• 2型糖尿病はNAFLD患者の肝線維化進展のリスク因子か 中年期の日本人患者約1,500人を分析

    中年期の非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)患者は、2型糖尿病が併存すると高度な肝線維化への進展リスクが高まる可能性があることが、大垣市民病院(岐阜県)消化器内科の多田俊史氏らの研究グループの検討で分かった。2型糖尿病は、年齢(50歳以上)と血清アルブミン低値とともに高度な肝線維化への進展の独立したリスク因子であることが示されたという。研究の詳細は「Journal of Gastroenterology and Hepatology」5月21日オンライン版に掲載された。

     肝線維化が進展したNAFLD患者の予後は悪いことが知られているが、その臨床上のリスク因子は明らかになっていない。研究グループは今回、肝線維化の重症度が低い中年期のNAFLD患者を対象に、肝線維化進展のリスク因子について検討するため観察研究を実施した。

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     対象は、2006~2016年に、超音波検査で脂肪肝と診断された連続症例1万3,942人のうちNAFLDの診断基準を満たし、肝線維化の重症度が低かった(肝線維化指標のFIB-4 Indexが1.3未満)36~64歳の患者1,562人。対象患者の年齢(中央値)は54.0歳で、56.7%が男性であった。なお、FIB-4 Indexが2.67を超えた場合を「高度な肝線維化」と定義した。

     中央値で7.5年の追跡期間中に、186人(11.9%)で高度な肝線維化が認められた。高度な肝線維化の3年、5年、7年および10年累積発症率はそれぞれ4.4%、6.7%、11.0%、16.7%であった。

     年齢や喫煙習慣、BMIなどで調整した多変量解析の結果、「50歳以上」「血清アルブミン低値(4.2g/dL未満)」「2型糖尿病の併存」の3つの因子はいずれも、高度な肝線維化への進展の独立したリスク因子であることが分かった(ハザード比は各2.121、1.802、1.879、P値はいずれも<0.001)。高度な肝線維化の3年、5年、7年および10年累積発症率は、2型糖尿病のない患者(1,077人)ではそれぞれ3.6%、5.0%、8.2%および12.9%だったのに対し、2型糖尿病を併存した患者(485人)ではそれぞれ6.1%、10.4%、16.7%および24.0%であった。一方、脂肪肝の進行の程度については、高度な肝線維化への進展との関連は認められなかった。

     これらの結果を踏まえ、多田氏らは「2型糖尿病の併存は、50歳以上および血清アルブミン低値に加えて、中年期NAFLD患者における高度な肝線維化への進展の独立したリスク因子であることが分かった」と結論。一方で、脂肪肝の進行度や性、喫煙習慣、肥満、慢性腎臓病、高血圧、脂質異常症といった因子は高度な肝線維化への進展とは関連しないことも示されたとしている。

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    糖尿病でいちばん恐ろしいのが、全身に現れる様々な合併症。深刻化を食い止め、合併症を発症しないためには、早期発見・早期治療がカギとなります。今回は糖尿病が疑われる症状から、その危険性を簡単にセルフチェックする方法をご紹介します。

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    HealthDay News 2019年6月10日
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  • 大腿骨近位部骨折で2型糖尿病患者の全死亡リスク増 日本人患者の大規模コホート研究を解析

    日本人の2型糖尿病患者は、大腿骨近位部骨折があると全死亡リスクが高まる可能性があることが、九州大学大学院病態機能内科学教授の北園孝成氏と白十字病院(福岡県)副院長・糖尿病センター長の岩瀬正典氏らの研究グループの検討で分かった。これらの関連は、肥満度を表す体格指数(BMI)や喫煙習慣などの因子のほか、心血管疾患(CVD)や末期腎不全(ESRD)の併存とは関係なく認められたという。研究の詳細は「Journal of Diabetes Investigation」5月12日オンライン版に掲載された。

     2型糖尿病患者は、大腿骨近位部骨折を来たしやすいとされる。また、大腿骨近位部骨折を含む脆弱性骨折は死亡率を高めることが報告されている。しかし、2型糖尿病患者における大腿骨近位部骨折と死亡リスクとの関連については、あまり検討されていない。そこで、研究グループは今回、大規模な前向き疫学調査である福岡県糖尿病患者データベース研究(Fukuoka Diabetes Registry;FDR)のデータを用いて、大腿骨近位部骨折、上肢骨折、心血管疾患(CVD)および末期腎不全(ESRD)と全死亡との関連を調べた。

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     研究では、4,923人の2型糖尿病患者(平均年齢65歳、うち男性2,790人)を対象に、中央値で5.3年間追跡した。追跡期間中に110人が大腿骨近位部骨折を、801人は上肢骨折を来し、1,344人はCVDを、104人はESRDを発症した。

     追跡期間中に309人が死亡した。解析の結果、大腿骨近位部骨折のある患者では、そうでない患者に比べて全死亡リスクが有意に高かった(多変量調整オッズ比2.67、95%信頼区間1.54~4.41)。一方、上肢骨折と全死亡リスクとの間に有意な関連は認められなかった。

     また、CVDやESRDを併存した患者では、これらの疾患がない患者に比べて全死亡リスクは有意に高いことも分かった〔多変量調整オッズ比(95%信頼区間)はそれぞれ1.78(1.39~2.70)、2.36(1.32~4.05)〕。さらに、CVDおよびESRDで調整した解析でも、大腿骨近位部骨折と全死亡との関連は有意であり続けた(同2.74、1.58~4.54)。なお、大腿骨近位部骨折患者の死因は感染症(40.9%)と悪性腫瘍(25.0%)、CVD(15.0%)であった。

     これらの結果を踏まえ、岩瀬氏らは「2型糖尿病患者では、CVDやESRDと独立して、大腿骨近位部骨折は全死亡リスクの上昇と関連する可能性がある。今回の結果から、高齢の糖尿病患者において、大腿骨近位部骨折は生命予後に関わる非常に重要なイベントだといえる」と述べている。一方、「大腿骨近位部骨折の予防が2型糖尿病患者の生存率向上につながるか否かについては、今後の研究結果が待たれる」と同氏らは付け加えている。

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    HealthDay News 2019年6月10日
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