帝王切開とは?手術の方法や術後の注意点を詳しく説明します

帝王切開について

帝王切開での出産件数は、近年増加傾向にあります。帝王切開はどのような場合に選択されるのでしょう?

帝王切開にはどのようなリスクがあるのか。帝王切開におけるメリットとは何か?そんな帝王切開に関する疑問にお答えします。

  1. 1.帝王切開とは
  2. 2.帝王切開の条件
  3. 3.帝王切開の方法
  4. 4.帝王切開に伴う痛みや傷跡
  5. 5.帝王切開のリスク
  6. 6.帝王切開のメリット
  7. 7.まとめ

帝王切開と聞くとなんだか痛かったり怖いとマイナスのイメージをお持ちの方もいるとは思います。
そこで今回は帝王切開について方法や痛み、リスクやメリットなどについて紹介します。

帝王切開とは

帝王切開とは、子宮にメスを入れて切開し、赤ちゃんを取り出す出産方法のことを言います。
帝王切開とはどうして行われる必要があるのでしょうか?

帝王切開は緊急的な出産方法
妊娠や出産は病気ではありません。生物としてごく当たり前の自然の摂理に基づいた行為です。
自然分娩とは経膣分娩のことを指し、子宮から直接赤ちゃんを取り出す帝王切開は、生物としてはイレギュラーな出産方法ととらえることができます。

しかし、帝王切開は赤ちゃんにとってはもっとも負担が少ない出産方法であるといえるのです。

赤ちゃんは、お母さんの産道を通過する過程で、何度も体勢を変えながらゆっくり時間をかけて産まれてきます。
それは小さな赤ちゃんにとってはとても負担大きいことなのです。

しかし帝王切開によって直接子宮から出られるこで、赤ちゃんに負担はかかりません。
さらに、陣痛やいきみなどでお母さんに危険を及ぼすリスクを避けることができます。

帝王切開は、赤ちゃんとお母さんを守るための緊急的な出産方法なのです。

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帝王切開の条件

では、帝王切開が選択されるケースにはどのような場合があるのでしょう?
妊娠高血圧症や心疾患などの持病がある
妊娠前からの持病や妊娠中のトラブルなどで、血圧が高い状態のお母さんや、心臓に疾患を抱えているお母さんは、自然分娩でいきむ行為は大変なリスクを伴います。

いきむ行為は心臓や血管に大きな負担をかけ、大量出血や心筋梗塞などを招く危険と隣り合わせにあるからです。

このような場合、いきむことのない帝王切開が選択されることになります。

双子などの多胎妊娠
双子だからと言っても、厳密には普通分娩が不可能というわけではありません。
しかしお産の時間が長引く傾向にあり、母子ともに状態が悪化するリスクが存在しています。

お母さんの状態が悪くなるということは、赤ちゃんの命に直結します。

そのようなリスクを避けるために、安全なお産を確保する目的で帝王切開が選択される傾向が強くなっています。

逆子
通常、赤ちゃんは頭を下にした逆立ちのような体勢でお母さんのお腹のなかにいます。
ところが、逆子の赤ちゃんでは、その体勢が逆で、頭が上で足が下になっています。

赤ちゃんは頭が一番大きく、出産時には頭が一番先にお母さんの産道から出てくるようになっています。
すると、手足やも関節の動きに逆らわずにスムーズに出てこられるようになるのです。

しかし、逆子の場合、足から先に産道を通ることになります。
すると途中で関節や頭が引っ掛かり、赤ちゃんはそれ以上進むことができなくなってしまうのです。
最悪の場合、お母さんも赤ちゃんも命の危険を伴うのが逆子の状態です。

そんなリスクを避けるためにも、逆子がなおらない場合は帝王切開での出産が選択されます。

骨盤が狭い
お母さんの骨盤が狭い場合、赤ちゃんは骨盤を通り抜けることができません。

無理に普通分娩を行おうとすると赤ちゃんに危険が及ぶ可能性が高まります。そのような場合も帝王切開を選択して、安全なお産となるように配慮します。
太りすぎ
妊娠中にお母さんが体重を増やしすぎてしまった場合や、もともとが肥満傾向のある場合です。
産道にも脂肪がついてしまっているため、赤ちゃんが通れるだけの広さが有りません。

このような場合、一度は通常分娩を試みはするものの、赤ちゃんがなかなか先に進むことができずに緊急で帝王切開に切り替えることがみられます。

子宮にメスを入れたことがある
過去の出産で帝王切開だった、子宮の手術の経験がある。
このように、過去に子宮を切開した経験のある人も帝王切開を選択するのが一般的です。

一度切開した場所は、どうしても他の部分と比べると組織が弱くなっています。
無理にいきんだりすると子宮損傷の危険があるためです。

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切迫早産
切迫早産とは、赤ちゃんがぎりぎりお腹の中にとどまっている状態です。
お腹から出ても、保育器などの環境があれば生存できる週数になるまで成長するのを待ってから、帝王切開での出産に踏み切ります。

これは、例えばお母さんに進行性の持病があって、妊娠期間をできるだけ短縮したい場合などにも行われる措置です。
へその緒が絡まっている
赤ちゃんの首などにへその緒が絡まっている場合、通常分娩を行うと、絡まっている箇所が締め付けられてしまいます。

すると血流や呼吸が阻害されるため、赤ちゃんの命に危険が及んでしまうのです。
エコーなどでへその緒が絡んでいることが確認された場合、安全のために帝王切開が選択されるのが一般的です。

前置胎盤
胎盤は、通常では子宮の上の方に作られます。
しかし、子宮口を塞ぐような形で胎盤が作られてしまうことを前置胎盤と呼びます。

子宮口が塞がれてしまうため、物理的に経膣分娩が不可能となります。

胎盤早期剥離
赤ちゃんが産まれる前に、胎盤が子宮から剥がれてきてしまうことを胎盤早期剥離といいます。

胎盤の機能が維持できなくなっているので、緊急で帝王切開による出産を行う必要があります。

破水後、長時間が経過した
破水から長時間たっても赤ちゃんが産まれて来ない場合、羊水の量が減ってしまうなどの理由で赤ちゃんの状態が悪くなってしまいます。
赤ちゃんの命を守るために緊急で帝王切開が行われます。

赤ちゃんの心拍が落ちた
難産や分娩中のトラブルなどで、赤ちゃんの心拍が落ちる場合があります。心拍が落ちるということは、血流が悪くなっている証拠です。脳などに障害がおこる危険も考えられます。

一時的に心拍が落ちることはそれほど珍しいことではありませんが、状態が改善されない場合は帝王切開に踏み切ります。

帝王切開の方法

帝王切開というと、とにかくお腹を切って赤ちゃんを取り上げる方法だということは想像がつきますが、詳しいやり方についてはわからない部分も多いところです。

帝王切開時に使用される麻酔や切開方法について解説します。

麻酔の方法
通常、帝王切開では意識を保つことのできる局所麻酔が選択されます。
ですから、赤ちゃんの産声を聞くことができますし、産まれたての赤ちゃんと対面することができます。
局所麻酔では赤ちゃんに麻酔成分が及ぶことはほぼありませんから、安全な麻酔方法と言えます。

一方、あまり頻度は高くありませんが、全身麻酔で帝王切開をしなければならない場合も存在します。
それは一刻を争うような危険な状態になった時です。

全身麻酔は局所麻酔よりも効果が現れるのが速いため、局所麻酔の効果を待っていられないような場合に選択されます。
全身麻酔では意識もなくなるため、気が付いたころには出産が終了しています。

切開の方法
帝王切開では、皮膚・筋肉・腹膜・子宮の4層を切開していきます。
切開の仕方は2種類あり、緊急度などによって使い分けられることになります。

1:皮膚を横に切る場合

  • 皮膚と筋肉を横切り
  • 腹膜を縦切り
  • 子宮を横切り

と、横と縦を組み合わせて行います。
メリットは術後の傷跡が目立ちにくいことで、デメリットは時間がかかることです。

2:皮膚を縦に切る場合

  • 皮膚筋肉腹膜を一気に縦切り
  • 子宮を横切り

この方法のメリットは、短時間で赤ちゃんを取り上げることができることです。緊急度が高い場合に選択されます。
皮膚の横切りに比べると、傷跡が目立ちやすいというデメリットがあります。

帝王切開に伴う痛みや傷跡

帝王切開は立派な手術ですから、痛みや傷跡についても気になりますよね。
術中や術後の痛み、傷跡についてまとめました。

術中の痛みは?
帝王切開では麻酔を使用しますから、術中の痛みを感じることはありません。ただし、局所麻酔で腰から麻酔薬を入れる場合、麻酔注入時に痛みを感じることがあります。

全身麻酔は点滴などから注入されますから、麻酔処置時の痛みを感じることはありません。

産後の痛みは?
これは普通の手術と同じです。

術後も痛み止めを使用してもらえますが、やはり経膣分娩と比べると数日間は痛みに耐える日々が続くでしょう。

腹筋を切っていますから、体勢を変える、咳、笑う、排せつなど、ほぼすべての動作に痛みが伴います。
帝王切開は産んでからが辛いと言われる理由はここにあるのです。

傷跡は残る?
縦切りと横切りを比較すると、縦切りのほうが傷跡が目立ちやすくなります。
体質には個人差がありますが、数年するとほとんど目立たなくなっている場合が多いようです。
ただし傷跡が残りやすい人やケロイド体質の人は、傷跡が残ってしまう事もあります。

とは言っても、ほとんどのお母さんが「名誉の傷」と肯定的にとらえているようです。

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帝王切開のリスク

お産にリスクはつきものです。

特に帝王切開は手術ですから、帝王切開ならではのリスクも存在しています。
代表的なものを見てみましょう。

大量出血や輸血
体を切るという行為ですから、当然出血が起こります。
その場合、大量出血やそれに伴う輸血のリスクがあります。

ほとんど起こることはありませんが、輸血による感染やアレルギー症状によるショック状態が起こるリスクはゼロではありません。

麻酔に対するアレルギー
ごくまれに、麻酔成分に対してアレルギーを持つ人がいます。そのような場合、急激なアレルギー反応によって血圧の急低下や呼吸困難などのショック症状を起こすことがあります。

麻酔のリスクで一番危険度が高いのが、このアレルギー症状なのです。
術後の臓器の癒着
現代では、早期離床が積極的に行われています。術後で痛みがあるからと、いつまでもベッドで安静にしていると回復がかえって遅れてしまうためです。

例えば、帝王切開で切った場所が不自然にくっついてしまったり、子宮と筋肉などが癒着してしまったりする可能性があります。

そのため、痛みをコントロールしながら、術後2日目から徐々に体を動かしていくことになります。

腸閉塞
赤ちゃんを子宮から取り上げる際、腸の位置がずれてしまいます。医師はとりあえず腸をお腹の中に戻して傷口を縫合します。

腸が自然な位置に戻れないと、腸閉塞を起こすこともあります。ガスが出たかの確認が行われるのはこのためなのです。

感染症や腹膜炎
傷口の衛生状態が良くないと、そこから細菌などに感染して炎症などを起こしやすくなります。
炎症がひどくなると腹膜炎を起こすこともあり、最悪、命の危険を伴います。

ほとんどみられることはありませんが、お母さんの免疫力の状態などによっては起こることがあります。

妊娠に関する制限
一人目を帝王切開で出産した場合、二人目もほぼ必然的に帝王切開が選択されます。
このように何度も子宮を切っていると、子宮破裂の危険が高まります。

そのため、次の妊娠までには最低でも1年以上は間を開けることや、個人差はありますが、出産回数はおよそ3回が限界などといった制限が設けられます。

帝王切開のメリット

大変なことばかりのように思える帝王切開ですが、メリットも存在しています。
帝王切開のメリットとはどんな点なのでしょうか?

出産時のリスクを最小限に抑える
帝王切開は、普通分娩にリスクが伴う場合に選択される方法です。
もしかしたら危険な状態になるかもしれないことが予想されるとき、そのリスクを最小限にするのが帝王切開による出産なのです。

これだけでも大きなメリットになるのではないでしょうか。
健康保険が適用になる
妊娠や出産は病気ではありません。そのため、通常は健康保険の対象とはなりません。

ところが帝王切開は出産時の異常とみなされるため、健康保険が適用されます。

つまり費用面での負担が軽く済むのです。
また、契約している医療保険や生命保険からも保険金の支給対象となります。
帝王切開での出産になったことで、お産の費用が「黒字」になることも珍しくありません。

母子の安全を最優先にした出産方法
パパやママ、祖父母や兄弟といった家族、医師も看護師も助産師も、全ての人が母子ともに安全にお産ができますようにと心から願っています。

確かに帝王切開は術後の痛みや次の妊娠の制限など、デメリットも多くあります。
しかし、一番大切なのは赤ちゃんもお母さんも無事健康な状態でお産を終えることです。

お母さんと赤ちゃんの安全を最優先にした選択が帝王切開なのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか、帝王切開でのリスクやメリットなどお分りいただけましたでしょうか?
しっかりと理解しご自身と赤ちゃんの健康を考え、リスクなどを考慮した上で帝王切開を選択しましょう。

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