夫婦関係の変化が男性の健康に影響


この研究では、夫婦関係の変化が男性のBMI(体格指数)や脂質値などの心血管リスク因子の変化にわずかだが関連することが示されたという。
英ブリストル大学のIan Bennett-Britton氏らは今回、子どもが生まれた既婚男性を19年間にわたり追跡した英国の研究データを用い、研究開始時から6年後の夫婦関係の変化と19年後の心血管リスク因子との関連について検討した。
解析対象は研究開始時と6年後に夫婦関係に関する質問票に回答した男性620人とした。
収入や年齢などのさまざまな因子で調整して解析した結果、研究開始時から6年後の調査時までに夫婦関係に変化はなく常に良好だった男性と比べ、夫婦関係が改善した男性では19年後のLDLコレステロール値が9.7mg/dL、BMIは1.07低かった。
また、夫婦関係の改善は総コレステロール値と拡張期血圧値の改善との間にもより弱いながらも関連が認められた。

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一方、同期間に夫婦関係が悪化した男性では、常に関係が良好だった男性と比べて拡張期血圧値が2.74mmHg悪化していた。
なお、一貫して「夫婦関係が悪い」と答えた男性では心血管リスク因子への悪影響はほとんどみられなかった。
こうした心血管リスク因子にはさまざまな要因が影響しており、今回の研究は因果関係を証明するものではない。Bennett-Britton氏は「結婚と健康との間には明白な関係性があることが多くの研究で示されているが、単に健康で裕福な人の方が結婚しやすいためにこの現象が生じているのか、それとも結婚そのものが保護効果を持つのかは明らかでない」と説明。
「いずれにしても、今回分かった夫婦関係の経時的な変化が及ぼす影響は、個人にとっては小さいものだが、社会全体でみればかなり大きなものと考えられるだろう」と述べている。

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