バストに不満あると乳がんチェックを怠りがちに?


この研究結果は「Body Image」3月号(1月2日オンライン版)に掲載されている。
この研究を実施したのは英アングリア・ラスキン大学心理学教授のViren Swami氏ら。対象は18~76歳の英国人女性384人だった。このうち31%は自分のバストが大き過ぎることに、44%はバストが小さ過ぎることに不満を持っていた。
また、乳がんのセルフチェックの頻度について聞いたところ、「ほとんどしない」または「全くしない」と回答した女性の割合は全体の33%だった。
さらに、もし乳房に異変があることに気付いた場合、医師を受診するかどうか聞いたところ、全体の55%が「すぐに受診する」と回答したが、「できるだけ受診を遅らせる」あるいは「受診するつもりはない」と回答した女性も10人中1人を占めていた。

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バストサイズへの不満度と乳がんセルフチェックの頻度や受診行動との関連について検討するため、Swami氏らは回帰分析を実施した。
その結果、バストサイズへの不満はセルフチェックの頻度の低下や受診の遅れに有意に関連していたという。
この研究結果を踏まえ、Swami氏は「バストサイズに不満がある女性にとって、自分の乳房をチェックする行為は自身が抱く身体像(ボディイメージ)を脅かすことにつながるため、こうした行為を避けてしまうのかもしれない。
また、バストへの不満があると羞恥心や屈辱感といった否定的な自意識感情を呼び起こされることもセルフチェックを回避する要因の一つかもしれない」と考察している。
さらに同氏は「普段から乳房の状態に注意を払い、乳がんの早期発見につなげることを提唱する“Breast Awareness”の考えが広がれば、乳房を審美的な側面からでなく機能的な側面からとらえる女性が増えるのではないか」と話している。

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