スポーツ観戦で心臓にストレス、興奮で心拍数2倍にも

アイスホッケーの試合を観戦するだけで、心臓には大きな負担がかかる可能性があるという研究結果が「Canadian Journal of Cardiology」10月4日オンライン版に掲載された。

過去の研究では、サッカーの試合中に観戦者の心拍数が上昇することが示されており、ワールドカップなどの大規模なサッカー大会が開催される期間には心筋梗塞が増えることも知られている。
そこで今回、モントリオール大学(カナダ)のPaul Khairy氏らは、同国で人気のスポーツであるアイスホッケーの地元チームのファン20人(平均年齢46歳、35%が女性)を対象とした研究で試合観戦による心臓への影響を検討した。

まず、対象者には健康状態とアイスホッケーに関する簡単な質問票に答えてもらい、この情報から各人の「ファンとしての情熱度」を点数化した。
その後、心拍数を測定するための携帯型ホルター心電計を装着し、半数は試合会場で、残り半数は自宅のテレビで、アイスホッケーの試合を観戦してもらった。

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その結果、対象者の心拍数は安静時と比べて観戦中に92%(中央値)も上昇することが明らかになった。特に試合会場でライブ観戦した場合は上昇率が110%と、安静時の2倍以上に達していた。
テレビ観戦の場合の上昇率は75%だった。
なお、対象者の年齢や対戦チームの強さ、ファンとしての情熱度による差は認められなかった。

戦況との関連でみると、味方チームまたは相手チームがゴールへのシュートを試みたときに心拍数が最大になることが多かった。
ただ、試合が延長戦にもつれこんだ場合は、その延長時間中に心拍数が最大になっていた。

これらの結果から、スポーツ観戦による心理的なストレスは、試合の勝ち負けではなく激しい駆け引きや緊迫した場面での興奮からもたらされることが裏付けられた。

Khairy氏は「アイスホッケーの観戦では心拍数が著しく上昇することが分かり、強い心理的ストレスを生じ得ることが示された。
集団レベルでみれば、こうしたストレス反応によって有害な心血管疾患が引き起こされる可能性がある」として、この知見は公衆衛生において重要なものだと述べている。

一方、この研究の付随論説を執筆した研究者らは「今回の研究から、医師は心疾患の患者に対してスポーツ観戦のリスクについて伝える必要があることが示唆された」とコメントしている。

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HealthDay News 2017年10月5日
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