「日中の食いしばり」と「痩せ型体型」で歯並びが悪化する? 岡山大などが大学生を対象に調査

「日中の食いしばり」と「痩せ型の体型」が歯並びの悪化に影響する可能性があることが、岡山大学大学院予防歯科学教授の森田学氏と外山直樹氏らの研究グループが大学生を対象に行ったアンケート結果から明らかになった。歯並びの悪化を防ぐには、日中に食いしばる習慣をやめ、成長期に痩せすぎないようにすることが重要だという。研究の詳細は「International Journal of Environmental Research and Public Health」2月26日オンライン版に掲載された。

歯ぎしりは口腔内に悪影響を及ぼすだけでなく、生活の質(QOL)にも大きく影響するとされる。特に、歯を食いしばる習慣があると歯や顎に大きな力が継続的にかかるため、歯並びに悪影響が出ると考えられている。森田氏らは過去に、横断研究で日中の食いしばりがある人は歯並びが悪い割合が高いことを報告している。今回は、大学生を対象にアンケートを実施し、日中の食いしばりと歯並びの悪化との関連について調べた。

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研究では、2013年のベースライン時に矯正治療の経験がなく、歯並びが正常だった18~19歳の同大学学生1,092人を2016年まで3年間追跡した。追跡期間中に矯正治療を受けたり、アンケートの回答に不備があったり、3年後の歯科健診を受けなかった学生を除いた計238人を対象に分析した。

ベースライン時から3年後には対象者の53.8%(128人)で歯並びの悪化が認められた。多変量ロジスティック回帰分析の結果、日中に食いしばる習慣がある学生では、その習慣がない学生と比べて歯並びが悪化するリスクが高いことが分かった(オッズ比3.63、95%信頼区間1.08~12.17)。また、痩せ型の体型(BMI 18.5未満)であると歯並びが悪化しやすく(同2.52、1.25~5.76)、噛み合わせが悪くなりやすいこと(同2.34、1.11~4.92)も明らかになった。

これらの結果を踏まえ、「日中に食いしばる習慣があったり、痩せている若者は、歯並びが悪化するリスクが高い可能性があることが分かった。歯並びの悪さは見た目に影響するため心理的ストレスにつながる可能性がある一方、痩せすぎは寿命の短縮と関連するとの報告もある。そのため、今回の研究結果は口腔内の問題にとどまらず、全身の健康状態にも影響する重要なものと考えられる」と述べている。

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HealthDay News 2019年4月8日
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