• 沖縄野菜の摂取と2型糖尿病発症との関連は? JPHC研究

    ビタミンやミネラル、葉酸など栄養価が高く、抗酸化物質が比較的多く含まれていることで知られる「沖縄野菜」を多く摂取しても、2型糖尿病の発症リスクの低減にはつながらないとする研究結果を、国立がん研究センターなどの多目的コホート(JPHC)研究グループが「Journal of Epidemiology」5月11日オンライン版に発表した。

     JPHC研究では、これまで抗酸化物質を多く含む葉物野菜やアブラナ科野菜の摂取量が多い人では、糖尿病リスクがわずかに低いことを報告している(Br J Nutr 2013; 109(4): 709-717)。研究グループは今回、抗酸化物質を比較的多く含む「沖縄野菜」に着目。同研究に参加した45歳以上の男女約1万人を長期にわたり前向きに追跡したデータを用いて、沖縄野菜の摂取量と糖尿病の発症との関連を調べる研究を行った。

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     研究では、ベースライン時とした1995年に沖縄県中部、1998年に沖縄県宮古の計2地域に在住し、糖尿病や循環器疾患、がんの既往がない45~74歳の男女1万732人(男性4,714人、女性6,018人)を対象に、前向きに5年間追跡した。ベースライン時の147項目の食物摂取頻度調査票への回答から、参加者の7種類の沖縄野菜(チンゲン菜、からし菜、ゴーヤ、フダンソウ、ヘチマ、ヨモギ、パパイヤ)の摂取量を評価。参加者を沖縄野菜の摂取量で3つの群に分けた上で、2型糖尿病の発症率を比較した。

     追跡期間中に、216人(男性123人、女性93人)が新たに2型糖尿病を発症したと報告していた。年齢や肥満度(BMI)、喫煙や飲酒の習慣などを調整した解析でも、沖縄野菜全体の摂取量と2型糖尿病リスクとの間には、男女ともに有意な関連はみられなかった〔全体の摂取量が最も少ない群と比べた最も多い群のオッズ比(95%信頼区間)は、男性では1.22(0.74~2.01)、P=0.53、女性では0.96(0.57~1.62)、P=0.89〕。また、沖縄野菜の種類別の解析でも、これらの間に有意な関連はみられなかった。

     これらの結果を踏まえ、研究グループは「沖縄野菜の摂取量は糖尿病の発症と関連しないことが示された」と結論づけている。一方、今回の対象者は沖縄県に在住する人に限定されていたほか、沖縄野菜の摂取量の群間差が小さかったことが影響した可能性があることから、今後さらなる研究が必要だとしている。

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    糖尿病でいちばん恐ろしいのが、全身に現れる様々な合併症。深刻化を食い止め、合併症を発症しないためには、早期発見・早期治療がカギとなります。今回は糖尿病が疑われる症状から、その危険性を簡単にセルフチェックする方法をご紹介します。

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    HealthDay News 2019年6月3日
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  • 若年成人のメタボリック症候群の発症率を男女別に調査 獨協医大グループ

    日本人の若年成人におけるメタボリックシンドローム(MS)の発症率は、40歳代の中年期に比べて低いが、相当な割合を占めていたとする研究結果を、獨協医科大学公衆衛生学准教授の春山康夫氏らが「Journal of Epidemiology」5月11日オンライン版(先行公開)に発表した。一方、若年期でも、加齢に加えて不健康な生活習慣はMSのリスク因子であることも分かった。同氏らは「中年期だけでなく若年期のうちから生活習慣への早期介入を行うことがMS予防に肝要だ」と述べている。

     これまで20歳代から30歳代の若年成人を対象に、日本の診断基準(「内臓脂肪の蓄積」に加えて、「血圧」、「血糖」、「脂質」のうち2項目以上が当てはまる場合)によるMSの発症率を検討した大規模研究はほとんど行われていなかった。春山氏らの研究グループは、2008年に開始された特定健診の対象とされていない若年層ではMSの新規発症例が増加しているのではとの仮説を立て、40歳未満の男女を対象に前向きコホート研究を実施した。

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     対象は、鶯谷健診センター(東京都)で2010年に健康診断を受けた20~49歳の勤労者5万8,901人。研究では、女性1万7,665人(平均年齢は37.3歳)と男性4万1,236人(同37.4歳)に分けた上で、20歳代、30歳代、40歳代別のMS新規発症率を比較検討した。

     6年間の追跡期間中に7,828人(女性496人、男性7,332人)が新たにMSを発症した。女性における1,000人年当たりのMS発症率は、20歳代では2.2、30歳代では5.5、40歳代では10.2であった。生活習慣因子を調整後の解析で、MS発症ハザード比は、40歳代と比べて20歳代では81%、30歳代では50%低いことが分かった。

     一方、男性における1,000人年当たりのMS発症率は、それぞれ26.3、40.5、57.4であり、そのハザード比は40歳代と比べて20歳代では54%、30歳代では30%低かった。また、ベースライン時にMSを構成する因子(高血圧、高血糖、脂質異常症)が一つもみられない健康な若年男女では、MSの発症率はさらに低かったという。

     さらに、MSの発症には、加齢に加えて不健康な生活習慣も関連することが示された。MSのリスク因子として、女性では20歳代および30歳代の喫煙習慣、30歳代の食べる速度が、男性では20歳代および30歳代の身体活動と食べる速度、飲酒、30歳代の喫煙習慣が挙げられた。

     春山氏らによれば、これまでの先行研究で若年期のMS発症は、中年期と同様に全死亡率の増加と関連することが報告されているという。今回の結果を受け、同氏らは「日本人の男女では、20歳代から30歳代のMSの発症率は低かった。しかし、女性では40歳代のMS発症の20~50%を、男性では50~70%を占めると考えられたことから、若年期のうちからMS予防を目指した生活習慣への早期介入が重要になるだろう」と結論づけている。

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    肥満という言葉を耳にして、あなたはどんなイメージを抱くでしょうか?
    今回は肥満が原因となる疾患『肥満症』の危険度をセルフチェックする方法と一般的な肥満との違いについて解説していきます。

    肥満症の危険度をセルフチェック!一般的な肥満との違いは?

    参考情報:リンク先
    HealthDay News 2019年6月3日
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  • 血糖管理不良は筋肉量の減少につながる可能性 肥満のない2型糖尿病患者で強い関連、阪大グループ

    2型糖尿病患者では、特に肥満がない場合において、血糖コントロール不良であるとサルコペニアである確率が高いことが、大阪大学大学院老年・総合内科学講師の杉本研氏と教授の楽木宏実氏らの研究グループの研究から示唆された。HbA1c高値は、筋力よりも筋肉量の減少と強く関連していることも分かったという。詳細は「Journal of Diabetes Investigation」5月9日オンライン版に掲載された。

     2型糖尿病は、加齢に伴って骨格筋量と骨格筋力が低下する「サルコペニア」のリスク因子であると考えられている。しかし、2型糖尿病患者の血糖コントロール状況とサルコペニアの有病率との関連は明らかになっていない。そこで、杉本氏らは今回、定期的に医療機関を受診している2型糖尿病患者と高齢者の一般集団を対象に、これらの関連を調べる横断研究を実施した。

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     対象は、2型糖尿病患者のサルコペニアについて検討している進行中の多施設共同研究(MUSCLES-DM研究)に参加した40歳以上の患者746人と、「ながはまコホート」に参加している60歳以上の一般集団2,067人(平均年齢はそれぞれ69.9歳、68.2歳)。なお、サルコペニアは、アジアサルコペニアグループ(Asian Working Group for Sarcopenia;AWGS)の診断基準を用いて、握力または歩行速度の低下、骨格筋量指数(Skeletal Muscle Mass Index;SMI)の低下により判定した。

     その結果、2型糖尿病患者のうち7.0%(52人)がサルコペニアを有していた。サルコペニアの有病率は、HbA1c値の上昇に伴って増加がみられた。これらの線形関係は、特にBMIが22.3kg/m2未満の肥満のない2型糖尿病患者で著明であった(サルコペニアの有病率は、HbA1c値6.5%未満群7.0%、6.5%以上7.0%未満群18.5%、7.0%以上8.0%未満群20.3%、8.0%以上群26.7%)。

     また、HbA1c値とサルコペニアの有病率との関連は、体重や体脂肪といった身体計測値や糖尿病の罹病期間などの因子とは独立したものであった。さらに、HbA1c値の上昇は、握力(8.0%以上群のオッズ比は1.89、P=0.058)や歩行速度(同1.13、P=0.672)の低下よりも、SMI低値(同5.42、P<0.001)と強く関連していた。一方、血糖値が正常だった高齢者の一般集団では、血糖値とサルコペニアの有病率との間に関連は認められなかった。

     以上の結果から、杉本氏らは「2型糖尿病患者の血糖コントロール状況は、他の因子とは独立してサルコペニアの有病率と関連することが分かった。血糖コントロールが不良な肥満のない高齢患者では、サルコペニアの有無を慎重に調べ、予防に努める必要がある」と述べている。

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    HealthDay News 2019年5月27日
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  • 「軽い運動+アスタキサンチン摂取」で記憶力がさらに高まる? 筑波大の研究グループ

    強い抗酸化作用のある天然色素「アスタキサンチン」を摂取すると、低強度運動による記憶力の向上効果がさらに高まる可能性があることを、筑波大学体育系教授の征矢英昭氏らがマウスを用いた実験で突き止めた。軽い運動と抗酸化成分の摂取を組み合わせた新しい認知症の予防法の開発が期待されるという。研究の詳細は「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America(PNAS)」5月13日オンライン版に掲載された。

     征矢氏らの研究グループは、動物を用いた研究で、低強度運動が成体海馬歯状回での神経新生を促進し、記憶力を高めることを明らかにしている(PNAS 2012、PLOS ONE 2015)。また、ヒトを用いた研究でも、海馬歯状回の活性化と記憶力の向上が低強度運動で生じることを確認している(PNAS 2018)。

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     さらに、近年では、抗酸化作用を持つ天然サプリメントの併用が注目されている。征矢氏らは、既に、サケやエビに含まれる赤橙色の天然色素である「アスタキサンチン」を摂取すると動物の海馬歯状回の神経新生が促進し、記憶力が向上することを報告しているが、その効果が運動の併用でどうなるのかは不明だった。そこで研究グループは今回、マウスを用いた実験で、低強度運動とアスタキサンチン摂取の併用が海馬機能をより向上させるのか否かを検討した。

     研究では、まず、正常な成体マウスに、4週間にわたり低強度運動に加えてアスタキサンチンを加えた食餌を摂取させ、それぞれを単独に行ったマウスと比較して成体海馬の神経新生と空間学習記憶能への影響を調べた。その結果、低強度運動とアスタキサンチン摂取を併用した群では、それぞれを単独に行った群に比べて空間記憶能がより向上し、海馬歯状回の細胞増殖と新生成熟細胞の数がさらに増えたことが分かった。

     次に、網羅的な遺伝子発現解析の手法を用いて、低強度運動とアスタキサンチン摂取の併用による相乗的な海馬機能の向上に関わる分子メカニズムを検討した。その結果、海馬内のレプチンの遺伝子が関与している可能性が示され、これらの併用時には海馬内のレプチンタンパク質の発現量が相乗的に増加した。一方、これらを併用しても血漿内のレプチン量に有意な変化はみられなかった。

     さらに、低強度運動+アスタキサンチン併用による相乗効果のメカニズムを確かめるため、レプチンを欠損した遺伝性肥満マウス(ob/obマウス)を用いて低強度運動とアスタキサンチンの併用効果を検討した。その結果、ob/obマウスでは、通常のマウスでみられたこれらの併用による記憶力の向上は認められなかった。一方、低強度運動を行っている期間中にob/obマウスの脳内にレプチンを投与したところ、消失していた併用効果が再び現れた。このことから、脂肪細胞由来ではなく脳由来のレプチンが、この相乗効果の発現に必要であることが示唆された。

     これらの結果を踏まえ、征矢氏らは「抗酸化能を持つアスタキサンチンを摂取すると、低強度運動による海馬の神経新生の促進と空間記憶能の向上効果がさらに高まることがマウス実験で確認された。また、このような相乗効果には、脳由来のレプチンが関与することも示唆された」と結論。近年、アルツハイマー病の治療標的として外因的なレプチンが注目を集めており、「アルツハイマー病患者の認知機能低下に対して、低強度運動とアスタキサンチン摂取を併用することで海馬のレプチンを高めることができれば、認知機能の改善につながる可能性が考えられる」と述べている。

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    軽度認知障害を予防し認知症への移行を防ぐためには早期発見、早期予防が重要なポイントとなります。そこで、今回は認知症や軽度認知障害(MCI)を早期発見できる認知度簡易セルフチェックをご紹介します。

    軽度認知障害(MCI)のリスクをセルフチェックしてみよう!

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    HealthDay News 2019年5月27日
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