• 外食しやすい生活環境で肥満リスクが高まる? 宮城県在住の高齢者データを分析

    2011年3月の東日本大震災では、多くの被災者が家屋を失い、仮設住宅への転居を余儀なくされた。転居後には近隣の生活環境も大きく変化することが多いが、自宅と飲食店や食料品店との距離が縮まって外食しやすい環境になると、高齢者の肥満リスクが高まる可能性があることが、香港大学公衆衛生大学院の引地博之氏らが実施した調査で明らかになった。詳細は「Scientific Reports」1月23日オンライン版に掲載された。

     引地氏らは、仮設住宅などに転居した場合には、近隣の生活環境、特に飲食店や食料品店への交通の便が大きく変化する点に着目。震災後の食環境の変化が体重に及ぼす影響について検討するため、宮城県岩沼市の住民を対象に調査を実施した。

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     研究では、日本老年学的評価研究プロジェクト(JAGES)の一環で、同県岩沼市に在住する高齢者を対象に実施した社会調査から、東日本大震災の7カ月前(2010年8月)と震災発生から2年半後(2013年10月)のデータを分析した。震災前には適正体重(BMI 18.5~22.9)だったが、震災後にBMI 25以上の肥満となった人に注目し、いずれの調査にも回答した3,567人を対象に、BMIの変化と自宅から飲食店や食料品店までの最短距離の差(震災前後)との関連を調べた。

     その結果、自宅と居酒屋やファストフード店、食料品店との最短距離が1km縮まると、高齢者は適正体重から肥満になるリスクが高いことが分かった(オッズ比はそれぞれ、居酒屋では1.46、ファストフード店では1.44、食料品店では1.46)。

     こうした結果が得られた背景について、引地氏らは「岩沼市の仮設住宅は市の中心部に建設され、沿岸部から転居した住民は居酒屋やファストフード店などを使いやすくなった。そのため、外食の機会が増えたことで体重増加につながったのではないか」と考察している。

     引地氏らによれば、大震災で被災した高齢者の肥満度を食環境の変化に着目して検証した研究はこれまでなかった。この研究結果を踏まえれば、外食や買い物が不便な地域に仮設住宅を建設した自治体では、飲食店やスーパーマーケットへのアクセスが大幅に悪化したことが原因で、体重が減少した高齢者が増えている可能性が危惧されるという。同氏らは「大災害後に被災者の仮設住宅を準備する際には、住宅だけでなく、近隣の食環境も考慮することが住民の健康を維持する上で重要ではないか」との見方を示している。

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    肥満という言葉を耳にして、あなたはどんなイメージを抱くでしょうか?
    今回は肥満が原因となる疾患『肥満症』の危険度をセルフチェックする方法と一般的な肥満との違いについて解説していきます。

    肥満症の危険度をセルフチェック!一般的な肥満との違いは?

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    HealthDay News 2019年1月28日
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  • 「糖尿病腎症重症化予防の取り組み」、厚労省が好事例を報告

     世界的に増えている2型糖尿病の合併症の一つに、糖尿病腎症が挙げられる。糖尿病腎症は自覚症状なく進行し、気づいたときには透析導入を余儀なくされるケースも少なくない。そこで、厚生労働省は糖尿病腎症の重症化を予防し、透析導入を抑制するため、全国の自治体の取り組みに対する支援を開始した。2018年には「自覚症状のない糖尿病の重症化を防ぐために。-国民健康保険における糖尿病性腎症重症化予防の取組に関する調査-」を実施。12月28日に結果を公表し、埼玉県や長野県松本市、東京都足立区などの取り組みを好事例として報告した。

     厚労省の「国民健康・栄養調査」によると、2016年には、糖尿病が強く疑われる人とその予備軍がともに1000万に上っている。しかし、治療を受けている患者は約半数に過ぎず、医療機関への受診勧奨が大きな課題とされている。一方、日本国内の透析患者数は、1983年時点の約5.3万人から2016年末時点には約32.9万人へと約5.7倍に増加した。近年では原疾患の4割以上を糖尿病腎症が占めており、日本透析医学会の調べでは1998年以来、第1位で推移している。

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     透析治療にかかる年間医療費の総額は約1.6兆円ともされ、糖尿病腎症の重症化予防は国として取り組むべき喫緊の課題だ。厚労省は2016年4月に、日本医師会と日本糖尿病対策推進会議の3者で「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」を策定し、各自治体の取り組みへの支援を本格的に開始した。その柱には、(1)医療機関未受診者と受診中断者に対する受診勧奨・保健指導、(2)通院患者のうち重症化リスクの高い患者に対する主治医の保健指導が掲げられている。

     また、厚労省が12月28日に公表した調査報告書では、各自治体の好事例が報告された。例えば、埼玉県は、県医師会など関係機関と2014年に「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」を策定。高リスク者への受診勧奨や保健指導を重視した各市町村国保の取り組みへの支援を開始した。その後、「埼玉県方式」と呼ばれる国民健康保険連合会との共同事業を支援する独自の取り組みへと発展させている。

     また、主治医と薬局薬剤師が連携する「患者自己管理支援プログラム」を推進する長野県松本市では、薬剤師が患者に処方薬を手渡す際に、服薬指導に加えて保健指導を行っている。保健指導が一度終わった後でも、薬局で処方薬を受け取る際に健康相談などのかたちで継続できるというメリットがあるという。

     さらに、東京都足立区では、特定健診の結果から保健師が医療機関を受診する必要がある人を抽出し、受診勧奨の通知を郵送している。その後、受診が確認できなかった人には、保健師が訪問や電話で受診を再勧奨することで受診率が大幅に改善したと報告されている。

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    糖尿病の3大合併症として知られる、『糖尿病性腎症』。この病気は現在、透析治療を受けている患者さんの原因疾患・第一位でもあり、治療せずに悪化すると腎不全などのリスクも。この記事では糖尿病性腎病を早期発見・早期治療するための手段として、簡易的なセルフチェックや体の症状について紹介していきます。

    糖尿病性腎症リスクを体の症状からセルフチェック!

    参考情報:リンク先
    HealthDay News 2019年1月21日
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  • 肥満であるほど脳梗塞になりやすい? 約9万人の日本人男女を解析、JPHC研究

    日本人は肥満であるほど脳梗塞になりやすい可能性があることが、国立がん研究センターなどの多目的コホート(JPHC)研究グループの検討で分かった。特に、BMIが30を超える肥満であると、男性では心原性脳塞栓症リスクが、女性では心原性脳塞栓症だけでなく、ラクナ梗塞とアテローム血栓性脳梗塞リスクも約2倍に高まることが明らかになった。研究の詳細は「Journal of Epidemiology」2018年12月15日オンライン版に掲載された。

     日本人が発症する脳卒中の約半数は脳梗塞が占めている。脳梗塞は「ラクナ梗塞」「アテローム血栓性脳梗塞」「心原性脳塞栓症」の3つの病型に分けられるが、病型別の発症リスクと肥満度との関連は不明な点が多い。研究グループは今回、JPHC研究に参加した40歳以上の男女約9万人を長期にわたり前向きに追跡したデータを用いて、肥満度と脳梗塞発症との関連について調べた。

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     研究では、ベースライン時(1990年および1993~1994年)に全国9地域に在住し、研究開始から5年後および10年後の質問票調査に回答した40~69歳の8万8,756人(うち男性4万2,343人)を対象に、2011年まで追跡した。ベースライン時および5年後、10年後の調査で測定したBMIの累積平均値を算出し、脳梗塞発症との関連を検討した。

     中央値で20年の追跡期間中に、男性では809人がラクナ梗塞を、395人がアテローム血栓性脳梗塞を、568人が心原性脳塞栓症を発症し、女性ではそれぞれ481人、218人、298人が発症した。ベースライン時の年齢や喫煙、飲酒の習慣、運動量、高血圧や脂質異常症、糖尿病の既往といった因子で調整した解析から、男性ではBMIが高いほど3つの病型の脳梗塞の発症リスクは高く(ラクナ梗塞:P=0.007、アテローム血栓性脳梗塞:P=0.002、心原性脳塞栓症:P<0.001)、一方、女性ではラクナ梗塞(P<0.001)とアテローム血栓性脳梗塞(P=0.003)のリスクが高いことが分かった。

     また、男女ともBMIが23以上25未満の場合に比べて、BMIが30以上の人では心原性脳塞栓症リスクが約2倍であった(ハザード比は男性が2.14、女性が1.89)。さらに、BMIが30以上の女性では、ラクナ梗塞リスクが1.77倍、アテローム血栓性脳梗塞が1.9倍であることも示された。

     以上の結果を踏まえ、研究グループは「この研究では、累積平均BMI値を用いて、肥満による脳梗塞への長期的な影響を評価した。その結果、BMIが適正な人に比べて、30を超える肥満であると男女とも心原性脳塞栓症リスクが約2倍であり、女性ではラクナ梗塞とアテローム血栓性脳梗塞のリスクも約2倍に高まることが分かった」と結論づけている。

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  • 健診時の悪い生活習慣が心臓病や脳卒中と関連 特定健診データを分析、金沢大

    特定健診で用いられる質問票で、悪い生活習慣に多く当てはまる人は、当てはまる項目が少ない人に比べて心筋梗塞などの冠動脈疾患(CAD)や脳卒中などの動脈硬化性疾患である確率が約2倍である可能性が、金沢大学附属病院循環器内科の多田隼人氏らの研究で明らかになった。詳細は「PLOS ONE」2018年11月28日オンライン版に掲載された。

     40~74歳を対象に2008年から開始された特定健診・保健指導では、生活習慣病の予防を目的に、身体計測や血圧測定、血液検査、尿検査などの検査項目に加えて、生活習慣に関する質問票を用いた調査も実施している。しかし、これまで健診で用いられる質問票の項目と動脈硬化性疾患との関連を調べた研究は限られていた。

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     多田氏らは今回、2014年に金沢市内で特定健診を受けた40歳以上の男女4万7,842人を対象に解析を行い、動脈硬化性疾患(CADまたは脳卒中)と質問票の生活習慣に関連した12項目の質問との関連を調査した。なお、質問項目には、脳卒中や心疾患、腎不全の既往の有無と、喫煙習慣や飲酒習慣、運動習慣、食習慣、睡眠習慣、高血圧や糖尿病、脂質異常症の服薬歴などが含まれた。

     その結果、悪い生活習慣のうち7~12項目に当てはまる人では、当てはまる項目が少ない人(0~3項目)に比べて、動脈硬化性疾患であるリスクが有意に高いことが分かった(オッズ比は1.78、95%信頼区間1.62~1.95、P<0.0003)。

     CADや脳卒中の既往には、「他の人と比べて歩く速度が速い」「1年間で3kgを超える体重の増減」「飲酒の頻度が毎日」「十分な睡眠が取れている」といった習慣が強く関連することが分かった。一方、「1回30分以上の運動を週2日以上、1年以上実施」「1日1時間以上の歩行」「夕食後の間食」「朝食を抜く」「過度な飲酒習慣」との関連はみられなかった。

     以上の結果から、多田氏らは「健診の質問票にある生活習慣に関連した12項目の質問の多くは、自己申告による動脈硬化性疾患と独立して関連しており、これらの項目からなるリスクスコアも強く関連することが明らかになった」と結論づけている。

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  • 保存期の慢性腎臓病患者にも肥満パラドックスの可能性 東京医歯大の研究グループ

    透析導入に至っていない保存期の慢性腎臓病(CKD)患者は、BMIが高値なほど短期的な予後が良好となる可能性があることが、東京医科歯科大学腎臓内科の菊池寛昭氏と同大学茨城県腎臓疾患地域医療学寄附講座教授の頼建光氏らの研究グループの検討で分かった。透析患者だけでなく、保存期CKD患者においても十分なカロリーを摂取し、体重を維持することが重視される可能性があるという。詳細は「PLOS ONE」2018年11月29日オンライン版に掲載された。

     これまでの研究で、血液透析患者はBMI値が高いほど寿命が延びる「肥満パラドックス」が報告されている。一方、保存期のCKD患者については、肥満度と予後との関連は不明な点が多かった。そこで、研究グループは今回、保存期CKD患者を対象に、感染症や糖尿病の有無で層別化した上で、BMIと院内死亡率の関連について調べる研究を実施した。

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     研究では、全国1,700以上の病院が参加する大規模診療データベースであるDPC(Diagnosis Procedure Combination)データを用いて、緊急入院となった透析導入に至っていない保存期CKD患者2万6,103人のデータを抽出。対象患者をまず、BMI値で4つの群に分けた上で、感染症の合併の有無で分けて、入院後100日以内の院内死亡との関係を調べた。

     その結果、感染症の合併の有無にかかわらず、BMIが低値であると院内死亡率が高いことが分かった〔感染症合併なし+BMIが適正(24~26)群に比べて、感染症合併+BMI低値(20未満)群では1.82倍、感染症合併なし+BMI低値群では1.39倍〕。また、BMIが高値であるほど入院中の予後は良好となる傾向がみられた。

     さらに、対象患者を糖尿病の合併の有無に分けて解析したところ、BMI低値は予後不良と関連したが、感染症を合併していない群では、糖尿病を合併すると肥満度と予後良好との関連は減弱することが明らかになった。一方、糖尿病を合併していない群では、感染症の有無にかかわらず、BMIが高値なほど短期的な予後は良好となる傾向がみられた。

     以上の結果から、頼氏らは「緊急入院を要する保存期CKD患者では、感染症がある場合には、糖尿病の有無にかかわらず、BMIが高値だと予後は良好であった。一方、感染症を合併していない患者では、BMI高値と予後良好との関連は、糖尿病の有無に影響されることも明らかになった」と結論。この結果は、「保存期CKD患者においては、BMI高値が生命予後の改善に有利となる可能性を示唆しており、CKD患者における十分なカロリー摂取と体重維持の重要性を示した点で臨床的な意義がある」と述べている。

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  • 妊娠前の肥満と妊娠中の体重増加が出生児の体重に影響か 妊娠糖尿病女性を対象に検討、埼玉医大

    妊娠糖尿病(GDM)の女性は、妊娠する前に肥満であったり、妊娠中に過度に体重が増えると、出生児の体重が大きくなる可能性が高いことが、埼玉医科大学内分泌・糖尿病内科講師の安田重光氏らの検討で分かった。詳細は「Journal of Diabetes Investigation」12月12日オンライン版に掲載された。

     GDM女性では、妊娠前の肥満や妊娠期間中の過度な体重増加が、妊娠合併症リスクの増加と関連することが知られている。一方、これらの母親の体重因子が出生児の体重とどのように関連するのかは不明な点が多かった。そこで、安田氏らは日本人のGDM女性を対象に、妊娠前のBMIおよび妊娠中の体重の増加と出生児の体重との関連を調べる後ろ向きの観察研究を実施した。

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     対象は、2011~2016年に、同大学病院に通院していたGDMのある妊婦101人。妊娠前の時点で67.3%は適正体重(BMI 18.5~24.9)であり、17.8%は過体重(同25.0~29.9)、12.8%は肥満(同30以上)、2.0%はるい痩(同18.5未満)であり、平均BMIは24.7±5.8であった。また、出産時の平均年齢は34.7±5.1歳で、平均妊娠期間は38.5±1.4週、妊娠中の体重増加は平均で6.22±5.39kgであった。出生児の平均体重は2,987.3±393.6gであった。

     多変量解析の結果、出産時の年齢や妊娠24~28週時点のHbA1c値などで調整しても、妊娠前のBMIが増えるほど出生児の体重(Zスコア)は有意に増加することが分かった(妊娠前BMIが1単位増えるごとに出生児の体重のZスコアは0.08増加、P<0.001)。同様に、妊娠中に体重が増えるほど、出生児の体重は増加していた(妊娠中の体重が1kg増えるごとに出生児の体重のZスコアは0.05増加、P=0.007)。

     また、妊娠前に過体重や肥満だった女性では、妊娠前のBMI値だけが出生児の体重と関連していた。一方、妊娠前に適正体重だった女性では、妊娠中に増加した体重だけが出生児の体重と関連することも明らかになった。さらに、妊娠前のBMI値と妊娠中に増えた体重幅との間には有意な関連は認められなかった。

     以上の結果について、安田氏らは「日本人のGDM女性を対象に、妊娠前の肥満度および妊娠中の体重増加と出生児の体重との関連を明らかに示した研究は、今回が初めてのものだ」と指摘する。その上で、「GDM女性の体重因子が出生児の体重に及ぼす影響については、今後、多施設からより多くの女性サンプルを集めた研究を行う必要がある」と述べている。

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  • 睡眠障害は慢性腎臓病進行のリスク因子か 睡眠の質と睡眠時間がCKD進行と関連

    日本人の慢性腎臓病(CKD)患者では、睡眠の質が悪く、睡眠時間が適切でないとCKDが進行し、透析導入に至るリスクが高い可能性があることが、大阪大学キャンパスライフ健康支援センター講師の山本陵平氏らの研究で明らかになった。日本では透析患者は増加の一途をたどり、医療費増大の一因になっている。同氏らは「CKD進行のリスク因子として睡眠障害の可能性にも注目すべきだ。睡眠障害を含む生活習慣の是正により、透析導入に至るCKD患者の抑制につながる可能性がある」と述べている。詳細は「Clinical Journal of American Society of Nephrology」12月号に掲載された。

     山本氏らは、2011年には同大学の職員約6,800人の健診データを用いた分析で、5時間以下の短時間睡眠が蛋白尿のリスク因子であることを報告している。その後、国内外の研究で、短時間睡眠などの睡眠障害はCKDのリスク因子であることが示されたが、保存期CKDの患者ではこれらの関連は明らかになっていなかった。そこで、山本氏らは、腎機能が低下しているCKD患者を対象に睡眠に関するアンケートを実施し、CKD進行と睡眠障害との関連を検討した。

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     対象は、国内多施設の外来CKD患者約3,000人を追跡しているCKD-JAC(Chronic Kidney Disease Japan Cohort)研究に参加し、研究開始時にピッツバーグ睡眠質問票に回答し、睡眠の質と睡眠時間を評価し得た患者1,601人。約4年間の追跡期間中の透析導入リスクを評価した。

     その結果、睡眠の質が正常な患者に比べて、質が低い患者は透析を導入するリスクが約1.3倍であることが分かった。また、睡眠時間が約7時間の患者と比べて、5時間以下の短時間睡眠の患者と、8時間を超える長時間睡眠の患者はそれぞれ、透析導入となるリスクが約2.1倍および約1.5倍であることも明らかになった。

     これらの結果を踏まえ、山本氏らは「睡眠の質が低いCKD患者と睡眠時間が適切でないCKD患者は、透析に至るリスクが高いことが明らかになった。睡眠障害の原因を特定し、適切な治療を行うことがCKD進行の抑制につながると期待できる」と結論づけている。また、諸外国と比較して日本人の睡眠時間は短いとされていることから、同氏らは「日本人の健康を増進し、医療費を削減するには、日常生活で十分な睡眠時間を確保することが重要だ」と述べている。

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    HealthDay News 2019年1月7日
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  • 自律神経が肝臓の再生促す仕組みを解明 マウス実験で、東北大

    肝臓が大きく傷害されると、自律神経による信号が肝臓内の免疫細胞を刺激して肝臓の再生を促す仕組みが働くことを突き止めた研究成果を、東北大学大学院糖尿病代謝内科学分野准教授の今井淳太氏らの研究グループが「Nature Communications」12月13日オンライン版に発表した。この仕組みを利用することで、意図的に肝臓の再生を促すことが可能になり、肝臓がんや肝障害の新しい治療法の開発につながるものと期待される。

     肝臓が大きく傷つけられると、早期から肝臓の再生が急速に進むことが知られている。しかし、この肝臓再生の意義やメカニズムについてはほとんど分かっていなかった。そこで、今井氏らはマウスの肝臓の70%を切除して重症の肝臓傷害を起こし、肝臓再生のメカニズムを探る実験を実施した。

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     その結果、脳からの自律神経による信号によって、肝臓の急速な再生を促すという仕組みを突き止めた。そのメカニズムは、まず、脳からの信号は、迷走神経と呼ばれる全身の臓器の働きを調節する自律神経を介して肝臓に届けられ、次に、迷走神経はアセチルコリンを分泌して肝臓内の免疫細胞(マクロファージ)を刺激して、インターロイキン6(IL-6)の分泌を促す。さらに、IL-6は肝臓細胞内のシグナル伝達経路(FoxM1経路)を活性化することで、肝臓の再生を促すというもの。肝臓内に多数あるマクロファージを刺激することで、神経信号を肝臓全体に波及させる仕組みが働いていると考えられるという。

     研究グループはマウス実験で、この脳からの信号がない状況では、重症肝臓傷害を起こしたマウスの生存率が低下することも見出した。さらに、この状態下でFoxM1経路を活性化させることで生存率の回復に成功した。

     これらの結果を踏まえ、今井氏らは「肝臓がんの外科手術では、がん細胞を含む正常な肝臓を、いかに広範囲に安全域を確保して切除できるかが再発予防に重要となる。今回明らかになった神経信号が肝臓再生を促す仕組みをコントロールすることで、より広範囲な肝臓がんの切除が可能になるだけでなく、肝臓の再生を促し、肝臓切除後の合併症を減らすことにつなげられる可能性もある」と述べている。

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    HealthDay News 2018年12月25日
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  • 活性型ビタミンDで透析患者の心血管疾患リスク低減せず 大阪市立大によるRCTで判明

    ビタミンD欠乏とさまざまな疾病が関連するため、ビタミンD補充による疾病予防効果の有無が注目されている。血液透析患者は、腎不全に伴うカルシウムやリン代謝異常から生じる骨病変を減らすため「活性型ビタミンD製剤」を服用することが多く、骨ミネラル代謝以外への効果もあると考えられていた。しかし、血液透析患者が活性型ビタミンD製剤を服用しても心血管疾患の発症リスクは低下しないことが、大阪市立大学大学院血管病態制御学研究教授の庄司哲雄氏らの研究グループの検討で明らかになった。日本人の透析患者を対象としたランダム化比較試験であるJ-DAVID試験の結果で、詳細は「Journal of the American Medical Association(JAMA)」12月11日オンライン版に掲載された。

     透析患者では、腎臓でビタミンDを活性化する機能が失われ、骨ミネラル代謝異常を生じ、心血管疾患リスクが高まることが知られている。観察研究では、透析患者が活性型ビタミンD製剤を服用すると、服用しない場合に比べて全死亡率や心血管疾患による死亡率、心血管疾患の発症率が低いとする報告が相次いでいる。そこで、庄司氏らは今回、日本の透析患者を対象に、活性型ビタミンD製剤の心血管疾患リスク低減効果を検討するため、ランダム化比較試験を実施した。

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     対象は、全国108施設から2008~2011年に登録した20歳代~80歳代の血液透析患者976人。二次性副甲状腺機能亢進症を有する患者は対象から除外し、副甲状腺ホルモン(PTH)が180pg/mL以下を呈する血液透析患者とした。対象患者を、活性型ビタミンD製剤(経口アルファカルシドール0.5μg/日;495人)服用群または同剤を服用しない従来治療を受ける対照群(481人)にオープンラベルでランダムに割り付けて、中央値で4年間追跡した。

     その結果、心筋梗塞、うっ血性心不全による入院、脳卒中、冠動脈血行再建術などの複合心血管イベントの発生率は、活性型ビタミンD製剤服用群の21.1%に対し、対照群では17.9%と両群間に有意差はみられず、むしろ服用群で高い傾向にあることが分かった。また、全死亡率についても両群間で有意な差は認められないことも明らかになった(18.2%対16.8%)。

     これまでの観察研究に基づいて、透析患者では、活性型ビタミンD製剤の服用により心血管疾患リスクは低減すると考えられてきた。そのため、庄司氏は「今回の結果は意外だった」と述べつつ、「PTH値の高い患者を対象から除外しているため、PTH高値の患者に対する活性型ビタミンD製剤投与の有用性を否定するものではない点に注意が必要だ」と指摘している。今後は活性型ビタミンD製剤の投与により心血管リスクが低下する患者と低下しない患者を事前に見分ける方法などについて、検討を進めたいとしている。

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    HealthDay News 2018年12月25日
    Copyright c 2018 HealthDay. All rights reserved.
    SMTによる記事情報は、治療の正確性や安全性を保証するものではありません。
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  • 社員向け短時間のうつ病研修プログラムを開発 メンタル不調者への対応力が向上、九州大学など

    職場でメンタルヘルスの不調を抱える社員に適切に対応する方法を2時間で学べる研修プログラムを開発したと、九州大学大学院精神病態医学講師の加藤隆弘氏らが「PLOS ONE」12月7日オンライン版に発表した。研究は岩手医科大学神経精神科学講座教授の大塚耕太郎氏らと共同で行ったもの。暫定版のプログラムをパイロット試験として実施したところ、プログラムの受講者はメンタルヘルス不調者への対応力や理解力が向上したという。

     近年、メンタルヘルスの不調を理由に休職や退職に至るケースが増えており、職場のメンタルヘルス対策の向上は喫緊の課題となっている。しかし、気分の落ち込みや意欲低下、不眠などの抑うつ症状がある人は、そのことを周囲に訴えることはほとんどなく、周囲も気づきにくかったり、声をかけづらかったりするのが現状だ。

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     そこで、加藤氏らは、オーストラリアで開発され国際的に普及している、一般市民がこころの応急処置を実践的に学ぶ12時間の「メンタルヘルス・ファーストエイド(MHFA)」と呼ばれるプログラムに着目。2007年にはMHFAを日本に導入し、その要素を震災支援事業や自殺対策事業に取り入れてきた。同氏らの研究チームは、今回、一般企業の従業員が受講しやすいように2時間にまとめたプログラム(暫定版)を作成した。

     MHFAのアクションプランには、(1)声をかけ、リスクを評価し支援を始める、(2)決めつけず、批判せずに話を聞く、(3)安心につながる支援と情報を提供する、(4)専門家のサポートを受けるよう勧める、(5)その他のヘルプやセルフヘルプなどのサポートを勧める-の5つのステップが掲げられている。加藤氏らが今回開発した2時間のプログラムは、うつ病に関する講義(50分)に加えて、上司役とメンタルヘルスの不調を抱える社員役のシナリオロールプレイによる演習(45分)を通じて、MHFAの5原則を実践的に身につけられるように構成されている。

     研究チームは次に、一般企業の会社員83人を対象に、暫定版プログラムを受講してもらうパイロット試験を実施した。プログラムの実施前後と1カ月後には、受講者にメンタルヘルスの不調を抱える社員や部下への対応に関するアンケートに回答してもらった。その結果、プログラムを受講後には、「メンタルヘルス不調者に対応するスキル」と「不調者に関わる上での自信」がいずれも向上していることが分かった。一方、メンタルヘルス不調者への偏見については低下していた。

     加藤氏らは「研究チームでは、忙しい会社員でも受講できるような短時間のMHFAプログラムを日本に導入し、普及に向けてインストラクターの育成を行っている。今後、この暫定版プログラムの有効性が対照群を設定した、より大規模な研究で検討されることが望まれる。さらなる研究でプログラムの有効性が確認され、多くの企業で活用されることで、うつ病の早期発見・早期治療につながるものと期待される」と述べている。

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    HealthDay News 2018年12月17日
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