血中アディポネクチン濃度の上昇が骨折の予測因子に日本人糖尿病患者の大規模コホート研究を解析

閉経後女性を含む2型糖尿病患者では、血中アディポネクチン濃度の上昇に伴い、骨折全体のリスクだけでなく骨粗鬆症性骨折を来すリスクも高まる可能性があることを、白十字病院(福岡県)副院長・糖尿病センター長の岩瀬正典氏らの研究グループが発表した。

糖尿病患者における血中アディポネクチン濃度と骨折リスクとの関連を大規模なコホート研究で検証したのは今回が初めて。
高アディポネクチン血症による骨粗鬆症性骨折リスクへの影響も示された。詳細は「Diabetologia」10月号に掲載された。

脂肪細胞から分泌されるホルモンのアディポネクチンはインスリン抵抗性の改善に働くことが知られているが、アディポネクチンとその受容体はヒトの骨芽細胞にも発現するため骨代謝にも大きな影響を及ぼすと考えられている。
これまで糖尿病がない男性では、血中アディポネクチン濃度の上昇は骨折リスクの増加と関連することが報告されているが、2型糖尿病患者では十分に検討されていなかった。

そこで、岩瀬氏らは今回、大規模な前向き疫学調査である福岡県糖尿病患者データベース研究(FukuokaDiabetesRegistry;FDR)のデータを用いて、血中アディポネクチン濃度と骨折リスク(全ての骨折および骨粗鬆症性骨折)との関連を調べた。

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対象は、2008年4月~2010年10月に同県内の糖尿病専門施設に通院する外来糖尿病患者5,131人のうち、1型糖尿病患者などを除き、骨折の発生を追跡し得た4,869人。このうち男性が2,754人で、女性のうち1,951人は閉経後女性であった。
平均年齢は65歳、平均罹病期間は15.4年であった。

その結果、中央値で5.3年(追跡率は97.6%)の追跡期間中に682人がいずれかの骨折を来し、このうち277人では骨粗鬆症性骨折が認められた。
解析の結果、(対数変換した)血中アディポネクチン濃度が1標準偏差(SD)増加するごとに閉経後女性では全ての骨折リスクが1.27倍、骨粗鬆症性骨折リスクが1.35倍に増え、男性ではそれぞれ1.22倍、1.40倍となることが分かった(いずれのリスクも年齢調整ハザード比)。

また、閉経後女性と男性における骨折のリスク因子を調べたところ、両者の骨粗鬆症性骨折の有意なリスク因子として高アディポネクチン血症(血中アディポネクチン濃度が20μg/mL以上)が浮かび上がった。

高アディポネクチン血症を伴う閉経後女性では骨粗鬆症性骨折リスクは1.72倍に、男性では2.19倍にそれぞれ高まっており、そのリスクの程度は70歳以上の高齢者や女性と同程度であった。

以上の結果を踏まえ、岩瀬氏らは、2型糖尿病患者の血中アディポネクチン濃度を測定することで、将来、骨折を来すリスクが高いかどうかを予測できる可能性があるとしている。

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参考情報:リンク先
HealthDay News 2017年9月19日
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