オフィスワーカー、研修医ではビタミンD欠乏リスクが高い

日中、屋内に閉じこもって過ごす人は屋外で活動する人に比べてビタミンDが不足しやすく、その重症度は職業によって異なる―こんな研究報告が「BMC Public Health」6月22日オンライン版に掲載された。

 研究を率いたアルバータ大学(カナダ)予防医学准教授のSebastian Straube氏は、「ビタミンDの欠乏や不足は多くの人にみられるが、今回、職業がその重要な危険因子であることが分かった」と述べている。ビタミンDは一部の食品に含まれているが、おもに皮膚に日光を浴びることで生成されるため“太陽光ビタミン”とも呼ばれている。

 同氏らは今回、世界各国で過去に実施された研究71件、計5万3,400人超のデータを統合。ビタミンD欠乏度の指標として血清25-ヒドロキシビタミンD濃度の平均値を算出した。同値が20ng/mL未満であればビタミンD欠乏、30ng/mL未満であればビタミンD不足とした。

 その結果、屋内で働く労働者は屋外で働く労働者に比べ、同値が低いことが明らかになった(16.3ng/mL対26.7ng/mL、p<0.0001)。ビタミンD欠乏がみられる人の割合は、屋外で働く労働者では48%であったのに対し、屋内で働く労働者では78%、交代勤務の労働者では80%だった。

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 医療従事者の中でも、職種によりビタミンDの欠乏リスクは異なった。長時間労働が問題となることが多い研修医では65%にビタミンD欠乏がみられたが、医師では46%、看護師では43%、その他の医療従事者では44%にとどまった。なお、医療に関連する学部の学生では72%にビタミンD欠乏が認められた。

 全体として、職業にかかわらずビタミンD欠乏と不足を合わせた割合は極めて高かった。屋内で働く労働者の91%、屋外で働く労働者の75%はビタミンD不足に該当していた。

 ビタミンDは生命維持に欠かせないビタミンの1つで、カルシウムの吸収を助けたり、免疫力を高めたり、炎症を抑えたりする作用がある。臨床栄養学の専門家である米ニューヨーク大学医療センターのSamantha Heller氏は、今回の研究結果について「日焼け止めの使用や屋外で過ごす時間の減少に伴い、体内におけるビタミンD産生が減少し、多くの人がビタミンD補充の必要な状態に陥っている可能性がある」とコメントしている。Straube氏は、「日光を浴びればビタミンDを自然に補充できるが、過度の日光浴による皮膚がんのリスクの懸念もある。バランスが大切だ」と話している。

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HealthDay News 2017年6月22日
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