ワキガ治療の基礎知識‼治療方法や費用、期間について徹底解説

ワキガについて

はじめに
脇の臭いが普通にしていても自分で分かるほど強くて嫌だな、どうにかしたい、人に脇の臭いが臭いと言われたらどうしよう等、自分のワキガをどうにかしたいと思っている方は意外に多いのではないでしょうか。
今回はそんな方の為にワキガの原因や治療方法、その種類、ワキガの治療の期間や期間についてご説明していきます。
ワキガとは
ワキガとは腋臭症(えきしゅうしょう)という主に脇から悪臭が発生する体質の事を言います。その主な原因は汗です。
汗には2種類あり、エクリン腺から出る汗とアポクリン腺から出る汗に分けられます。
エクリン腺
全身のあらゆる部分に分布していて主に体温調節の為に汗を出す腺の事で、分泌される汗は無味無臭です。
アポクリン腺
身体の限られた部分にあり、特に脇に多く分布しています。アポクリン腺から分泌される汗は白く濁っていて、脂肪やたんぱく質、糖質、ミネラル、鉄分、アンモニア等が含まれています。
脇の下にはアポクリン腺が多く分布しています。
ここから出てくる汗を皮膚の常在菌が食べてしまう事で、ワキガが発生してしまいます。皮膚の常在菌が汗を食べると、汗が発酵した状態になります。
そして、独特な臭いを発生させるのです。
例えば、発酵食品を思い出してみると分かりやすいと思います。
納豆やぬか漬け等、独特の臭いがしますよね?
それと同じで汗が発酵した時に出る臭いがいわゆるワキガです。

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ワキガの原因
1.体質
アポクリン腺の量が多いとワキガになりやすいです。
臭いの原因になるアポクリン腺が多い程、アポクリン腺から分泌される汗の量が比例して多くなってしまい、ワキガになりやすくなります。
一般的に両親のどちらかがワキガだと子供のワキガになりやすいと言われています。
また両親がワキガでない場合でも、祖父母や親族にワキガの方がいるとワキガになってしまう可能性が高いです。
ただし、両親や親族にワキガの方がいても必ずしもワキガになるわけではありません。
2.脂肪分の多い食事
ワキガや体臭は食生活等も大きく関係していて、食事によってワキガの臭いが出やすくなったり、逆にワキガの臭いが少なくなる事もあります。
油っこい食べ物や肉、動物性たんぱく質(バター、牛乳、チーズ等)を摂取し過ぎると、アポクリン腺や皮脂腺を刺激してしまいます。
アポクリン腺から出る汗が増える生活習慣を送ってしまうと、ワキガの臭いが発生してしまうのです。
3.ストレス
人はストレスを感じると、ワキガの臭いの原因であるアポクリン腺からの汗が出やすくなってしまいます。
脇の汗とワキガの臭いを気にし過ぎると余計に汗の分泌を促してしまって、悪循環になりかねません。
4.肥満
肥満傾向が強い方は臭いの強い汗を沢山かいてしまう事が多いのです。
理由として、肥満傾向の方は痩せている方に比べて体内の熱を放出しにくいため、体温調節が上手く出来ずに体温を下げようと汗を大量にかき、それが臭いの元になります。
5.脇毛の手入れをしない
腋毛が生えたままの状態でいると脇にかいた汗の蒸発を妨げ、脇の下が蒸れてしまいます。その結果、脇の下が汗で湿ってしまい、菌が繁殖しやすくなり、ワキガの臭いが強くなってしまうのです。
ワキガの治療の種類と方法
ワキガの治療の選択は重症度によって異なります。
ただ、素人が重症度を見分けるのは難しいので、必ず病院で診断して貰いましょう。
では、重症度別に治療方法を見ていきましょう。
1.軽度
ワキガが軽度であれば塗り薬や飲み薬で十分臭いは防げます。
塩化アルミニウム液
これをティッシュやコットンに染み込ませて臭いの気になる部位に塗りましょう。塩化ナトリウム液は基本的に制汗剤と同じですが、臭いを抑える効果があるので軽度のワキガであれば効果を発揮してくれます。
臭化プロバンテリン
これは抗コリン系の内服薬です。
汗の分泌を抑える作用がありますが、副作用として口や目等の粘膜の乾燥、尿の出が悪くなる(乏尿)があります。
よって長期的な服薬はお勧め出来ません。
精神面や自律神経を整える内服薬
これは臭いに対して不安や恐怖を覚える方の為に処方される場合があり、不安や恐怖を和らげてくれる作用があります。ただ、これも副作用があって眠気やふらつきに注意が必要です。
2.中等度
手術を行う程のワキガではない方が対象になります。
ボトックス注射
これはボツリヌス菌を脇の下に注射する事で、汗を出す時の伝達物質の分泌が抑えられ、一時的に汗の量を減らす作用があります。これは主にエクリン腺の汗に働きかけるので、多汗症とワキガを併発されている方、メンタルの影響によって発汗が多い方が対象になります。
電気凝固法
脇の毛穴に電気針を刺し、そこに高周波の電流を流し、脇の脱毛及びアポクリン腺と皮脂腺の破壊を行う方法です。脱毛も一緒に出来ますので、ワキガの根本的な解決が出来ます
3.重症
ワキガが重症の場合、手術が必要になります。
直視下手術法(剪除法)
脇の下を切開して裏返し、アポクリン腺を目視で確認しながら1つずつ取り除いていく方法です。
汗腺が高い確率で除去出来る確実な方法ですが、3~5㎜程の傷跡が残ってしまいます。
非直視下手術法(皮下組織吸引法)
脇の下に小さな穴を開け、そこからカニューレ(細い管)を入れてアポクリン腺、エクリン腺及び皮脂腺をかき出すように吸引する方法です。傷口が目立たず、広範囲にアプローチ出来ますが、アポクリン腺を完全に除去するのは難しく、アポクリン腺の根っこが残ってしまうと再発してしまう恐れがあります。
超音波吸引法
皮下組織吸引法がベースになっている方法です。
先端に超音波を発生させ、その熱でアポクリン腺を破壊して吸引します。
全てのアポクリン腺を除去するのは困難で、技術によっては火傷や合併症を起こすリスクがあります。
皮下組織除去法
カミソリの刃と皮膚を抑えるローラーの付いた専用器具を使用する方法です。カミソリの刃で皮下組織ごと削り、アポクリン腺やエクリン腺を除去していきます。
傷口は小さく、高い効果が得られますが、回復まで時間がかかってしまうのがデメリットです。
この施術のリスクとしては、稀に皮膚の壊死が起こってしまうことです。

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ワキガの治療の費用と期間
ワキガの程度や診断、治療方法によって費用は異なります。ただ、ワキガの治療は条件を満たせば保険が適用されます。保険が適用される条件は以下の2つです。
- 保険治療が認められている病院
- 保険適用が認められている手術
つまり、これ以外の治療は自費負担になってしまいます。
ワキガ治療をしてくれる科目は皮膚科、美容外科、形成外科等になります。
第一選択としては皮膚科がお勧めで、保険適用される手術は剪除法です。
費用としては手術代がおよそ35,000円前後、その他に診察代や処置に5万円程度見ておいた方が無難です。
その他の保険適用外の手術は30~50万円程になります。

まとめ
ワキガの主な原因はアポクリン腺と皮脂腺から出る分泌物です。
ワキガの原因には体質、脂肪分の多い食生活、ストレス、肥満、脇の手入れをしない事が挙げられます。
ワキガの治療方法は重症度によって違いますので、必ず医療機関を受診して診察を受けましょう。
ワキガを治療して、脇の臭いに囚われない生活を送りましょう!

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