アブラナ科野菜を摂取するほど全死亡リスク減 約9万人の日本人男女を解析、JPHC研究

40歳代半ば以降の日本人の男女は、キャベツやブロッコリー、白菜などのアブラナ科の野菜を多く摂取するほど全死亡リスクが低減する可能性があると、国立がん研究センターなどの多目的コホート(JPHC)研究グループが発表した。

研究の詳細は「Clinical Nutrition」4月23日オンライン版に掲載された。

アブラナ科の野菜には、抗炎症作用や発がん抑制作用で知られる「イソチオシアネート」と呼ばれる成分が豊富に含まれている。
しかし、アブラナ科の野菜の摂取量と死亡との関連を包括的に検討した大規模な観察研究は実施されていなかった。

研究グループは今回、JPHC研究に参加した45~74歳の男女約9万人を長期にわたり前向きに追跡したデータを用いて、アブラナ科の野菜の摂取量と全死亡、がんや心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患および外因による死亡リスクとの関連を調べた。

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今回の研究では、ベースライン時(1990年および1993年)に全国11地域に在住し、がんや心筋梗塞、脳卒中の既往がなく、研究開始から5年後の食物摂取頻度質問票に回答した45~74歳の8万8,184人(うち男性4万622人)を対象に、2014年まで追跡を行った。
質問票では漬け物を含む11項目のアブラナ科の野菜(キャベツ、大根、小松菜、ブロッコリー、白菜、チンゲンサイ、からし菜、フダンソウ、たくあん漬け、野沢菜漬け、白菜漬け)からアブラナ科の野菜の総摂取量を推定した。

中央値で16.9年の追跡期間中に1万5,349人が死亡した。
男女別にアブラナ科の野菜の総摂取量で5つの群に分けて解析した結果、全死亡リスクは、摂取量が最も少ない群と比べて最も多い群で男性では14%、女性では11%それぞれ有意に低下することが分かった(傾向P値はそれぞれ0.0002、0.03)。

また、疾患別の死亡リスクを比較した結果、男性ではアブラナ科の野菜の摂取量が最も少ない群と比べて最も多い群でがんによる死亡リスクが16%有意に低下した(P=0.001)。
一方、女性では摂取量が最も多い群で心疾患リスクが27%(P=0.01)、外因による死亡リスクが40%(P=0.005)有意に低下し、脳血管疾患リスクも22%(P=0.05)低下した。

さらに、野菜の種類別の摂取量と全死亡リスクとの関連について解析したところ、男性ではブロッコリー、たくあん漬けの摂取量が最も多い群で、女性では大根、ブロッコリーの摂取量が最も多い群で死亡リスクが低減した。

以上の結果について、研究グループは「アブラナ科の野菜に多く含まれるイソチオシアネートや抗酸化性のビタミンによる抗炎症作用と抗酸化作用が死亡リスクの低下に寄与している可能性がある」と指摘。
今後の研究ではイソチオシアネートの種類を詳細に解析したり、尿中イソチオシアネートなどの生体指標を用いた検討を行う必要があるとしている。

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参考情報:リンク先
HealthDay News 2018年7月2日
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