• 旅行者の心筋梗塞、迅速治療が生存率向上の鍵 順天堂大静岡病院の研究グループ

    旅行中に心筋梗塞の症状が現れたら、すぐに救急車を呼べるように、緊急の電話番号を控えておいた方がよいようだ。旅行先で心筋梗塞を発症しても、迅速に治療を行えば長期生存率の向上につながることが、順天堂大学静岡病院循環器内科の西尾亮太氏らの研究から分かった。研究結果の詳細は、欧州心臓病学会(ESC)急性心血管治療会議(3月2~4日、スペイン・マラガ)で発表された。

    旅行者の自然死の主な原因は心血管疾患であるが、旅行中に心筋梗塞を発症した患者の長期予後については明らかになっていなかった。そこで、西尾氏らは今回、1999~2015年に同病院で、迅速な経皮的冠動脈インターベンション(PCI)によるステント留置を受けた心筋梗塞患者2,564人を対象に、最大で16年間追跡し、地域住民と旅行者の長期にわたる転帰を比較検討した。なお、同病院は、富士山に近い人気の観光地である伊豆半島に位置し、地域のPCI治療の中心を担っている。

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    対象者の7.5%(192人)が心筋梗塞発症時に旅行していた。分析の結果、心筋梗塞を発症した旅行者は、地域住民に比べて年齢が若く、ST上昇型心筋梗塞の有病率が高かったほか、心臓の主要な動脈が閉塞した重症度の高い患者が多いことが分かった。

    中央値で5.3年の追跡期間中、全死亡率は旅行者の16.7%に対し地域住民では25.4%と有意に高いことが明らかになった。地域住民ではがんによる死亡率が高かった。また、心臓を原因とした死亡率には、旅行者と地域住民の間で差はみられなかった。さらに、年齢や性、高血圧、糖尿病、脂質異常症、慢性腎臓病(CKD)、喫煙習慣、心筋梗塞の既往などで調整した解析でも、旅行者の心筋梗塞は、地域住民のものよりも長期にわたる全死亡リスクが42%低いことも分かった。

    今回の結果を踏まえ、西尾氏は「旅行や出張中に心筋梗塞を起こした場合でも、迅速に治療を受ければ長期的な転帰は良好であることが分かった。また、心筋梗塞から生還したら、生活習慣の改善や予防薬の服用など、どのように二次予防を行うべきかについて医師に確認することも重要だ」と述べている。

    また、心筋梗塞を発症した時点で高齢である人、心筋梗塞の既往やCKDがある人では、追跡期間中に死亡する確率が高いことも明らかになった。そのため、西尾氏は「これらのリスク因子がある人や、高血圧、喫煙習慣、肥満などの他のリスク因子がある人は、自宅でも旅行先でも緊急の電話番号を調べておく必要がある」と述べ、「旅行中に胸部や喉、首、背中、腹部、肩の痛みが15分以上続く心筋梗塞の症状が現れた場合には、躊躇せずにすぐ救急車を呼んで欲しい」と呼び掛けている。

    なお、学会で発表された研究結果は、査読つきの専門誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

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    HealthDay News 2019年3月11日
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  • 閉経後女性の血圧と糖脂質代謝改善に「カカオポリフェノール」が有効か 東京医大の研究グループ

     閉経後の日本人女性は、カカオポリフェノールを継続して摂取すると血圧とLDL-コレステロール(LDL-C)値が有意に低下するほか、インスリン抵抗性が改善する可能性があることが、東京医科大学循環器内科の椎名一紀氏らが実施したランダム化クロスオーバー試験で明らかになった。一方、この試験においては、カカオポリフェノールの効果には男女差がみられ、男性ではこうした効果はみられなかったという。詳細は「Hypertension Research」1月17日オンライン版に掲載された。

     椎名氏らは今回、糖尿病前症の45~69歳の男女22人(うち男性13人)を対象に、カカオポリフェノール抽出物の摂取による血圧や糖脂質代謝指標への影響を検討するため、プラセボ対照二重盲検デザインのランダム化クロスオーバー比較試験を実施した。

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     参加者を、まず、カカオポリフェノール抽出物を含有するタブレットを摂取する群またはカカオポリフェノールを含まないタブレットを摂取する群にランダムに割り付けて、4週間継続摂取してもらった。次に、タブレットを摂取しない2週間の間隔を空けた上で、カカオポリフェノール含有群と非含有群を入れ替えて、同様に4週間継続摂取してもらい、タブレットを摂取する前後の血圧と糖脂質代謝指標〔空腹時血糖値、インスリン値、インスリン抵抗性(HOMA-IR)、LDL-C値〕の変化を比較検討した。

     その結果、参加者全体の解析では、血圧と糖脂質代謝の指標に、カカオポリフェノール抽出物の摂取の有無で有意な差は認められなかった。一方、閉経後女性に限定して解析した結果、カカオポリフェノールの摂取後には、摂取前に比べてインスリン抵抗性が改善する傾向が認められた。また、こうした女性では、カカオポリフェノール摂取後に、最高血圧と最低血圧およびLDL-C値が摂取前よりも有意に低下することも明らかになった。

     なお、このタブレットは、2014年に愛知県蒲郡市と愛知学院大学、株式会社 明治が実施した臨床試験を参考にして、カカオ分が70%以上の高カカオチョコレート25 gと同等になるカカオポリフェノールの主要成分を含むように調製した。

     以上の結果から、椎名氏らは「カカオポリフェノールの継続摂取は、閉経後女性における糖代謝を改善する可能性があるほか、血圧と悪玉コレステロールの改善効果が認められた」と結論づけている。

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    HealthDay News 2019年3月11日
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  • 日本腎臓学会と日本糖尿病学会が専門医間の紹介基準を公表

    日本腎臓学会と日本糖尿病学会はこのほど、専門医間の紹介基準を作成し、それぞれの学会ホームページで公表した。両学会は2018年2月に、かかりつけ医から専門医、専門医療機関への紹介基準を発表している。両学会は合同で「STOP-CKD宣言」を採択し、同基準を活用して専門医間の連携を密にすることで、糖尿病性腎臓病への対策を強化していくとしている。

    腎臓専門医から糖尿病専門医への紹介基準は、「糖尿病治療の大幅な変更等が望まれる場合」と「糖尿病専門医による糖尿病の継続管理が望ましいと考えられる場合」に大きく分けて記している。前者では、(1)血糖コントロール不良が一定期間持続する場合(HbA1c 8.0%以上、高齢者ではHbA1c 8.5%以上が3カ月以上持続することが目安)、(2)糖尿病治療の見直しを要する場合(腎機能低下に伴う薬剤効果増強による低血糖を予防する場合など)、(3)糖尿病急性増悪の場合もしくは急性合併症-といった5項目が挙げられている。糖尿病専門医に紹介後は、診断結果に応じて併診あるいは腎臓専門医での治療を継続する。

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    また、後者では、1型糖尿病や低血糖を頻回に繰り返すなど、内因性インスリン分泌が高度に枯渇している可能性がある場合とし、紹介後は両専門医による継続的な併診加療を含めて検討するとしている。

    一方、糖尿病専門医から腎臓専門医への紹介基準は、「腎臓専門医による腎疾患の鑑別を目的とした場合」と「腎臓専門医による継続管理を目的とした場合」に大別。前者では、糖尿病網膜症を伴わない0.5g/gCr以上の尿蛋白、顕性蛋白尿を伴わない腎機能低下、3カ月以内に推算糸球体濾過量(eGFR)が30%以上低下する急速な腎機能低下など5項目を挙げ、紹介後は、診断結果に応じて併診あるいは糖尿病専門医での治療を継続する。

    また、後者では、保存期腎不全(eGFR 30mL/分/1.73m2未満)、ネフローゼ症候群など6項目を挙げ、紹介後は腎臓専門医での継続管理あるいは糖尿病専門医との併診加療を含めて検討するとしている。

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    糖尿病の3大合併症として知られる、『糖尿病性腎症』。この病気は現在、透析治療を受けている患者さんの原因疾患・第一位でもあり、治療せずに悪化すると腎不全などのリスクも。この記事では糖尿病性腎病を早期発見・早期治療するための手段として、簡易的なセルフチェックや体の症状について紹介していきます。

    糖尿病性腎症リスクを体の症状からセルフチェック!

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    HealthDay News 2019年3月4日
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  • 中年期以降の血糖値の急上昇で脳心血管疾患リスク増 国循研究チーム

    日本人は、加齢とともに空腹時血糖値が大きく上昇すると脳卒中や冠動脈疾患の発症リスクが高まることが、国立循環器病研究センター(大阪府)予防健診部部長の宮本恵宏氏らの研究チームの検討で分かった。一方、男性では、中年期の空腹時血糖値が高くても、血糖値を適切にコントロールすれば脳心血管疾患リスクは低下することも明らかになった。研究の詳細は「Journal of American Heart Association」1月28日号に掲載された。

    これまでの研究で、高血糖は冠動脈疾患と脳卒中のリスク因子であることが報告されている。しかし、空腹時血糖値の経時的変化と脳心血管疾患の発症の関連については、ほとんど検討されていなかった。

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    宮本氏らは今回、同センターが1989年から実施しているコホート研究「吹田研究」のデータを用いて、男性3,120人と女性3,482人の計6,602人の地域住民を対象に、1989年から2013年の間の脳心血管イベント(脳卒中および冠動脈疾患)の発症と空腹時血糖値の関連を調べた。空腹時血糖値は2年ごとに測定し、統計モデルの一種(joint latent class mixed model)を用いて空腹時血糖値の経時的変化を分類し、男性では3パターン、女性では2パターンを同定した。

    追跡期間の中央値は男性が17.2年、女性が20.2年であり、それぞれ356人および243人が脳心血管イベントを発症した。解析の結果、男性の中でも空腹時血糖値が経時的に大きく上昇した群では脳心血管疾患の発症率が高かったが、中年期に空腹時血糖値が高くても、その後、血糖値を適切にコントロールできた群ではこれらの発症率は低下したことが分かった。

    一方、女性では、空腹時血糖値が経時的に大きく上昇した群では、血糖値の上昇が緩やかだった群に比べて、脳心血管疾患の発症率はやや高い傾向がみられた。

    以上の結果から、研究チームは「加齢とともに血糖値が上昇すると脳心血管疾患リスクが高まるとする、これまでの研究結果が裏付けられた。一方で、中年期に血糖値を適切に管理できれば、その後の脳心血管疾患リスクは抑えられる可能性も示唆された」と述べている。

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    糖尿病でいちばん恐ろしいのが、全身に現れる様々な合併症。深刻化を食い止め、合併症を発症しないためには、早期発見・早期治療がカギとなります。今回は糖尿病が疑われる症状から、その危険性を簡単にセルフチェックする方法をご紹介します。

    糖尿病のセルフチェックに関連する基本情報

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    HealthDay News 2019年3月4日
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  • 中年期のHDL-C高値で認知症リスク減 JPHC研究

    中年期にHDL-コレステロール(HDL-C)値が高いと、後年に軽度認知障害(MCI)や認知症を発症するリスクは低い可能性があることが、国立がん研究センターなどの多目的コホート(JPHC)研究で示された。詳細は「Translational Psychiatry」1月18日オンライン版に掲載された。

     これまでの研究で、認知症の3分の1はリスク因子を修正することで発症を予防できると考えられている。また、中年期のHDL-C値はMCIや認知症を早期発見する予測因子として注目されているが、これらの関連は明らかになっていなかった。研究グループは今回、JPHC研究に参加した40~59歳の男女約1,100人を長期にわたり前向きに追跡したデータを用いて、これらの関連を検討した。

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     研究では、ベースラインとした1990年に長野県佐久地域に在住していた40~59歳の男女約1万2,000人のうち、1995~1996年の健診でHDL-Cを測定し、かつ2014~2015年に実施した「こころの検診」に参加した1,114人を対象とした。

     「こころの検診」時に、対象者のうち386人がMCI、53人が認知症と診断された。対象者をHDL-C値で4群に分け、喫煙や飲酒などのリスク因子で調整して解析した結果、MCIリスクは、HDL-C値が最も低い群を基準として最も高い群で53%低下したことが分かった(オッズ比0.47、95%信頼区間0.28~0.79)。また、症例数が少なかった認知症については、HDL-C値が最も低い群とそれ以外の3群をまとめた群で比較したところ、認知症リスクは、基準以外の群では63%低下したことが明らかになった(同0.37、0.16~0.88)。

     研究グループは、認知機能の改善に関与する遺伝子がHDL-C値の上昇と関連することや、HDL-C高値は認知機能の低下につながる脳梗塞の発症予防に有用とする報告があると指摘。その上で、「今回の研究から、中年期のHDL-C値は約20年後の認知機能と関連する可能性が示された。また、認知症リスクはHDL-C値が2番目に高い群でも低下していたことから、HDL-C値が低い人は、適度な運動や適量飲酒、禁煙などでHDL-C値を高めるような生活習慣に改善すると認知症予防につながる可能性が示された」と述べている。

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    軽度認知障害を予防し認知症への移行を防ぐためには早期発見、早期予防が重要なポイントとなります。そこで、今回は認知症や軽度認知障害(MCI)を早期発見できる認知度簡易セルフチェックをご紹介します。

    軽度認知障害(MCI)のリスクをセルフチェックしてみよう!

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    HealthDay News 2019年2月25日
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  • 急性心筋梗塞後の正しい運動の継続で腎機能が改善 東北大

    急性心筋梗塞(AMI)で入院中も適度な運動を行うと、腎機能の低下を防げる可能性があることが、東北大学大学院内部障害学分野教授の上月正博氏と佐藤聡見氏らの研究で明らかになった。AMI発症後の身体活動量が多い患者では、腎機能の指標とされる推算糸球体濾過量(eGFR)の値が有意に増加し、身体活動量が少ない患者よりも腎機能が保たれていることが分かった。同氏らは「AMI後の腎機能を維持または改善させるには、退院後も心臓リハビリテーションの運動療法を、自主的にきちんと続けることが重要な鍵となる」との見方を示している。詳細は「PLOS ONE」2月19日オンライン版に掲載された。

    これまでの研究で、AMIを発症後には腎機能が低下しやすいほか、AMI患者が腎機能障害を来すと生存率の悪化につながることが報告されている。そのため、AMI患者の腎機能を保ち、改善する治療法の確立が求められている中、近年では、AMI発症後に自転車エルゴメーターなどの運動療法を実施すると腎機能が維持されるとの報告もみられている。そこで、上月氏らは今回、運動療法の腎保護効果に着目。AMI発症後の身体活動量と腎機能の変化との関連を前向きに調べる観察研究を実施した。

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    対象は、AMIを発症後、経皮的冠動脈形成術と入院中の包括的な心臓リハビリテーション(運動療法と食事療法、服薬・禁煙指導、患者教育で構成)を実施した患者41人(平均年齢67.5±12.6歳、男性35人)。退院後3カ月間の身体活動量を評価し、eGFRの変化との関連を調べた。身体活動量の指標には、活動量計で記録した1日の歩数を用いた。

    対象患者を1日の歩数が少ない群(1日当たり平均2,335歩;21人)と歩数が多い群(同7,102歩;20人)に分けてeGFR値を比較検討した。その結果、歩数が多い群では、ベースラインから3カ月後までにeGFR値が有意に増加したが(76.5±13.8mL/分/1.73m2→83.2±16.0mL/分/1.73m2、Q=0.004)、歩数が少ない群では有意な変化はみられず、むしろ低下する傾向が認められた(65.1±15.9mL/分/1.73m2→62.2±20.2mL/分/1.73m2、Q=0.125)。

    また、年齢や血圧、血糖など複数因子で調整して解析した結果、身体活動量とeGFRの変化との間には有意な関連が認められることも明らかになった(P=0.003)。

    上月氏らによれば、AMI患者は退院後には、さまざまな理由で外来の心臓リハビリテーションに通う患者の割合はきわめて低く、退院後はウォーキングなどの運動を自己管理で継続している患者が多いという。今回の結果を受け、同氏らは「AMI後の腎機能低下を抑えるには、退院後も入院中に行った心臓リハビリテーションの運動療法を、自主的にきちんと続けることが重要な可能性が示唆された」と結論づけている。

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  • 高齢者の6割以上が3疾患を併存 東京都内の高齢者データを分析

    東京都内に住む75歳以上の高齢者約131万人のうち、約8割以上が2疾患以上の慢性疾患を併存し、約6割以上が3疾患以上を併存していることが、東京都健康長寿医療センター研究所の石崎達郎氏(研究部長)らの調査で明らかになった。詳細は、米疾病対策センター(CDC)が発行する「Preventing Chronic Disease」1月31日号に掲載された。

     2つ以上の併存疾患を有する患者の治療は複雑になりやすく、健康上の転帰に影響を及ぼすと考えられている。特に高齢者では、複数疾患の併存は身体機能やQOL(生活の質)、生存率の低下につながる可能性がある。しかし、現行の診療ガイドラインでは、多疾患を併存する高齢患者に対する対応が十分ではなく、特に3疾患以上の組み合わせに着目した研究データは不足している。

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     そこで、石崎氏らは、東京都に在住の75歳以上の高齢者131万1,116人分の診療報酬明細書(レセプト;2013年9月~2014年8月)データを用いて、併存疾患の実態や頻度の高い3疾患の組み合わせ、多疾患併存に関連する因子について分析した。対象者の平均年齢は81.3歳で、女性が61.5%であった。

     その結果、高齢者の80.2%は2疾患以上の慢性疾患を併存し、65%は3疾患以上を併存していることが分かった。併存する慢性疾患の平均数は、男性が6.2~6.8、女性が6.0~6.5であった。

     最も頻度が高い3疾患の組み合わせは、男性では「高血圧+冠動脈疾患+潰瘍性疾患」(12.4%)、女性では「高血圧+脂質異常症+潰瘍性疾患」(12.8%)であった。男性では「高血圧+脂質異常症+潰瘍性疾患」(11.0%)、女性では「高血圧+潰瘍性疾患+脊椎/関節疾患」(11.2%)が続いた。また、3疾患の組み合わせのうち1年間の平均外来医療費が最も高かったのは、男性では「高血圧+潰瘍性疾患+がん」(82万7,644円、7位、7.6%)、次いで「高血圧+潰瘍性疾患+脊椎/関節疾患」(76万2,176円、10位、7.4%)であり、女性では「高血圧+潰瘍性疾患+不眠症」(68万2,811円、6位、8.0%)、次いで「高血圧+潰瘍性疾患+脊椎/関節疾患」(67万4,710円、2位、11.2%)であった。

     さらに、3疾患以上の慢性疾患を抱えやすい高齢患者の特徴として、男性、85~90歳、在宅医療サービスの利用、外来受診した施設数が多いこと、入院回数が多いことが挙げられた。

     以上の結果から、石崎氏らは「約131万人の東京都内の後期高齢者では約8割は2疾患以上、約6割は3疾患以上の慢性疾患を併存していることが明らかになった。このことは、高齢者を対象とする診療ガイドラインでは複数疾患の併存を考慮することが必要であることを示している」と述べている。その上で、今回示された高頻度の疾患の組み合わせや多疾患併存に関連する因子の情報は、ガイドラインを策定する際に参考になると期待を示している。

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  • 2型糖尿病患者の「血糖・血圧・脂質」値に季節変動 JDDM研究データを分析

    日本人の2型糖尿病患者を対象に調査した結果、HbA1c、血圧、脂質の管理目標達成率には季節変動がみられることが、東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科准教授の坂本昌也氏らの研究グループの検討で分かった。いずれの指標も、達成率は冬季(12月~翌年2月)よりも夏季(6~8月)の方が高かったという。研究の詳細は「Diabetes Care」2月10日オンライン版に掲載された。

     2型糖尿病治療の目的は、主に心血管イベントの予防と糖尿病の進展抑制であるが、目標を達成するには血糖値だけでなく血圧や脂質のコントロールが不可欠である。しかし、これまで実施された大規模臨床試験では、これらの管理目標値を同じように達成しても、心血管イベントの抑制効果は一致した結果が得られていない。

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     坂本氏らは、その要因の一つとしてHbA1c、血圧、脂質の測定値に季節変動がみられる点に着目。日本全国の糖尿病専門病院およびクリニックが参加した糖尿病データマネジメント研究会(JDDM)による多施設共同研究のデータを用いて、HbA1c、血圧、LDL-コレステロール(LDL-C)の管理目標達成率の季節変動に影響する要因を調査した。

     対象は、JDDMによる多施設共同研究に参加した日本全国の2型糖尿病患者10万4,601人のうち、2013~2014年の2年間にHbA1cおよび血圧、LDL-Cを12回以上測定した患者4,678人(平均年齢61.3歳)。管理目標値は、HbA1c値が7%未満、血圧値が130/80mmHg未満、LDL-C値が100mg/dL未満と定義した。

     その結果、3項目全て、あるいはHbA1c、血圧、LDL-Cそれぞれの目標達成率には季節変動がみられ、いずれも夏季に対し冬季の方が低いことが分かった〔3項目全て達成した割合は、夏季15.6%に対し冬季は9.6%、HbA1c値では各53.1%、48.9%、収縮期血圧(SBP)値では各56.6%、40.9%、LDL-C値では各50.8%、47.2%〕。夏季と冬季の目標達成率の差はSBP値が最も大きかった。

     多変量回帰分析により、目標達成率の低下に影響する因子を調べた結果、冬季には「BMI 25以上」および「糖尿病罹病期間10年以上」の人でHbA1cの目標達成率が低下し、「65歳以上」の人でSBP達成率が低下することが明らかになった。さらに、季節にかかわらず、インスリンおよびスルホニル尿素(SU)薬の使用は3項目全ての目標達成率の低下と関連していた。

     以上の結果から、坂本氏らは「2型糖尿病患者のHbA1c、血圧、脂質の管理目標達成率には季節変動がみられることが分かった。日常診療で2型糖尿病を管理する際には、これら3つの指標の季節変動を考慮する必要がある」と結論。その上で、「冬季にこれらの指標の管理を強化することは、心血管イベント予防につながる可能性がある」と述べている。

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    糖尿病のセルフチェックに関連する基本情報

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  • 若年期のわずかなBMI上昇で中年期の糖尿病リスク増 順天堂大

    たとえ適正範囲内であっても、20歳頃に体格指数(BMI)がわずかでも高いと中年期に2型糖尿病になりやすい可能性があると、順天堂大学大学院スポートロジーセンターの染谷由希氏らの研究グループが「PLOS ONE」1月24日オンライン版に発表した。BMIが22~23kg/m2の適正範囲内であっても、21kg/m2未満の場合に比べて中年期に2型糖尿病を発症するリスクは2倍以上に高まることが分かったという。

     アジア圏の成人では、BMIが25kg/m2未満の適正体重であっても2型糖尿病の発症率が高いとされる。特に中年期のBMIのわずかな増加は、2型糖尿病のリスク因子であることが示されている。染谷氏らは今回、同大学の男子学生を長期にわたり追跡したコホートデータを用いて、若年期のわずかなBMIの増加と中年期以降の糖尿病発症との関連について調査を実施した。

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     対象は、同大学体育学部(現スポーツ健康科学部)の卒業生で、順天堂大学同窓生研究(Juntendo University Alumni Study)に参加した男性636人。1971~1991年に卒業し、2007~2017年に行った追跡調査に回答した者とした。対象者を在学中のBMIで4つの群(21kg/m2未満群、21kg/m2以上22kg/m2未満群、22kg/m2以上23kg/m2未満群、23kg/m2以上群)に分けて、追跡調査時の2型糖尿病の発症率との関連を調べた。

     追跡期間は中央値で32年であった(2万983人年)。対象とした学生の卒業時の年齢(中央値)は22歳で、追跡終了時には55歳であった。追跡期間中に56人が2型糖尿病を発症した。

     解析の結果、BMI区分(21kg/m2未満群、21kg/m2以上22kg/m2未満群、22kg/m2以上23kg/m2未満群、23kg/m2以上群)が高まるほど、2型糖尿病の発症率は上昇することが分かった(各群4.4%、7.6%、10.5%、11.3%)。また、BMI 21kg/m2未満群と比較した2型糖尿病リスクは、21kg/m2以上22kg/m2未満群では1.77倍、22kg/m2以上23kg/m2未満群では2.42倍、23kg/m2以上群では2.53倍と、適正体重の範囲内でもBMIがわずかに上昇するだけで、中年期の2型糖尿病リスクは約2倍に上ることが明らかになった(トレンド検定P=0.03)。

     染谷氏らは「大学時代にBMIが適正範囲内でも、その後の糖尿病リスクが増加した機序は明らかではないが、日本人はBMIが同じでも欧米人と比べて体脂肪や内臓脂肪量が多く、太っていなくてもわずかなBMIの増加でインスリン抵抗性になりやすいことが耐糖能異常につながっている可能性がある」と説明している。これらの結果を踏まえて、「20歳頃の若年期にBMIが22kg/m2を超えることは、将来2型糖尿病を発症する重要なリスク因子となり得ることが示唆された」と結論づけている。

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    肥満という言葉を耳にして、あなたはどんなイメージを抱くでしょうか?
    今回は肥満が原因となる疾患『肥満症』の危険度をセルフチェックする方法と一般的な肥満との違いについて解説していきます。

    肥満症の危険度をセルフチェック!一般的な肥満との違いは?

    参考情報:リンク先
    HealthDay News 2019年2月12日
    Copyright c 2019 HealthDay. All rights reserved.
    SMTによる記事情報は、治療の正確性や安全性を保証するものではありません。
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  • 高血糖が高齢日本人男性の骨折リスク上昇と関連 地域住民を対象に分析、近畿大

    血糖値が高い日本人の高齢男性は、血糖値が正常な男性に比べて骨粗鬆症性骨折リスクが約2倍に高まることが、近畿大学医学部公衆衛生学教授の伊木雅之氏らの検討で明らかになった。血糖値が前糖尿病の段階であっても、高齢男性では骨折リスクが高まる可能性があるという。研究の詳細は「Bone」1月5日オンライン版に掲載された。

     2型糖尿病患者は骨折リスクが高いとされるが、一般集団を対象に血糖値と骨折リスクとの関連を調べた研究は限られている。伊木氏らの研究グループは今回、地域在住の日本人の高齢男性を対象に、血糖値と骨折リスクとの関連を調べる前向き観察研究を実施した。

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     対象は、藤原京スタディ男性骨粗鬆症コホート研究(Fujiwara-kyo Osteoporosis Risk in Men cohort study)に参加し、ベースライン時に空腹時血糖(FPG)値およびHbA1c値、骨密度を測定し、病歴に関する質問票調査に回答した65歳以上の男性1,951人。1型糖尿病患者やチアゾリジン系薬の服用歴がある患者は解析から除外した。対象男性を5年間追跡し、骨粗鬆症性骨折の発生を観察した。椎体、大腿骨近位部、上腕骨近位部または橈骨遠位部の主要骨粗鬆症性骨折も検討した。なお、ベースライン時には200人が2型糖尿病と診断されていた。

     その結果、インスリン使用などを含む交絡因子を調整しても、正常血糖の男性と比べて、血糖値が糖尿病レベルまで上昇している男性では骨粗鬆症性骨折リスクが高いことが分かった(FPG値126mg/dL以上の場合には2.76倍、HbA1c値6.5%以上の場合には2.49倍)。また、HbA1c値が5.7%以上6.5%未満の前糖尿病の段階であっても、正常血糖の男性と比べて主要骨粗鬆症性骨折のリスクは2.15倍に高まることが示された。一方、糖尿病と診断されている者では有意な骨折リスクの上昇は観察されず、骨折予防には血糖値のコントロールが重要であると考えられた。

     伊木氏らは「高齢の日本人男性では、血糖値と骨折リスクの上昇との間には直線的な関係がみられ、糖尿病治療薬を使用している男性を解析から除いても結果は有意であり続けた」と述べ、「2型糖尿病と診断されるレベルではなくても、血糖値が高い高齢男性では骨粗鬆症性骨折リスクが上昇している可能性がある」と結論づけている。

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    糖尿病でいちばん恐ろしいのが、全身に現れる様々な合併症。深刻化を食い止め、合併症を発症しないためには、早期発見・早期治療がカギとなります。今回は糖尿病が疑われる症状から、その危険性を簡単にセルフチェックする方法をご紹介します。

    糖尿病のセルフチェックに関連する基本情報

    参考情報:リンク先
    HealthDay News 2019年2月12日
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