米国人医師50人に1人「2年以内に医師以外の職種に転向予定」


こうした意向には燃え尽き(バーンアウト)やワークライフバランスを保てないことなどによる医師の仕事への不満が影響していることも分かったという。
詳細は「Mayo Clinic Proceedings」11月号に掲載された。
調査は2014年8~10月、AMAと米メイヨークリニック、米スタンフォード大学の研究者らが共同で実施した。
対象は全米のあらゆる専門領域の医師3万5,922人で、このうち6,880人から回答が得られた(回答率19.2%、年齢中央値56歳)。
このうち調査時点で診療に携わっていた6,695人の19.8%が1年以内に診療時間を「必ず」または「おそらく」短縮するつもりだと回答していた。
また、2年以内に今の職場を辞める予定だとした医師の割合も26.6%に上っていた。2年以内に医師以外の職種に転向する予定の医師は全体の1.9%だった。

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こうした診療時間の短縮や転職の意向には、燃え尽き(オッズ比1.81)や電子カルテに伴う作業への不満(同1.44)、ワークライフバランスが保たれないことによる不満(同1.65)が強く影響していることも分かった。
研究グループは「医師以外の職種に転向すると回答した医師のうち、仮に30%が実際に計画通りに医師の仕事から離れてしまった場合、米国民は約4,800人の医師を失うことになってしまう」と説明。
また、「医師の転職に伴い新たな医師を雇用することは、施設にとってコスト増につながるだけでなく、患者や他のスタッフなどにも混乱をもたらす可能性がある」としている。
一方、AMA会長のDavid Barbe氏は「米国民の健康増進には精力的で熱心かつ適応力の高い医師の力が不可欠だ。
しかし、医師は他の職種の労働者と比べて燃え尽きの状態となる頻度が高い」と指摘。「医療システムが機能不全に陥る兆候が既に見え始めており、危機が迫っていることを連邦議会や病院、保険企業に認識してもらう必要がある」と話している。

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