• 発酵食品の摂取頻度が高いほど早期早産になりにくい? 富山大調査

    早産リスクの低い日本人女性は、妊娠前に味噌汁やヨーグルト、納豆などの発酵食品を食べる頻度が高いと妊娠34週未満の早期早産になりにくい可能性があることが、富山大学附属病院産科婦人科の伊藤実香氏らの研究で明らかになった。研究は、子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)の一環で、特に、妊娠前に味噌汁を週に1日以上飲んでいた女性で早期早産のリスクが低い傾向がみられたという。詳細は「Environmental Health and Preventive Medicine」5月1日オンライン版に掲載された。

    2010年度に開始された大規模な出生コホート研究であるエコチル調査では、さまざまな環境因子が子どもの健康に及ぼす影響を検討している。これまで欧米の研究では、プロバイオティクスとも呼ばれるヨーグルトを摂取すると早産リスクが低減する可能性が示されていた。

    早産に関する治験・臨床試験(新しい治療薬)情報はこちら
    お近くの治験情報を全国から検索できます。

    伊藤氏らは今回、エコチル調査に参加し、早産歴や妊娠高血圧症候群、前置胎盤など早産のリスク因子がない妊婦7万7,667人を対象に、妊娠前の発酵食品(味噌汁、ヨーグルト、チーズおよび納豆)の摂取頻度と妊娠34週未満の「早期早産」リスクとの関連について調べた。発酵食品の摂取頻度は半定量食物摂取頻度調査票の結果から評価した。

    その結果、妊娠前に味噌汁を週1日以上飲んでいた人は、ほとんど飲まない人(週1日以下)に比べて早期早産リスクが有意に低いことが分かった〔オッズ比は、味噌汁を飲む頻度が週1~2日の人では0.58(95%信頼区間0.40~0.85)、週3~4日の人では0.69(同0.49~0.98)、週5日以上の人では0.62(同0.44~0.87)〕。

    また、妊娠前にヨーグルトを週5回以上食べていた人は、ほとんど食べない人(週1回以下)に比べて早産リスクが有意に低かった(オッズ比0.62、95%信頼区間0.44~0.87)。さらに、妊娠前に納豆を週3回以上食べていた人では、ほとんど食べない人(週1回以下)に比べて早産リスクが有意に低いことも明らかになった(同0.60、0.43~0.84)。一方で、早産全体のリスクと妊娠34~36週の「後期早産」リスクについては、発酵食品を食べる頻度との間に関連は認められなかった。

    伊藤氏らの研究グループはこれまで、早産となった女性とそうではない女性とでは腸内細菌の組成が異なることを報告している。今回の結果から、同氏らは「妊娠前に味噌汁やヨーグルト、納豆を食べることを心掛けていた女性は、早期早産リスクが低いことが分かった。特に味噌汁を週に1日以上飲み続けている女性で、そのリスクは低い傾向がみられた」と結論づけている。ただし、発酵食品の摂取量が多いほど早期早産リスクはより低下するわけではなく、また、出産後にこれらの食品を多く食べても切迫早産の治療にはならないとしている。

    治験に関する詳しい解説はこちら

    治験・臨床試験は新しいお薬の開発に欠かせません。治験や疾患啓発の活動を通じてより多くの方に治験の理解を深めて頂く事を目指しています。治験について知る事で治験がより身近なものになるはずです。

    治験・臨床試験についての詳しい説明

    参考情報:リンク先リンク先2
    HealthDay News 2019年5月20日
    Copyright c 2019 HealthDay. All rights reserved.
    SMTによる記事情報は、治療の正確性や安全性を保証するものではありません。
    病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください。
    記載記事の無断転用は禁じます。
  • 「ウエスト/身長比」はメタボリックシンドロームの予測因子か 地域在住の高齢者を対象に分析、愛媛大

    日本人の高齢者では、ウエスト/身長比は肥満度(BMI)およびウエスト/ヒップ比と同様に、メタボリックシンドロームの優れた予測因子である可能性があることが、愛媛大学大学院地域医療学講座教授の川本龍一氏らの研究で明らかになった。男女ともに、メタボリックシンドロームのスクリーニングツールとして、ウエスト/身長比のカットオフ値はBMIやウエスト/ヒップ比よりも優れることが分かったという。研究の詳細は「PLOS ONE」4月29日オンライン版に掲載された。

     これまでの疫学研究では、メタボリックシンドロームを予測する身体計測指標として、BMIやウエスト/身長比、ウエスト/ヒップ比といった内臓肥満の指標が用いられている。しかし、これらの測定値のプロトコールに関するコンセンサスは得られていない。川本氏らは今回、地域在住の高齢者を対象とした前向きコホートデータを用いて、ベースライン時の内臓肥満指標と年齢、喫煙や飲酒の習慣、運動習慣、心血管疾患の併存といったリスク因子とメタボリックシンドローム罹患との関連について調べた。

     川本氏らは、2014年に愛媛県の某保健福祉センターで健康診断を受けた55~95歳の高齢者1,639人(男性720人、平均年齢71±8歳および女性919人、同71±7歳)を対象とした横断研究と、ベースライン時にメタボリックシンドロームを有さなかった377人を対象として、2017年まで前向きに追跡したコホート研究を行った。研究では、BMIとウエスト/身長比、ウエスト/ヒップ比などの身体計測指標とNCEP-ATP III(National Cholesterol Education Program Adult Treatment Panel III)の診断基準に基づくメタボリックシンドロームとの関連について調べた。

     横断研究の結果、ウエスト/身長比は、BMIおよびウエスト/ヒップ比と同様に、男女ともにメタボリックシンドロームの予測に最も優れた指標であることが分かった。コホート研究でも同様の結果が得られ、メタボリックシンドロームの予測能は、男性ではウエスト/身長比が最も高く、女性ではBMIが最も高かった。

     横断研究で示されたウエスト/身長比の感度と特異度は、男性ではそれぞれ71.0%、77.9%(至適カットオフ値は0.52)であり、女性ではそれぞれ79.8%および75.7%(同0.53)であった。一方、コホート研究によるウエスト/身長比の感度と特異度は、男性ではそれぞれ60.7%、73.2%(同0.50)だったのに対し、女性ではそれぞれ75.0%、56.1%(同0.50)であった。さらに、男女ともに、ウエスト/身長比が大きいほどメタボリックシンドロームの有病率は有意に高く、この指標は独立した因子であることも示された。

     これらの結果を踏まえ、川本氏らは「地域在住の日本人高齢者において、ウエスト/身長比はメタボリックシンドロームの有用なスクリーニング指標である可能性が示唆された」と結論づけている。これらを関連づけるメカニズムは明らかになっていないが、同氏らは「年齢や運動習慣、喫煙や飲酒の習慣、心血管疾患の併存などの他のリスク因子とは独立したものである可能性が示唆された」とし、今後、前向きな大規模研究で検証する必要があるとしている。

    肥満症のセルフチェックに関する詳しい解説はこちら

    肥満という言葉を耳にして、あなたはどんなイメージを抱くでしょうか?
    今回は肥満が原因となる疾患『肥満症』の危険度をセルフチェックする方法と一般的な肥満との違いについて解説していきます。

    肥満症の危険度をセルフチェック!一般的な肥満との違いは?

    参考情報:リンク先
    HealthDay News 2019年5月20日
    Copyright c 2019 HealthDay. All rights reserved.
    SMTによる記事情報は、治療の正確性や安全性を保証するものではありません。
    病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください。
    記載記事の無断転用は禁じます。