後それぞれ13カ月間の血糖指標などのデータを収集し、解析した。

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    また、自記式質問紙調査により地震に関連した被害や被災後の生活習慣の変化を調べたほか、心的外傷後ストレス障害(PTSD)も評価した。
    なお、対象患者の内訳は、1型糖尿病患者が55人、2型糖尿病患者が449人、その他の特定の機序や疾患による糖尿病患者が53人であった。

    その結果、1型糖尿病およびその他の特定の機序や疾患による糖尿病患者では、観察期間を通して、HbA1c値とGA値には大きな変動はみられなかった。
    この理由には、約3割の1型糖尿病患者が環境の変化に応じて、自己判断でインスリンの投与量を調節していたことが挙げられたという。

    一方で、2型糖尿病患者ではHbA1cの平均値は、被災前の7.33%から被災から1~2カ月後には7.22%に低下したが、その後は徐々に上昇し、GA値でも同様の傾向がみられた。

    また、被災後のHbA1c値の低下には「早期のライフラインの復旧」と「十分な睡眠の確保」が、その後の血糖コントロールの悪化には「糖尿病治療薬の供給不足」「食料不足」「家屋の倒壊」「職場環境の変化」が影響していたことも明らかになった。

    以上の結果から、研究グループは「糖尿病患者の血糖コントロールには、被災直後では迅速なライフラインの復旧などの環境整備が、その後の復旧・復興期では薬剤や食料の十分な供給が重要な可能性がある。

    また、被災による被害が長引くほど患者のストレスは増大し、血糖コントロールにも悪影響が出ることから、自宅や職場の環境整備も重要になる」と述べ、これらの因子を管理するには社会全体で包括的なケアを行うことが求められるとしている。

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    HealthDay News 2018年8月6日
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  • 出産経験ある女性で心疾患や脳卒中による死亡リスク減 約4万人の日本人女性を解析、JPHC研究

    出産経験がある日本人女性は、経験がない女性に比べて心疾患や脳卒中、がんによる死亡リスクが低い可能性のあることが、国立がん研究センターなどによる多目的コホート(JPHC)研究から分かった。

    出産や授乳を経験した女性や閉経年齢が高い女性では、そうでない女性と比べて全死亡リスクが低い可能性があることも示されたという。
    詳細は「Annals of Epidemiology」6月14日オンライン版に掲載された。

    出産や授乳の経験や月経歴などの女性に特有な要因が健康に多大な影響を及ぼすことは明らかだが、死亡リスクとの関連については結論に至っていない。
    研究グループは今回、JPHC研究に参加した40~69歳の女性を長期にわたり前向きに追跡したデータを用いて、これらの要因と全死亡リスクや心疾患と脳卒中、呼吸器疾患、がんによる死亡リスクとの関連を調べた。

    研究では、ベースライン時(1990~1994年)に全国11地域に在住し、がんや循環器疾患の既往がなかった40~69歳の女性4万149人を対象に、2014年まで追跡した。

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    ベースライン時に行ったアンケート結果から、女性の出産経験や出産人数、授乳経験、初産年齢、初潮や閉経を迎えた年齢とその間の年数、月経周期、ホルモン療法の施行歴を調べた。

    平均で20.9年の追跡期間中に、4,788人の死亡が確認された。解析の結果、全死亡リスクは、出産経験がない女性に比べて出産経験がある女性では26%低いことが分かった。

    全死亡リスクは、出産人数が1人の女性に比べて2人または3人だった女性では12~17%低く、授乳経験がない女性と比べて授乳経験がある女性では19%低かった。

    また、初潮から閉経までの年数が長いほど全死亡リスクは低下した。初産年齢については、22歳以下の女性に比べて30歳以上の女性では全死亡リスクの上昇がみられた。

    さらに、死因別の死亡リスクを分析した結果、出産経験がない女性に比べて出産経験がある女性は、心疾患と脳卒中、全てのがんや乳がん、卵巣がんによる死亡リスクが低いことが明らかになった。

    以上の結果から、研究グループは「出産経験がある日本人女性は、経験がない女性に比べて全死亡や心疾患、脳卒中、全てのがんや乳がん、卵巣がんによる死亡リスクが低い可能性がある」と結論づけている。

    また、こうした結果の背景として、親となったことで意識や生活習慣が向上した可能性や、エストロゲンや授乳中に分泌されるオキシトシンなどのホルモンによる影響を挙げている。

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  • メタボ検診実施率、2016年度も目標遠く――厚労省

    厚生労働省はこのほど、40~74歳を対象とした特定健康診査(メタボ検診)の実施率が、2016年度には前年度から1.3ポイント上昇し51.4%であったと発表した。

    2008年度の開始当初(38.9%)から実施率は年々上昇しているが、依然として70%という国が掲げる目標には遠く及ばない状況が続いている。

    発表によると、2016年度の特定健診対象者数は約5360万で、このうち約2756万人が受診した。
    実施率は男女ともに60歳以降になると低下し、女性では男性に比べて全体的に低い傾向が続いていた。

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    また、企業に勤める会社員とその家族が加入する健康保険組合(75.2%)と公務員などが加入する共済組合(76.7%)は目標を達成していたが、全国健康保険協会(協会けんぽ;47.4%)、市町村国民健康保険(36.6%)などは依然として実施率は低かった。

    なお、特定健診を受診し、メタボリック症候群やそのリスクが高いと判定され、特定保健指導が必要とされたのは約469万人だった。
    特定保健指導の実施率についても18.8%と前年度に比べて1.3ポイント上昇したものの、国が掲げる目標(45%)には届かなかった。

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  • 職場のストレスで労働者のメタボリスク上昇か 前向き観察研究のメタ解析

    要求度が高いのに裁量権が低い仕事やシフト勤務といった職場のストレスを抱える労働者は、そうでない労働者に比べてメタボリック症候群になりやすい可能性のあることが、北里大学公衆衛生学教授の堤明純氏と東京大学らの共同研究グループの検討で分かった。

    これらの関連を前向きに検討した観察研究をメタ解析し、職場のストレス要因がメタボリック症候群リスクと関連することを示したのは世界で初めて。研究グループは「労働者のメタボリック症候群を予防するには、職場環境の改善が重要な可能性がある」と話している。
    詳細は「Obesity Reviews」7月25日オンライン版に掲載された。

    これまでの研究で、長時間労働やシフト勤務、仕事の裁量権や自由度、上司や同僚との関係性といった職場のストレス要因はメタボリック症候群の発症リスクを高めることが報告されている。
    しかし、これらの関連を検討した質の高い観察研究の論文を網羅的に分析した研究は行われていなかった。

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    研究グループは今回、2016年12月までに公表され、職場のストレス要因とメタボリック症候群の発症リスクとの関連を前向きに検討した観察研究の論文を系統的に検索。
    抽出した4,664件のうち条件を満たした8件の論文を対象にメタ解析を実施し、これらの関連を検討した。

    解析の結果、職場でストレス要因を抱える労働者では、そうでない労働者に比べてメタボリック症候群の相対リスクは1.47倍であり、質の高い論文に限定して解析してもこのリスクは1.4倍であることが分かった。

    また、対象とした研究では、ストレス要因の中でも、仕事の要求度が高いにもかかわらず裁量権が低い「仕事のストレイン」と「シフト勤務」を検討した研究が多くみられ、これらはメタボリック症候群リスクとの関連も強いことが明らかになった。

    研究グループは「今回の結果は、働き盛りの世代でメタボリック症候群の有病率が高く、心血管疾患や2型糖尿病の発症につながりやすいことの説明になるのではないか」と指摘。
    今後、こうした世代において生活習慣病の発症に職場の心理社会的要因がどのように関与するのか、その機序の解明が進むことに期待を示している。

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  • 「健康寿命をのばそう!アワード」応募受付を開始、厚労省

    厚生労働省は7月2日、健康づくりのために優れた取り組みを行う企業や団体、自治体を表彰する「第7回 健康寿命をのばそう!アワード」(生活習慣病予防分野)の応募受付を開始したと公表した。募集期間は8月31日(金)まで。

    この表彰制度は、厚労省が進める国民運動「スマート・ライフ・プロジェクト」が掲げる4つのテーマ(適度な運動、適切な食生活、禁煙、健診・検診の受診)について、生活習慣病予防の啓発や健康増進を目指した独自の取り組みを行う企業や団体、自治体を表彰するもの。
    第7回を迎えた今回から「スポーツ庁長官賞」を新たに設立し、特にスポーツや運動を通じた優れた取り組みを行っている企業などを表彰するとしている。

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    昨年度は70件の応募の中から18件の企業や団体、自治体が表彰された。生活習慣病予防分野では特に優れた取り組みとして、竹富診療所(沖縄県)の「ぱいぬ島健康プラン21 in竹富島~健康長寿復活を目指した小さな島の取組み~」が厚生労働大臣最優秀賞に輝いた。
    その他、同大臣優秀賞(3件)や同省健康局長優良賞(12件)などが選ばれた。

    表彰式は11月19日に東京都内で行われる予定。実施概要の詳細は厚労省ホームページを参照のこと。

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  • 血糖値の変化は2型糖尿病における血圧反射システムの変化マーカー

    糖尿病性自律神経障害の指標である圧反射感受性(血圧の値を一定の範囲に保持するための反射システム)と、心血管イベントの独立したリスク因子であるHbA1cの測定時変動(医療機関で測定するたびに値が変わること)は逆相関することが、東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科の坂本昌也氏らの研究により分かった。

    詳細は「Cardiovascular Diabetology」7月10日オンライン版に掲載された。

    坂本氏らは、以前の研究で2年間に8回以上HbA1cを測定した患者94人のデータを遡って分析した。
    HbA1cの測定時変動は、2年間にHbA1cを8回以上連続測定した患者内変動係数、標準偏差および調整標準偏差を用いて評価し、圧反射感受性を分析した。

    短期血糖変動は、24時間連続グルコースモニタリング中のグルコース変動係数を測定することによって評価した。
    主な目的は、HbA1cの測定時変動と圧反射感受性との間に関係があるかどうかを判断することで、二次的な目的は、他の変数と圧反射感受性との関係、および圧反射感受性に対する長期血糖変動および短期血糖変動のそれぞれの組み合わせ効果を調べることであった。

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    この研究の基準に合致した57人の患者(平均年齢67.2±7.7歳、平均HbA1c 7.3±1.0%)が最終的に分析された。
    検査した独立項目ごとの解析では、HbA1c患者内変動係数(r=-0.354、p= 0.007)、HbA1c標準偏差(r =-0.384、p=0.003)、HbA1c 調整標準偏差(r=-0.391、p=0.003)が 圧反射感受性低下と有意に関連していた。
    独立した項目二つ以上を関係させた分析では、HbA1c患者内変動係数、HbA1c標準偏差、およびHbA1c調整標準偏差が圧反射感受性に逆相関が示した。

    さらに、長期血糖変動または短期血糖変動のいずれかの増加は、圧反射感受性と逆相関したが、長期血糖変動および短期血糖変動が中央値を超える患者では、圧反射感受性のさらなる低下はみられなかった。

    以上の結果から、坂本氏らは「HbA1cの測定時変動は、2型糖尿病患者の平均HbA1cとは独立して、圧反射感受性と逆相関していた。
    したがって、HbA1cの測定時変動は、2型糖尿病における圧反射感受性低下のマーカーとなり得る可能性がある」と結論している。

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    糖尿病とは?血糖値や症状に関する基本情報。体内のインスリン作用が不十分であり、それが起因となり血糖値が高い状態が続いていきます。症状など分類別に解説しています。

    糖尿病とは?血糖値や症状に関する基本情報

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    HealthDay News 2018年7月23日
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