【クラミジアの検査・原因・薬物治療】性病「クラミジア」とは

クラミジアについて

性感染症の中でも最も多いといわれているクラミジア。性病のことはなかなか恥ずかしくて他人には聞けないですが、きちんと知識を持っておくことは、自分の身を守るためにも大切です。そこで今回はクラミジアの原因、症状、治療法について説明します。
  1. 1.はじめに
  2. 2.クラミジアとは
  3. 3.クラミジアの原因は
  4. 4.クラミジアと考えられる症状は?
  5. 5.クラミジアが原因でかかる病気や疾患は?
  6. 6.クラミジアの治療
  7. 7.クラミジアにならないためには
  8. 8.おわりに

はじめに

性感染症の中でも最も多いといわれているクラミジア。性病のことはなかなか恥ずかしくて他人には聞けないですが、きちんと知識を持っておくことは、自分の身を守るためにも大切です。

そこで今回はクラミジアについて、知っておくべきことをまとめました。

クラミジアとは

クラミジアとは、性感染症の一種で、多くの場合自覚症状が少なく、不妊症の原因となることが特徴とされています。

性感染症の中でも感染者が多く、妊婦検診においては正常妊婦の3~5%でクラミジアの感染があるというデータもあり、推定では国内でも百万人以上の感染があるとされています。

近年では若い女性での感染も多く、特に若い女性での感染は将来の不妊につながる可能性もあり、非常に大きな問題となっています。

クラミジアの原因は

クラミジアは、クラミジア・トラコマティスと呼ばれる病原体に感染することで発症します。

この病原体自体は非常に弱く、水中でもあまり長く生きることができないため、お風呂や温泉を通じて感染することはほとんどありません。
また、乾燥にも弱く、バスタオルなどの道具の共用によってもうつることはほとんどありません。

ただし、クラミジアは性行為によって非常に伝染しやすくなっており、粘膜同士の接触、精液、膣分泌液などの体液との接触など、あらゆる性行為によって感染する可能性があります。

また、性器への感染だけでなく、オーラルセックスを通じてのどへの感染が起こることも知られています。
この場合、自覚症状が出ないことも多く、知らぬ間に人にうつしてしまう事もあるので、リスクのある行動をとった場合は十分に注意しなければなりません。

特に、コンドームを使用しない性行為はリスクが高く、クラミジアに感染していた場合一回の性行為につき50%の確率で伝染させてしまうともいわれています。
たとえ感染を疑うようなことがなくとも、しっかりとコンドームを使用した行為を行うことが大切になってきます。

クラミジアと考えられる症状は?

クラミジアは性感染症の中でも特に自覚症状に乏しく、女性では約8割、男性では約5割の人に自覚症状がないといわれています。
しかし、十分に注意していれば気づくことができる症状もいくつかあるため、以下に紹介していきます。

男性に出る症状
男性の場合、初期感染の段階ではほとんど症状が見られませんが、時間がたつにつれて排尿時の痛みや性器のかゆみなどが見られるようになります。
また、病原体が精巣上体という、精子を運ぶ管の役割をする器官に及ぶと、副睾丸炎という病気を引き起こします。
症状としては発熱、睾丸の腫れ、痛みなどがあらわれ、ひどい時にはリンゴ大まで膨れ上がることもあるようです。
また、さらに悪化した場合には尿道から粘液性の分泌物が出てくることもありますが、多くの場合は排尿時におし流されてしまうため、よくよく注意していなければ気づくことは難しいでしょう。

女性に出る症状
女性の場合、クラミジアに感染していると不妊症の大きな原因となってしまいます。
にもかかわらず、男性よりもさらに症状がわかりにくいため、感染していることに気が付かず、病状がかなり悪化してから気が付くということも少なくありません。
考えられる症状として、おりものの量が少し増えることや、性交時の痛み、不正出血などがあげられますが、そのほかに明確な症状は現れてこないのです。

男女共通の症状
のどにクラミジア感染が起きた場合、のどの痛みと痰の量の増加がみられます。
上記の症状と合わせて見られた場合は、クラミジアの感染を疑いましょう。

クラミジアが原因でかかる病気や疾患は?

クラミジアは、放置しておくと様々な病気の原因となります。

男性の場合、先ほど紹介した副睾丸炎が代表的なものですが、女性の場合はさらにさまざまな病気を引き起こすリスクがあります。

女性のクラミジア感染が進行すると、子宮の内部にまで炎症が広がり、子宮頚管炎や子宮内膜炎を引き起こします。
子宮内膜炎を引き起こすと、発熱、下腹部痛、不正出血などがみられ、子宮から卵管にまで感染が広がると、卵管が狭くなったり、閉じたりしてしまうため、不妊症の原因にもなってしまいます。

さらに、炎症がおなか全体にまで広がると、骨盤内炎症性疾患という状態におちいってしまいます。
骨盤内炎症性疾患でも、下腹部痛、発熱、不正出血などが見られ、特に月経中や月経後に強く症状が見られます。

重症例では卵管や卵巣が破裂してしまい、死の危険にさらされてしまう可能性もあり、十分な注意が必要です。

他に、妊娠中の女性がクラミジアに感染していた場合、流産や早産を引き起こす可能性が高くなります。
また、おなかの中の赤ちゃんにもクラミジアが感染してしまい、生まれた後に結膜炎や肺炎などを引き起こしてしまう事もあります。

また、男女ともにクラミジアに感染していると、HIVなどほかの性感染症にかかるリスクも高くなることが知られています。

クラミジアの治療

クラミジアの治療には、テトラサイクリン系、マクロライド系、ニューキノロン系と呼ばれる抗菌薬が用いられ、順調にいけば数週間で完治させることが可能です。

ただ注意しなければならないのは、パートナーの片方だけに治療を行っても、もう片方がクラミジアの病原体を持ったままでいると、ピンポン感染といって、互いに交互に病気を感染させあってしまう事になるという事です。

クラミジアと診断された場合、勇気をもってパートナーにも伝え、一緒に治療を受けてもらうことが大切となります。

クラミジアにならないためには

クラミジアに感染しないためには、まず何よりもコンドームの使用が大切です。コンドームは避妊のために使用するのはもちろんのこと、正しく使えば性感染症を防ぐことも可能です。

また、性行為の前後は体を清潔に保ち、病原体が感染する機会をなるべく少なくすることも有効となります。

他に、特定のパートナーを持つということも大切です。複数のパートナーの性行為を繰り返すと、それだけ感染の機会を増やすことになるため、パートナーを特定することも感染の予防につながるのです。

おわりに

その性質上、公に語られることはあまりありませんが、性感染症については生活の上で知っておくべき大切な知識です。

今回の記事を通して、性感染症のひとつであるクラミジアについて、必要な情報を知っておき、必要な時の手助けになるとよいですね。

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