血中レプチン濃度が睡眠の質と関連する可能性 日本人の肥満合併2型糖尿病患者で検討、大阪市立大

肥満を伴う2型糖尿病患者では、血中レプチン濃度が高いほど睡眠の質が良好である可能性があり、血中レプチン濃度の測定が睡眠の質の評価に有効なマーカーとなる可能性があると、大阪市立大学大学院代謝内分泌病態内科学講師の森岡与明氏らの研究グループが発表した。

食欲のコントロールに働くレプチンはこうした患者において睡眠の質を改善する新しい治療標的となる可能性があるという。
詳細は「Journal of Diabetes Investigation」2月26日オンライン版に掲載された。

睡眠の質が悪いと肥満や2型糖尿病、メタボリック症候群になりやすいことが知られている。研究グループは今回、脂肪細胞から分泌され、食欲のコントロールに働くホルモンであるレプチンに着目。レプチンが睡眠障害と肥満との関連に関与するとの報告があることから、2型糖尿病患者を対象に血中レプチン濃度と睡眠の質との関連を調べる研究を行った。

対象は、2011年10月~2016年6月に、血糖コントロール目的で同大学病院に入院した2型糖尿病患者182人(年齢中央値は61歳、男性が100人)。
肥満合併群(113人、BMI 25以上)と非肥満群(69人)に分けて解析した。
対象患者の空腹時血中レプチン濃度を測定し、携帯型単一チャネル睡眠脳波計を用いて睡眠に関連する指標〔総睡眠時間、レムおよびノンレム睡眠時間、睡眠効率、睡眠の第一周期におけるデルタパワー(徐波量)、無呼吸低呼吸指数(AHI)〕を評価した。

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その結果、血中レプチン値(中央値)は対象患者全体では6.6ng/mLであり、肥満合併群では9.9ng/mL、非肥満群では3.6ng/mLであった。
未調整での解析の結果、肥満合併群では血中レプチン濃度は睡眠の第一周期におけるデルタパワーと有意に関連したが(P=0.008)、非肥満群ではこうした関連は認められなかった。

また、年齢やBMI、睡眠無呼吸指標など睡眠の質に影響を及ぼす可能性がある因子で調整した多変量解析の結果、肥満合併群では血中レプチン濃度はデルタパワーと正の関連を示したが、総睡眠時間との間には関連はみられなかった。一方で、非肥満群ではデルタパワーと総睡眠時間はいずれも血中レプチン濃度と関連しなかった。

以上の結果を踏まえて、研究グループは「肥満を合併した2型糖尿病患者では、血中レプチン濃度は睡眠の質のマーカーとして知られる睡眠の第一周期におけるデルタパワーと独立して関連する可能性が示された。
これらはBMIやAHIといった指標とは独立して関連しており、肥満患者ではレプチンがオレキシン産生神経の活性抑制などの直接的な作用を介して睡眠の質と関連する可能性が示唆される」と述べている。

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HealthDay News 2018年3月12日
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