関節リウマチ患者はCOPDを発症するリスクが高い?

関節リウマチ患者は慢性閉塞性肺疾患(COPD)を発症するリスクが高い可能性があることが、ブリティッシュコロンビア大学(カナダ)のDiane Lacaille氏らによる研究で明らかになった。

この研究では、関節リウマチ患者は一般住民と比べてCOPDが原因で入院するリスクが約1.5倍であることが示されたという。詳細は「Arthritis Care & Research」10月19日オンライン版に掲載された。

関節リウマチは自己免疫疾患の一つで、身体の免疫系が細菌などの異物ではなく正常な組織を攻撃してしまうため、炎症を引き起こし、関節の赤み、腫れ、痛みなどの症状が出る。
一方、COPDは肺気腫や慢性気管支炎などの疾患の総称で、息切れや咳、胸の不快感や違和感、喘鳴などの症状が出る。COPDの最大のリスク因子は喫煙や受動喫煙である。

近年、COPDには炎症が関与することを示唆する複数の研究結果が報告されていた。
このことからLacaille氏らは炎症性疾患である関節リウマチの患者ではCOPDを発症しやすい可能性があると考え、今回の研究を実施したという。

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対象は、ブリティッシュコロンビア州で1996~2006年に関節リウマチと診断された2万4,625人と、出生年や性をマッチさせた一般住民2万5,396人。
COPDの発症リスクに影響する可能性がある他の因子を考慮して解析した結果、関節リウマチ患者では一般住民と比べてCOPDが原因で入院するリスクが1.47倍だった。

今回の研究は因果関係を明らかにしたものではない。
しかし、Lacaille氏は「炎症がCOPDの発症に関与していることが指摘されるようになったのはごく最近であり、関節リウマチ治療に携わっている医師には自分の患者がCOPDを発症するリスクが高いとの認識はないはずだ」とした上で、「今回の研究結果から、関節リウマチ治療における炎症コントロールの重要性があらためて強調された。さらにいえば、有効な治療によって完全に炎症を抑える必要性も示されたといえる」と付け加えている。

また、Lacaille氏は「関節リウマチ患者ではCOPDの初期症状に注意し、COPDの早期診断につなげる必要がある。
そうすれば、不可逆的な肺損傷が生じる前に治療を開始できる」と指摘。
また、喫煙などのリスク因子への対処も重要だとしている。

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HealthDay News 2017年10月31日
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