血糖変動の増大が心臓自律神経障害につながる可能性 日本人2型糖尿病患者を対象に解析、東京慈恵会医大

日本人の2型糖尿病患者では、血糖変動が大きくなると心臓自律神経機能を評価する指標の一つである圧受容器反射感受性(baroreflex sensitivity;BRS)の低下と関連する可能性があると、東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科の坂本昌也氏らの研究グループが「Cardiovascular Diabetology」3月7日号に発表した。

BRSの低下は心血管イベントの発症につながる可能性が高いと考えられており、2型糖尿病患者ではBRSを評価することで心血管イベントリスクを予測できる可能性があるという。

BRSとは、血圧が変化した時の心拍(RR)間隔の変化の程度との関連から心臓自律神経機能を評価する指標の一つで、BRSの低下は心臓自律神経障害を示唆し、心血管イベントリスクとも関連すると考えられている。
これまでの研究で、2型糖尿病患者におけるBRSの低下には、年齢や肥満、低アディポネクチン血症、動脈硬化、高血圧といった因子が関与する可能性が指摘されているが、血糖変動が及ぼす影響については明らかにされていなかった。

研究グループは今回、多施設から登録した2型糖尿病の連続症例102人を対象に、持続血糖モニター(CGM)を3日間装着してもらい、血糖変動指標とBRSとの関連を調べる前向きのオープンラベル試験を行った。
血糖変動の指標には標準偏差(SD)、変動係数(CV)、平均血糖変動幅(mean amplitude of glycemic excursions;MAGE)を用いた。
また、BRSは入院初日に測定した心電図検査(ECG)と血圧測定の記録から評価した。

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対象患者のうち、不整脈を呈した患者や抗精神病薬の服用歴がある患者などを除いた94人を対象に解析を行った。
解析対象患者の糖尿病罹病期間は平均9.7±9.6年、HbA1c平均値は7.7±1.5%であった。

単変量解析の結果、血糖変動のSDとCV、MAGEはいずれもBRSと負の相関を示したが、平均血糖値や空腹時血糖値、HbA1c値とはこうした関連は認められなかった。
また、BRSはこれらの血糖変動指標のほかにも、RR間隔や心拍数、心臓足首血管指数(CAVI)、年齢、推算糸球体濾過量(eGFR)値と関連することが分かった。

また、多変量回帰分析の結果、血糖変動指標のCVとMAGEは、年齢や性、高血圧や脂質異常症の既往、心拍数、eGFR値、CAVI、CGMで評価した平均血糖値とは独立したBRS低下の予測因子であることも分かった。
さらに、解析対象患者を糖尿病の罹病期間で4つの群に分けて解析したところ、年齢や性とは独立して罹病期間が2年以上になるとBRSは低下していた。

研究グループによると、この研究は、2型糖尿病患者を対象にCGMで評価した血糖変動とBRSとの関連を調べた初めてのものだという。
坂本氏らは、これらの結果を踏まえて、「日本人の2型糖尿病患者において、血糖変動は平均血糖値とは独立してBRSの低下と関連することが分かった。
今後、前向き研究でさらに検討する必要があるが、今回の結果は、血糖変動が心臓自律神経系に影響を及ぼす重要なリスク因子である可能性を示唆している」と結論づけている。

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参考情報:リンク先
HealthDay News 2018年4月2日
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