脳の老化を遅らせるには緑葉野菜を食べると良い?

ホウレンソウやケール、レタスなどの緑葉野菜を毎日食べている人は、脳が老化する速度が遅い可能性を示唆する研究結果が「Neurology」2017年12月20日オンライン版に掲載された。

同研究では緑葉野菜をほとんど、あるいは全く食べない人と比べ、毎日1回以上食べている人では脳年齢が11歳若いことが示されたという。

この研究を実施したのは米ラッシュ大学医療センターのMartha Clare Morris氏ら。
高齢者の認知機能などを調査するプロジェクトの参加者のうち、食品摂取頻度について回答し、平均4.7年の追跡期間中に2回以上の認知機能評価を受けた58~99歳の男女960人(平均年齢81歳)を対象に、緑葉野菜の摂取頻度と認知機能の低下度との関連について検討した。

緑葉野菜の摂取頻度で五分位に分けて解析した結果、摂取頻度が最も高い群(1日当たり平均1.3回)では、最も低い群(同0.1回)と比べて認知機能の低下度が小さく、年齢に換算すると11歳若いことが示された。
また、このような関連は認知機能に影響する可能性がある喫煙や高血圧、肥満、学歴、身体活動量、認知面の活動量といった因子を考慮しても認められた。

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ただ、この研究は緑葉野菜を毎日摂取すれば脳の老化が遅くなるという因果関係を証明したものではない。アルツハイマー協会のKeith Fargo氏は、その点を指摘した上で、「脳の健康には食事などの生活習慣に関連した因子がいかに重要かを裏付けるエビデンスが集積しつつあるが、今回の研究結果もその一つだと言える」と説明している。

一方、研究を実施したMorris氏らは、緑葉野菜に含まれているビタミンKやルテイン、葉酸などの栄養素が脳の老化を遅らせることに関係しているとの見解を示しているが、同氏やFargo氏らはこれらの栄養素をサプリメントで摂取することについては批判的だ。

Morris氏は「食品に含まれている栄養素の複雑なバランスはサプリメントでは再現できない」として、これらの栄養素は野菜そのものを食べて摂取すべきだと強調している。

また両氏は今回の研究が因果関係を証明したものではないことは認めつつも、「食事に葉物野菜を追加することによるデメリットは小さいはずだ」と指摘。脳の健康には食事を含めた全般的な生活習慣が影響することを認識してほしいと呼び掛けている。

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HealthDay News 2017年12月20日
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