COVID-19で逼迫する医療フロントライン、低年齢患者への対応も急務

1月中旬に国内初の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者が確認されてから、3カ月近く過ぎようとしている。3月後半からは、連日三桁を超える新規患者が報告され、著名人の死亡という衝撃的なニュースも駆け巡った。

生活や経済が大きなダメージを受けつつあり、また今月1日には日本医師会が「医療危機的状況宣言」を発するなど、最も過酷な状況にある医療現場での逼迫度は増している。そのような状況においても、患者の救命につながる可能性のある情報提供が、臨床の第一線を担う医療者から公に発信されている。

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日本感染症学会はホームページに、症例報告を随時紹介するコーナーを設けた。新しいものでは、3月31日に公開された船橋中央病院での「ファビピラビル(商品名アビガン)を早期投与し軽快した80代後半のCOVID-19肺炎の1例」など、有効と考えられる治療の報告が増えている。なお同学会は、これらの論文を「緊急報告」として扱い、査読は行うがあくまでも緊急性、重要性を鑑み公開するものと位置付けている。

また、著名人の治療に用いられたことで一般にもその名称が知られるようになった「ECMO(Extracorporeal membrane oxygenation.体外式膜型人工肺)」についても、国内でのCOVID-19に対する治療実績とアウトカムに関する報告が蓄積されつつある。COVID-19対策ECMOnetは、日本集中治療医学会・日本救急医学会・日本呼吸療法医学会などが立ち上げた、ECMOを中心とした重症患者管理の助言を行う電話相談窓口。関係する学会のサイトなどを通じ、ECMOの基本的注意事項や人工呼吸管理について情報を掲示している。

その3月30日の報告では、これまでに40例のCOVID-19患者にECMOが用いられ、ECMOから離脱し回復した患者が19人、治療継続中が15人、6人が死亡したことが伝えられた。また3月22日の報告では、COVID-19に対しECMOを適切に使用した場合の治療効果は通常のECMO使用例とほぼ同等であるが、76歳以上、LDH(乳酸脱水素酵素)636IU/L以上は予後不良因子の可能性があるという。

乳幼児や若年層での重症化も報告されている。日本小児科学会は3月13日、「小児の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の臨床的な特徴」と題し情報を掲示。それによると、主な症状は発熱と咳嗽で、上気道症状や消化器症状は特徴的ではなく、血液検査ではLDH軽度上昇を約3分の1に認めるという。3月30日には「新型コロナウイルス感染症の論文の紹介」とし、新型コロナウイルス感染妊婦が出産した新生児が、生後2時間の血液検査でSARS-CoV-2特異的IgM陽性を認めたとの中国からの報告など、海外の最新論文を複数紹介している。

医療現場を支えるべく、日系メーカーも関連製品の生産・増産を急いでいる。ECMOの国内最大手のテルモは4月1日、生産を倍増することを発表。トヨタは北米で医療用フェイスガードなどを、スズキはインドで現地メーカーと人工呼吸器などを生産する。資生堂はフランスで、サントリーは米国子会社を通じ、アルコール消毒液の生産を開始している。

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参考情報:日本医師会日本感染症学会日本救急医学会日本集中治療医学会日本呼吸療法医学会日本小児科学会
HealthDay News 2020年4月6日
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