• 2型糖尿病とがんの関係、遺伝的には証明されず JPHC研究

    日本人集団の遺伝子多型情報を用いて、2型糖尿病とがんとの関係を調べた結果、これらが関連するという強い遺伝的なエビデンスは得られなかったことが、国立がん研究センターなどの多目的コホート(JPHC)研究グループの調べで分かった。研究の詳細は「International Journal of Cancer」3月30日オンライン版に掲載された。

    これまでの研究で、糖尿病がある人は、糖尿病がない人に比べて膵臓がんや肝臓がん、大腸がんなどのがん罹患リスクが高まることが報告されている。しかし、がんの発生に関与する因子を含めて補正できないリスク因子が存在する可能性があり、糖尿病自体ががんの発症に寄与しているか否かは明らかになっていない。

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    研究では、ベースライン時(1990年および1993年)に全国9地域に在住し、ベースライン調査に回答し、健診などで血液サンプルを提供した40~69歳の男女3万2,949人を対象に、2009年末まで追跡調査を実施。対象集団中、追跡期間中に新たに2型糖尿病を発症した3,541人とランダムに抽出した1万536人(糖尿病のある人が613人、糖尿病のない人が9,923人)を対照群として症例コホート研究を行った。

    既に知られている29の2型糖尿病感受性遺伝子多型を用いて、糖尿病とがん全体および部位別のがんリスクとの関連についてメンデルのランダム化解析を行った。その結果、ある集団における糖尿病有病率が倍増することによるがんの罹患リスクは、がん全体では1.03倍(95%信頼区間0.73~1.59)、膵臓がんでは1.08倍(同0.73~1.59)だったのに対し、肝臓がんでは0.80倍(同0.57~1.14)、大腸がんでは0.90倍(同0.74~1.10)であった。

    これらの結果を踏まえ、研究グループは「糖尿病とがん全体および部位別のがんとの関連を支持する強力なエビデンスは得られなかった」と結論。糖尿病の既往者では膵臓がん、肝臓がん、大腸がんなどの罹患リスクが高いことを報告したJPHCの先行研究とは異なる結果が得られた点については、「糖尿病自体ではなく高インスリン血症やインスリン抵抗性を介してがんリスクの上昇がみられた可能性がある」と説明しており、また、今回の研究では、がん部位別にみた罹患数が少なかったことも結果に影響した可能性を指摘している。

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    HealthDay News 2019年7月8日
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  • 慢性腎臓病の早期発見に有用な「D-アミノ酸」を発見 血中および尿中のD-セリン同時測定が有効

    いまや国民病ともいわれる慢性腎臓病(CKD)の早期診断には、血中に微量に存在するD-アミノ酸の一つ、「D-セリン」の測定が有用な可能性があることを、医薬基盤・健康・栄養研究所(大阪府)難治性疾患研究開発・支援センター長の木村友則氏らの研究グループが突き止めた。血中および尿中のD-セリンを同時測定するとCKDの早期診断に最も有効であったという。研究の詳細は「Scientific Reports」3月25日オンライン版に掲載された。

    CKD患者は日本国内では1300万人、世界では8.5億人に上ると推計されている。自覚症状なく進行する腎臓病は、気づいたときには透析導入を余儀なくされる患者も多く、早期発見、早期治療が課題とされている。しかし、今のところ腎機能を予測するのに有用なバイオマーカーは確立されていない。

    木村氏らはこれまで、体内にはL-アミノ酸だけでなく微量のD-アミノ酸が存在し、これが腎臓病の予後と関連することを見出していた。今回、同氏らは、CKD患者と健康な成人を対象に、血中および尿中のアミノ酸を一斉に測定するメタボローム解析を用いて、D-アミノ酸がCKDの早期発見に有用なバイオマーカーになり得るか否かを検討した。

    研究では、D-アミノ酸を正確かつ高感度に測定できる2次元HPLC(high performance liquid chromatography;高速液体クロマトグラフィー)システムを搭載したメタボローム解析装置を用いて、CKD患者11人と健康な成人ボランティア15人の血中および尿中のD-アミノ酸を測定した。

    その結果、D-アミノ酸のうちD-セリン値が腎機能(糸球体濾過量)自体と強く相関し、これらの関連は従来の腎臓病マーカーと同程度かそれ以上であることが分かった。一方、尿中のD-セリンは糸球体濾過量以外の腎機能を反映しており、血中と尿中のD-セリンを組み合わせると腎臓病を診断できる確率が向上することも明らかになった。

    これらの結果から、木村氏らは「CKDの早期診断には、体中に微量にしか存在しないD-アミノ酸であるD-セリンが有効であることが分かった」と結論。「このような診断技術を活用してCKDの早期診断、早期治療が進むことで、透析導入患者の抑制や腎臓病の個別化医療の実現、病態解明などにつながることが期待される」としている。

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  • 2型糖尿病患者ではレプチン濃度が遠骨皮質骨厚の菲薄化に関連 大阪市立大グループ

    日本人の2型糖尿病患者では、肥満度と独立して、血漿レプチン濃度は橈骨遠位端の皮質骨厚と負の関連性を示すが、海綿骨骨密度とは関連性を示さないことが、大阪市立大学大学院代謝内分泌病態内科学講師の藏城雅文氏らが実施した横断研究で示された。詳細は「Journal of Diabetes Investigation」5月9日オンライン版に掲載された。

     2型糖尿病患者では、骨密度に低下がみられなくても骨折リスクが高まるとされる。一方、骨粗鬆症は交感神経活性と関連することが知られている。さらに、2型糖尿病患者でよくみられる自律神経障害には、血漿レプチンが強く関与する可能性が示唆されている。

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     藏城氏らは今回、2型糖尿病患者182人(男性93人、女性89人)を対象に、超音波骨密度測定装置を用いて測定した橈骨遠位端の皮質骨厚および海綿骨骨密度と血漿レプチン濃度との関連を調べるため、横断研究を実施した。

     その結果、血漿レプチン濃度はBMIと有意な正の関連を示したが、橈骨遠位端の皮質骨厚とは負の関連を示した(いずれもP<0.001)。一方、血漿レプチン濃度と海綿骨骨密度は関連しなかったが、BMIとは有意な正の関連を示すことが分かった(いずれもP<0.001)

     また、年齢や性、糖尿病の罹病期間、HbA1c値などの因子で調整した多変量解析の結果、血漿レプチン濃度と橈骨遠位端の皮質骨厚との間には有意な負の関連がみられた一方で(P<0.001)、海綿骨骨密度との関連は認められなかった。BMIとウエスト/ヒップ比でさらに調整して解析しても、血漿レプチン濃度と橈骨遠位端の皮質骨厚は有意に関連することが明らかになった。

     これらの結果を踏まえ、藏城氏らは「血漿レプチン濃度は、BMIやウエスト/ヒップ比とは独立して橈骨遠位端の皮質骨厚と負の関連を示すが、海綿骨骨密度とは関連しないことが分かった。このことは、2型糖尿病患者において、肥満により引き起こされる高レプチン血症は皮質骨の脆弱性と関連する可能性を示している」と述べている。

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    HealthDay News 2019年6月24日
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