• テレビの健康番組を見る高齢女性は死亡リスクが低い? 東大研究グループ

    テレビの健康番組を見る高齢女性は、そうでない女性に比べて死亡率が10%低いことが、東京大学客員研究員の佐藤豪竜氏らが実施した研究で示された。一方、高齢の男性、活字メディアやインターネットから得た健康情報については、こうした関連は見られなかったという。研究の詳細は「Social Science & Medicine」1月号に掲載された。

     健康情報への一般の高い関心を受け、現在では、新聞や雑誌の記事、テレビ番組、インターネット、友人や知人など幅広い情報源から多くの情報を得ることができる。これまでの研究で、健康情報に接することで健康的な食習慣に変えたり、禁煙したり、医療機関を受診するといった行動変容がもたらされることが知られている。しかし、健康情報と死亡率との関連を明らかにした研究は行われていなかった。

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     佐藤氏らは今回、2013年に実施された日本老年学的評価研究(JAGES)に参加した65歳以上の男女1万8,242人(男性8,544人、女性9,698人)を3年間追跡したデータを用いて、メディアごとの健康情報の入手状況と死亡率との関連について調べた。参加者には、過去1カ月以内に(1)テレビのニュース番組、(2)テレビの情報番組、(3)新聞や一般雑誌の記事、(4)健康や医療について特集した雑誌、(5)行政からのお知らせ、(6)インターネットといった情報源別に、健康情報を入手したか否かを尋ねた。なお、参加者は全員、要介護認定を受けていなかった。

     平均3.2年間の追跡期間中に、956人が死亡していた。情報源を「テレビ番組」「新聞や雑誌などの活字メディア」「インターネット」の3タイプに分けて分析した結果、テレビ番組から健康情報を入手していた女性では、そうでない女性に比べて死亡率が10%低いことが分かった(ハザード比0.90、95%信頼区間0.83~0.98)。一方、男性やその他のメディアに関しては、健康情報の入手と死亡率との間に有意な関連は認められなかった。なお、分析では2013年時点の人口統計学的要因や社会経済的要因、健康状態、健康的な生活習慣の影響を考慮した。

     佐藤氏らは、この研究結果は健康番組を見ると死亡率が下がるという因果関係を証明するものではないことに留意すべきとしながらも、「テレビの健康番組を見る傾向がある高齢の女性は死亡率が低いことが示された」と結論づけ、健康番組などの情報の精度を向上させることが必要ではないかと述べている。

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    HealthDay News 2019年3月18日
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  • 男性は健康で適正体重でも軽度の代謝異常に注意 順天堂大の研究グループ

    日本人男性は、健康で適正体重であっても、皮下脂肪組織を貯蔵する能力が低下し、軽度の代謝異常を来している人がいることが、順天堂大学大学院代謝内分泌内科学・スポートロジーセンター准教授の田村好史氏らの検討で明らかになった。アジア人は太っていなくても生活習慣病になる人が多く、この結果は、そのメカニズムの一端を説明するものだという。詳細は「Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism」1月23日オンライン版に掲載された。

     肥満の人では、過食や運動不足などにより脂質を蓄える皮下脂肪組織が限界量に達すると、遊離脂肪酸としてあふれ出し(「リピッドスピルオーバー」と呼ぶ)、肝臓や骨格筋に異所性脂肪として蓄積される。こうした現象は、糖尿病やメタボリックシンドロームの原因となるインスリン抵抗性を引き起こすと考えられている。しかし、アジア人では、BMI 25 kg/m2未満の非肥満でも代謝異常になりやすい。その原因として、皮下脂肪に脂肪を十分に貯蔵できず、リピッドスピルオーバーを起こしやすい可能性が示唆されているが、詳細は明らかになっていない。

     田村氏らの研究グループは今回、適正体重(BMIが21~25 kg/m2)で心血管代謝リスク因子(高血糖、脂質異常症、高血圧のいずれか)を有さない健康な男性52人を対象に、全身の代謝状態や脂肪分布を詳細に調べた。

     脂肪、肝臓および骨格筋のインスリン抵抗性は、2-ステップ高インスリン正常血糖クランプ法を用いて測定した。同氏らによれば、この検査法は1人に約10時間の計測時間を要する大がかりなもので、非肥満の健康な男性50人以上を対象に測定した研究は世界でも前例がないという。また、リピッドスピルオーバーの指標として、インスリンによる血中の遊離脂肪酸濃度の変化も評価した。

     その結果、肥満がなく健康な男性でも、インスリンによる血中の遊離脂肪酸濃度には個人差が大きく、肥満者と同様に、血中の遊離脂肪酸濃度が低下しにくい人(脂肪組織のインスリン感受性が低下している人)が存在することが明らかになった。

     そこで、脂肪組織のインスリン感受性が高い人と低い人の2群に分けて特徴を比較したところ、インスリン感受性が高い群に比べて低い群では、体脂肪率は高く(22.1%対18.6%)、腹部皮下脂肪は37%多く、体力レベルは11%低く、日常生活の活動量は24%少なかった。また、インスリン感受性が低い群では、採血検査の結果は正常範囲でも、中性脂肪が高く(121.7mg/dL対89.4mg/dL)、HDLコレステロール値が低く(54.2mg/dL対63.1mg/dL)、筋肉にインスリン抵抗性が生じているなどの特徴がみられた。

     以上の結果から、田村氏らは「脂肪組織のインスリン感受性が低下した人では、体脂肪率の軽度な増加がみられたことから、健康で適正体重でも、わずかな体脂肪の増加により脂肪を蓄える能力を超えてしまう可能性がある」と考察している。また、脂肪組織のインスリン感受性の低下には運動不足や体力の低下も関連していたことから、「日常生活レベルの運動量に加えて、ジョギングなどの体力向上を目指した運動も行うことが重要だ」と付け加えている。

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    HealthDay News 2019年3月18日
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