恥骨が痛い!妊娠後期に起こる恥骨痛の原因と対処法

妊娠後期の恥骨痛について

はじめに
妊娠期間も後期に入りいよいよ出産までの期間が短くなってきますが、
妊娠後期になり妊婦さんが悩まされる事に恥骨痛があります。
この記事では恥骨痛の症状から原因、対処法までを紹介します。
恥骨とは
恥骨とは、骨盤群の骨の一部で、骨盤を下から支えている一対の骨です。
そして恥骨は恥骨結合という軟骨でつながっています。
画像でいうブルーの場所が恥骨結合です。
体でいうと、ちょうど足の付け根の三角部分(股間)にあるのが恥骨です。おへそから指を下ろしてきた時に触れることができます。
妊娠後期の恥骨痛の症状
痛みとは、人によって感じ方が様々です。
恥骨痛ではどのような痛みを感じる人が多いのでしょうか?
また、どんな時に恥骨が痛むのでしょう?
恥骨痛の症状をまとめました。
ずきずき、チクチク、電気が走るような痛み
恥骨痛の症状として、どちらかというと生理痛のような鈍い痛みというよりも、ズキッとするような鋭い痛みを感じます。
最初は恥骨部の違和感や軽い痛みから始まり、悪化するにつれて痛みが強くなっていきます。
最終的には電気が走るような強く鋭い痛みに襲われる人が多いようです。
足の付け根が痛む
恥骨痛の初期段階では、明確に恥骨が痛いと感じられることはあまりありません。
なんとなく足の付け根がだるい、違和感がある、歩くと痛みを感じる時がある、などの症状から始まります。
経験者でもない限り、恥骨痛だと自覚できる人はほとんどいない状態です。

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寝返りなど、体を動かすと痛む
症状が進んでくると、痛むのが恥骨部がと明確にわかるようになります。
体を動かしたり、体勢を変えたりするときに激し痛みを感じるようになり、日常生活に支障が出てきます。
睡眠中の寝返りで何度も目が覚めてしまう人、布団から起き上がれなくなる人なども少なくありません。
下半身に力が入らず立てない
恥骨痛がさらに悪化すると、最終的には下半身に力が入らなくなり、立てなくなる人も出てきます。
このころには、何もしなくてもズキズキと痛み、ほとんど動くことができません。
妊娠後期の恥骨痛の原因
日常生活にも困難が出るほどの恥骨痛。その原因はどこにあるのでしょう?
痛むのは恥骨結合
恥骨痛といっても、実際に痛みが発生している場所は恥骨自体ではありません。
本当に痛む部位は、恥骨と恥骨をつなぐ恥骨結合という軟骨部分です。
恥骨痛は、医学的には恥骨結合離開(ちこつけつごうりかい)と呼んでいます。
骨盤が開くにつれて、恥骨結合が伸びる
恥骨結合が痛む原因は、骨盤が開いてくることにあります。
出産に向けて、赤ちゃんが通れるように徐々に骨盤が広がっていきます。
すると当然恥骨も左右に引っ張られて開いてきます。
その結果、恥骨をくっつけている恥骨結合が伸びてくるのです。
伸びた軟骨は薄くなりますから、ちょっとした体勢の変化や動作でも大きな負担となります。
恥骨結合に負荷がかかりすぎることが恥骨痛の原因です。
子宮が恥骨結合を圧迫
臨月になり、出産が間近に迫ってくると、赤ちゃんが骨盤内に収まるように下がってきます。
すると赤ちゃんの頭が恥骨結合を圧迫するようになります。
そのころには、恥骨結合もさらに緩んで薄くなっていますから、子宮の圧迫によって常時痛みを感じることもあるのです。
妊娠後期の恥骨痛の対処法
恥骨痛は、基本的には産後になると消失するといわれています。
しかし、骨盤のゆがみがひどい人や骨盤の戻りが悪い人は、産後も続く場合があります。
つらい恥骨痛を改善する方法はいくつかありますので、ご紹介します。
骨盤ベルトを着用する
恥骨痛に一番効果があるのが骨盤ベルトです。
骨盤ベルトを着用することで、恥骨をサポートしてくれるため、恥骨結合への負担が軽減されます。

産院の医師や助産師に聞けば、おすすめのものを紹介してもらえることでしょう。
ただし、骨盤ベルトは正しいサイズのものを正しく着用してこそ効果が得られます。
間違った使い方をすると、恥骨痛が悪化するだけでなく赤ちゃんにも悪影響が及ぶ恐れがあります。
自己判断で購入・着用することは避けましょう。
クッションなどの上に座る
床や固い椅子などは避け、クッションやソファなどの柔らかいものの上に座ります。
すると、恥骨部にかかる負担が分散されるとともに、恥骨部をクッションなどが保護してくれます。
どうしても固い床や椅子に座る必要がある場合、正座やあぐらなどの姿勢が恥骨部への負荷を軽減してくれます。
また、背筋を伸ばしてなるべく足を組まないようにします。
こうすることで、骨盤がゆがむのを防ぐことができるため、恥骨痛の悪化を防ぐことができます。
マッサージ
つらくない範囲であおむけになり、鼠径部(足の付け根)をマッサージします。
手のひらでさするようにマッサージしてください。
恥骨結合をほぐす効果があるので、痛みの軽減効果があります。
力は入れすぎず、気持ちいと感じる程度の力で行います。
マッサージの際の注意点をひとつ。
おなかの張りを感じたら、いったん中止して休むようにしましょう。
あおむけが辛い場合、お尻の下にクッションを入れると楽になります。
体操
恥骨痛の改善には体操も効果があります。
代表的なものをいくつか紹介します。
かかりつけの産院でも詳しい方法を教えてもらえるでしょうから、ぜひ聞いてみてください。

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1.腰まわし
腰を回すことで、骨盤周辺の筋肉や軟骨などをほぐすことができます。
やり方はとても簡単。
転倒を防ぐため、足をしっかり開き姿勢を安定させて行ってください。
1.足を肩幅に開いて立つ(姿勢が安定する幅で)
2.両腰に手を当てる
3.上半身は動かさないようにして、円を描くようにゆっくりと腰を回す
4.この動作を10回行う
5.反対回しで同様に行う
2.クッション挟み
クッションを足に挟んで内側に力を入れます。この動作では緩んでしまった恥骨結合や骨盤底筋群を鍛えることができます。
1.椅子に腰かけるか、あおむけに寝る
2.クッションを膝の間に挟む。あおむけの場合は膝を立てて挟む。
3.膝と内もも、おしりに力を入れてクッションを潰すように押す
4.5回程度繰り返す
注意点として、腹圧をかけないように行う点があげられます。
お腹が張ってきたら中止してください。
シムス位で眠る
画像のような体勢をシムス位と言います。
体を横に傾け、脚の間にクッションやまくらなどを挟むことで、お腹や骨盤、恥骨にかかる負担を軽減できます。
妊娠後期に一番楽な体勢がシムス位なのです。
まとめ
恥骨痛は、軽い段階のうちに対策を行うことが重要です。
改善法で上げた姿勢や体操を行うとともに、違和感や痛みを感じたらまずは休むことを優先しましょう。
恥骨痛で大切なことは悪化させないことです。そのためにも、軽度のうちに安静を保つように心がけてください。

治験・臨床試験は新しいお薬の開発に欠かせません。治験や疾患啓発の活動を通じてより多くの方に治験の理解を深めて頂く事を目指しています。治験について知る事で治験がより身近なものになるはずです。
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