• 妊娠前の肥満と妊娠中の体重増加が出生児の体重に影響か 妊娠糖尿病女性を対象に検討、埼玉医大

    妊娠糖尿病(GDM)の女性は、妊娠する前に肥満であったり、妊娠中に過度に体重が増えると、出生児の体重が大きくなる可能性が高いことが、埼玉医科大学内分泌・糖尿病内科講師の安田重光氏らの検討で分かった。詳細は「Journal of Diabetes Investigation」12月12日オンライン版に掲載された。

     GDM女性では、妊娠前の肥満や妊娠期間中の過度な体重増加が、妊娠合併症リスクの増加と関連することが知られている。一方、これらの母親の体重因子が出生児の体重とどのように関連するのかは不明な点が多かった。そこで、安田氏らは日本人のGDM女性を対象に、妊娠前のBMIおよび妊娠中の体重の増加と出生児の体重との関連を調べる後ろ向きの観察研究を実施した。

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     対象は、2011~2016年に、同大学病院に通院していたGDMのある妊婦101人。妊娠前の時点で67.3%は適正体重(BMI 18.5~24.9)であり、17.8%は過体重(同25.0~29.9)、12.8%は肥満(同30以上)、2.0%はるい痩(同18.5未満)であり、平均BMIは24.7±5.8であった。また、出産時の平均年齢は34.7±5.1歳で、平均妊娠期間は38.5±1.4週、妊娠中の体重増加は平均で6.22±5.39kgであった。出生児の平均体重は2,987.3±393.6gであった。

     多変量解析の結果、出産時の年齢や妊娠24~28週時点のHbA1c値などで調整しても、妊娠前のBMIが増えるほど出生児の体重(Zスコア)は有意に増加することが分かった(妊娠前BMIが1単位増えるごとに出生児の体重のZスコアは0.08増加、P<0.001)。同様に、妊娠中に体重が増えるほど、出生児の体重は増加していた(妊娠中の体重が1kg増えるごとに出生児の体重のZスコアは0.05増加、P=0.007)。

     また、妊娠前に過体重や肥満だった女性では、妊娠前のBMI値だけが出生児の体重と関連していた。一方、妊娠前に適正体重だった女性では、妊娠中に増加した体重だけが出生児の体重と関連することも明らかになった。さらに、妊娠前のBMI値と妊娠中に増えた体重幅との間には有意な関連は認められなかった。

     以上の結果について、安田氏らは「日本人のGDM女性を対象に、妊娠前の肥満度および妊娠中の体重増加と出生児の体重との関連を明らかに示した研究は、今回が初めてのものだ」と指摘する。その上で、「GDM女性の体重因子が出生児の体重に及ぼす影響については、今後、多施設からより多くの女性サンプルを集めた研究を行う必要がある」と述べている。

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  • 睡眠障害は慢性腎臓病進行のリスク因子か 睡眠の質と睡眠時間がCKD進行と関連

    日本人の慢性腎臓病(CKD)患者では、睡眠の質が悪く、睡眠時間が適切でないとCKDが進行し、透析導入に至るリスクが高い可能性があることが、大阪大学キャンパスライフ健康支援センター講師の山本陵平氏らの研究で明らかになった。日本では透析患者は増加の一途をたどり、医療費増大の一因になっている。同氏らは「CKD進行のリスク因子として睡眠障害の可能性にも注目すべきだ。睡眠障害を含む生活習慣の是正により、透析導入に至るCKD患者の抑制につながる可能性がある」と述べている。詳細は「Clinical Journal of American Society of Nephrology」12月号に掲載された。

     山本氏らは、2011年には同大学の職員約6,800人の健診データを用いた分析で、5時間以下の短時間睡眠が蛋白尿のリスク因子であることを報告している。その後、国内外の研究で、短時間睡眠などの睡眠障害はCKDのリスク因子であることが示されたが、保存期CKDの患者ではこれらの関連は明らかになっていなかった。そこで、山本氏らは、腎機能が低下しているCKD患者を対象に睡眠に関するアンケートを実施し、CKD進行と睡眠障害との関連を検討した。

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     対象は、国内多施設の外来CKD患者約3,000人を追跡しているCKD-JAC(Chronic Kidney Disease Japan Cohort)研究に参加し、研究開始時にピッツバーグ睡眠質問票に回答し、睡眠の質と睡眠時間を評価し得た患者1,601人。約4年間の追跡期間中の透析導入リスクを評価した。

     その結果、睡眠の質が正常な患者に比べて、質が低い患者は透析を導入するリスクが約1.3倍であることが分かった。また、睡眠時間が約7時間の患者と比べて、5時間以下の短時間睡眠の患者と、8時間を超える長時間睡眠の患者はそれぞれ、透析導入となるリスクが約2.1倍および約1.5倍であることも明らかになった。

     これらの結果を踏まえ、山本氏らは「睡眠の質が低いCKD患者と睡眠時間が適切でないCKD患者は、透析に至るリスクが高いことが明らかになった。睡眠障害の原因を特定し、適切な治療を行うことがCKD進行の抑制につながると期待できる」と結論づけている。また、諸外国と比較して日本人の睡眠時間は短いとされていることから、同氏らは「日本人の健康を増進し、医療費を削減するには、日常生活で十分な睡眠時間を確保することが重要だ」と述べている。

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    HealthDay News 2019年1月7日
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  • 自律神経が肝臓の再生促す仕組みを解明 マウス実験で、東北大

    肝臓が大きく傷害されると、自律神経による信号が肝臓内の免疫細胞を刺激して肝臓の再生を促す仕組みが働くことを突き止めた研究成果を、東北大学大学院糖尿病代謝内科学分野准教授の今井淳太氏らの研究グループが「Nature Communications」12月13日オンライン版に発表した。この仕組みを利用することで、意図的に肝臓の再生を促すことが可能になり、肝臓がんや肝障害の新しい治療法の開発につながるものと期待される。

     肝臓が大きく傷つけられると、早期から肝臓の再生が急速に進むことが知られている。しかし、この肝臓再生の意義やメカニズムについてはほとんど分かっていなかった。そこで、今井氏らはマウスの肝臓の70%を切除して重症の肝臓傷害を起こし、肝臓再生のメカニズムを探る実験を実施した。

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     その結果、脳からの自律神経による信号によって、肝臓の急速な再生を促すという仕組みを突き止めた。そのメカニズムは、まず、脳からの信号は、迷走神経と呼ばれる全身の臓器の働きを調節する自律神経を介して肝臓に届けられ、次に、迷走神経はアセチルコリンを分泌して肝臓内の免疫細胞(マクロファージ)を刺激して、インターロイキン6(IL-6)の分泌を促す。さらに、IL-6は肝臓細胞内のシグナル伝達経路(FoxM1経路)を活性化することで、肝臓の再生を促すというもの。肝臓内に多数あるマクロファージを刺激することで、神経信号を肝臓全体に波及させる仕組みが働いていると考えられるという。

     研究グループはマウス実験で、この脳からの信号がない状況では、重症肝臓傷害を起こしたマウスの生存率が低下することも見出した。さらに、この状態下でFoxM1経路を活性化させることで生存率の回復に成功した。

     これらの結果を踏まえ、今井氏らは「肝臓がんの外科手術では、がん細胞を含む正常な肝臓を、いかに広範囲に安全域を確保して切除できるかが再発予防に重要となる。今回明らかになった神経信号が肝臓再生を促す仕組みをコントロールすることで、より広範囲な肝臓がんの切除が可能になるだけでなく、肝臓の再生を促し、肝臓切除後の合併症を減らすことにつなげられる可能性もある」と述べている。

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    HealthDay News 2018年12月25日
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  • 活性型ビタミンDで透析患者の心血管疾患リスク低減せず 大阪市立大によるRCTで判明

    ビタミンD欠乏とさまざまな疾病が関連するため、ビタミンD補充による疾病予防効果の有無が注目されている。血液透析患者は、腎不全に伴うカルシウムやリン代謝異常から生じる骨病変を減らすため「活性型ビタミンD製剤」を服用することが多く、骨ミネラル代謝以外への効果もあると考えられていた。しかし、血液透析患者が活性型ビタミンD製剤を服用しても心血管疾患の発症リスクは低下しないことが、大阪市立大学大学院血管病態制御学研究教授の庄司哲雄氏らの研究グループの検討で明らかになった。日本人の透析患者を対象としたランダム化比較試験であるJ-DAVID試験の結果で、詳細は「Journal of the American Medical Association(JAMA)」12月11日オンライン版に掲載された。

     透析患者では、腎臓でビタミンDを活性化する機能が失われ、骨ミネラル代謝異常を生じ、心血管疾患リスクが高まることが知られている。観察研究では、透析患者が活性型ビタミンD製剤を服用すると、服用しない場合に比べて全死亡率や心血管疾患による死亡率、心血管疾患の発症率が低いとする報告が相次いでいる。そこで、庄司氏らは今回、日本の透析患者を対象に、活性型ビタミンD製剤の心血管疾患リスク低減効果を検討するため、ランダム化比較試験を実施した。

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     対象は、全国108施設から2008~2011年に登録した20歳代~80歳代の血液透析患者976人。二次性副甲状腺機能亢進症を有する患者は対象から除外し、副甲状腺ホルモン(PTH)が180pg/mL以下を呈する血液透析患者とした。対象患者を、活性型ビタミンD製剤(経口アルファカルシドール0.5μg/日;495人)服用群または同剤を服用しない従来治療を受ける対照群(481人)にオープンラベルでランダムに割り付けて、中央値で4年間追跡した。

     その結果、心筋梗塞、うっ血性心不全による入院、脳卒中、冠動脈血行再建術などの複合心血管イベントの発生率は、活性型ビタミンD製剤服用群の21.1%に対し、対照群では17.9%と両群間に有意差はみられず、むしろ服用群で高い傾向にあることが分かった。また、全死亡率についても両群間で有意な差は認められないことも明らかになった(18.2%対16.8%)。

     これまでの観察研究に基づいて、透析患者では、活性型ビタミンD製剤の服用により心血管疾患リスクは低減すると考えられてきた。そのため、庄司氏は「今回の結果は意外だった」と述べつつ、「PTH値の高い患者を対象から除外しているため、PTH高値の患者に対する活性型ビタミンD製剤投与の有用性を否定するものではない点に注意が必要だ」と指摘している。今後は活性型ビタミンD製剤の投与により心血管リスクが低下する患者と低下しない患者を事前に見分ける方法などについて、検討を進めたいとしている。

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    HealthDay News 2018年12月25日
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