• 夕食から就寝までの時間はHbA1c値に影響しない? 中高年の日本人男女で分析、岡山大

    中年期以降の日本人は、夕食から2時間以内に就寝してもHbA1c値に影響はみられないとする研究結果を、岡山大学大学院保健学研究科看護学分野准教授の芳我ちより氏らの研究グループが「BMJ Nutrition, Prevention & Health」1月21日オンライン版に発表した。HbA1c値の変化には、BMI高値やトリグリセライド値、血圧値、運動や喫煙、飲酒の習慣による影響の方が大きかったという。

     健康的な食事習慣として、一般的に就寝の2時間前には夕食を済ませておくことが推奨されている。しかし、夕食から就寝までの時間がHbA1c値に与える影響については明らかになっていなかった。そこで、芳我氏らは今回、中高年の日本人男女を対象に、夕食から就寝までの時間が2時間以内だった場合のHbA1c値への影響を調べるため、コホート研究を実施した。

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     この研究は、岡山県で2012年4月から2014年3月にかけて実施した特定健診データを用いたもの。対象は、2012年のベースライン時に、糖尿病前症および糖尿病ではなかった国保被保険者の40~74歳の男女1,573人(男性が597人、女性が994人、平均年齢は男性が65.0歳、女性が64.8歳)。質問票への回答に基づいて夕食から就寝までの時間を評価し、2014年まで追跡してHbA1c値の変化に対する影響を分析した。

     平均HbA1c値の推移をみると、2012年には5.2%だったが、2013年には5.58%へと上昇し、2014年には5.58%と維持されていた。また、ベースライン時には、男性の16.1%(83人)と女性の7.5%(70人)が、夕食から2時間以内に就寝する習慣があった。

     解析の結果、夕食から2時間以内に就寝する習慣があっても、男女ともにHbA1c値の上昇に対する影響はみられないことが分かった。一方で、HbA1c値の変化には、喫煙習慣(P=0.013)とアルコール摂取量(P=0.010)、BMI高値(P<0.001)が影響した可能性が示された。

     これらの結果を踏まえ、芳我氏らは「調査対象のサンプルバイアスによる限界はあるが、一般に考えられるのとは逆に、夕食から2時間以内に就寝してもHbA1c値の変化に影響をもたらさない可能性が示された」と結論。その上で、「ただでさえ睡眠時間が短い日本人にとって、夕食後の眠気を我慢してまでも就寝時刻を遅くする必要はないことが明らかになれば、有用な新常識となりうる。また、血糖値などの糖代謝を改善するには、食生活の改善や十分な睡眠、適度な運動、禁煙や適量の飲酒などを習慣づける方が重要な役割を担っている可能性がある」と述べている。

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    HealthDay News 2019年1月24日
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  • 外来受診時の食後高血糖はがん死亡の予測因子か 日本人2型糖尿病患者を対象に分析

    外来受診時の食後2時間血糖値による食後高血糖は、HbA1c値とは関係なく、2型糖尿病患者の全死亡およびがん死亡の予測因子である可能性があることが、朝日生命成人病研究所(東京都)の高尾淑子氏らの研究グループの検討で分かった。詳細は「Diabetes Research and Clinical Practice」2月号に掲載された。

     これまでの研究で、食後高血糖は全死亡率および心血管死亡率、CVDの発症率の上昇や糖尿病網膜症の進行と関連する可能性が報告されている。また、高尾氏らが2型糖尿病を対象に実施した以前の観察研究では、食後高血糖はCVD発症率および全死亡率の上昇と関連することが示唆されている。一方、2型糖尿病患者を対象に、食後高血糖とがんによる死亡との関連を調べた疫学研究はほとんどなかった。

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     高尾氏らは今回、日本人の2型糖尿病患者の実臨床データを用いた後ろ向きのコホート研究を実施し、外来受診時の食後高血糖がHbA1c値とは無関係に、全死亡およびがんによる死亡と関連するか否かを検討した。また、死亡時の年齢についても調査した。

     研究では、1995~1998年に同研究所附属病院を初めて受診し、その後1年以上継続して受診した2型糖尿病患者1,582人を対象に、2017年まで追跡を実施した。対象者のうち、初診から1年以内に朝食後の2時間血糖値を測定した患者は926人であった。また、初診から3年以内に食後2時間血糖値を1回以上測定した患者は1,088人であった。

     中央値で19.4年の追跡期間中に、計233人の患者が死亡した。死亡時の平均年齢は、男性が75.6±10.5歳、女性が80.8±8.5歳であった。また、食後2時間血糖値を測定した926人の患者のうち139人が死亡し、そのうち46人はがんによる死亡であった。同様に、1,088人中169人が死亡し、そのうち57人ががんにより死亡した。

     多変量Cox回帰分析の結果、初診から1年以内に測定した初回の食後2時間血糖値と、初診から3年以内に測定した食後2時間血糖値の平均値はいずれも、HbA1c値とは無関係に、全死亡およびがんによる死亡の有意な予測因子であることが分かった。

     以上の結果から、高尾氏らは「外来受診時の食後高血糖は、HbA1c値とは独立して2型糖尿病患者の全死亡およびがんによる死亡と関連する可能性がある。また、2型糖尿病患者の死亡年齢は、糖尿病のない人に近づいてきている可能性も示された」と結論。ただし、この研究は小規模な観察研究であるため、確証を得るには今後さらなる研究を重ねる必要があると付け加えている。

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    HealthDay News 2019年2月4日
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  • 沖縄野菜は心筋梗塞や脳卒中予防に有用か? 約1万6千人の日本人男女を解析、JPHC研究

    ゴーヤに代表される沖縄野菜はビタミンやミネラル、葉酸など栄養価が高いことで知られている。しかし、沖縄野菜を多く摂取しても、心筋梗塞と脳卒中の予防効果は期待できない可能性があることが、国立がん研究センターなどの多目的コホート(JPHC)研究で示された。詳細は「Journal of Epidemiology」1月12日オンライン版に掲載された。

     これまで沖縄野菜の摂取量と心筋梗塞や脳卒中の発症との関連を検討した大規模な追跡調査は、ほとんど行われていなかった。研究グループは今回、JPHC研究に参加した40歳以上の男女約1万6,000人を長期にわたり前向きに追跡したデータを用いて、これらの関連を検討する研究を実施した。

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     研究では、ベースライン時とした1995年に沖縄県中部に、1998年に沖縄県宮古の2地域に在住し、心筋梗塞や脳卒中などの循環器疾患とがんの既往がない45~74歳の男女1万6,498人を対象に、2012年まで追跡した。ベースライン時の138項目の食物摂取頻度調査票への回答から、参加者の7種類の沖縄野菜(チンゲン菜、からし菜、ゴーヤ、フダンソウ、ヘチマ、ヨモギ、パパイヤ)の摂取量を評価。参加者を沖縄野菜の摂取量で3つの群に分けた上で、心筋梗塞と脳卒中の発症率を比較検討した。

     約13年の追跡期間中に、839人が脳卒中を発症し、197人が心筋梗塞などの虚血性心疾患を発症した。年齢や性、飲酒や喫煙などの生活習慣などで調整した解析でも、沖縄野菜の摂取量と心筋梗塞および脳卒中の発症率との間に有意な関連はみられないことが分かった(最も少ない群と比べて最も多い群のハザード比は1.09、95%信頼区間0.93~1.29、P=0.289)。また、沖縄野菜の種類別に解析しても、同様にこれらの間に有意な関連はみられなかった。

     以上の結果を踏まえ、研究グループは「沖縄野菜の摂取量は、心筋梗塞や脳卒中の発症リスクと関連しないことが分かった」と結論づけている。一方、研究グループは「今回の研究では、摂取量が最も少なかった群でも比較的多く摂取しており、このことが原因でグループ間の差がみえにくくなった可能性がある」と指摘。また、沖縄野菜の摂取量の評価も妥当性が十分ではなかったことも、原因として考えられるとしている。

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    HealthDay News 2019年1月28日
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