「卵アレルギーでもインフル予防接種は安全」米学会が見解

米国アレルギー・喘息・免疫学会(ACAAI)は12月19日、「卵アレルギーのある人でもインフルエンザワクチンの接種は安全であり、医療従事者が接種前に卵アレルギーの有無を確認する必要もない」とする診療指針(practice parameter)を発表した。

指針の全文は「Annals of Allergy, Asthma and Immunology」2018年1月号に掲載されている。

ACAAI食物アレルギー委員会の委員長で、今回の指針の筆頭著者である米コロラド大学アレルギー・免疫部門のMatthew Greenhawt氏は「インフルエンザワクチンの接種前に医療従事者が卵アレルギーの有無を確認することは多いが、今後はそのような必要はないことを医療従事者や一般の人たちに認識してもらいたい」と話す。
また同氏によると、卵アレルギーがある人がインフルエンザワクチンを接種する場合も特別な対応は必要ないという。

インフルエンザワクチンの多くは鶏卵で培養したインフルエンザウイルスを使用しているため、わずかに卵由来のタンパク質が含まれている。
しかし、2011年以降に発表された研究データでは、卵アレルギーがある人ではインフルエンザワクチンの接種によるリスクがアレルギーのない人を上回ることはないという明確なエビデンスがあるという。

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ACAAIは、今回の指針に関するプレスリリースで「これまでに、卵アレルギーの人でもアレルギー反応を起こさずにインフルエンザワクチンを接種できることを示した研究結果が数多く報告されている。
これは、インフルエンザワクチンに含まれている卵由来のタンパク質の量が、たとえ重度の卵アレルギー患者であってもアレルギー反応を引き起こすほどではないためだ」と説明している。

なお、これまでのACAAIの指針では、卵アレルギーがある人へのインフルエンザワクチン接種は安全のためにアレルギー専門医がいる医療施設で行うことが推奨されていた。
しかし、今回発表された新指針ではその必要はないとしているほか、卵アレルギー患者に対して卵由来の物質が含まれていないワクチンを特別に用意したり、接種後の観察期間を通常よりも延長したりする必要はないとの見解が示されている。
また、接種前に卵アレルギーの有無を確認することさえ不要だとしている。

ACAAIによると、この新指針は米疾病対策センター(CDC)や米国小児科学会(AAP)の勧告と同じ方針だという。「米国では毎年インフルエンザによって数多くの人々が入院し、死亡している。
その多くはワクチンによって予防できるはずだ」と今回の指針の共著者である米スクリプス・クリニックのJohn Kelso氏は強調する。

また、同氏は「卵アレルギーは小児に多くみられ、小児はインフルエンザにも罹患しやすい」と指摘。「卵アレルギーがある小児を含むあらゆる人々に対してインフルエンザワクチンの接種を奨励することが極めて重要だ」としている。

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参考情報:リンク先
HealthDay News 2017年12月19日
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