40代女性の高血圧は認知症リスクを上昇させる?

40歳代で高血圧を発症した女性は後に認知症を発症するリスクが高いとする研究結果が「Neurology」10月4日オンライン版に掲載された。

研究を率いた米カイザー・パーマネンテ北カリフォルニア研究部門のPaola Gilsanz氏は「これまで考えられていたよりも早い時期から高血圧は脳に影響を及ぼす可能性が示唆された」としている。

これまでの研究で高血圧と認知症との関連は示されていたが、50歳前の高血圧がリスク因子となるかどうかは明らかにされていなかった。
そこでGilsanz氏は今回、男女5,646人の医療記録データと健康調査データを用い、1964~1973年(平均年齢32.7歳)および1978~1985年(同44.3歳)の時点における高血圧の有無と、1996年(平均年齢59.8歳)から2015年までの認知症リスクとの関連について検討した。

その結果、30歳代での高血圧はその後の認知症リスクに関連していなかったが、40歳代で高血圧だった女性では、正常血圧だった女性と比べて認知症リスクが65%高いことが分かった。
また、30歳代では正常血圧だったが40歳代に高血圧を発症した女性では、いずれの時点でも正常血圧だった女性と比べて認知症リスクが73%高いことも示された。
さらに、こうした関連は喫煙、糖尿病、過体重などの因子を考慮しても認められたという。

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一方、男性では40歳代の高血圧と認知症リスクとの関連は認められなかった。
これについてGilsanz氏は「男性は認知症を発症しやすくなる年齢に達する前に死亡する確率が高いことが一因として考えられる」と説明。
また、今回の研究には関与していない米アルツハイマー病協会(AA)のKeith Fargo氏は「遺伝的因子や生活習慣、ホルモンの違いなども男女で異なる結果が得られた要因となっている可能性がある」との見方を示している。

さらにGilsanz氏は「男性よりも女性の方が認知症の有病率が高いことを考慮すると、女性でのみ40歳代の高血圧が認知症リスクに関係していることについて関心を持つ人は少なくないだろう。
今後の研究では性差をもたらす経路に着目し、男女それぞれのリスク因子を明らかにしていく必要がある」と話している。

今回の研究は「高血圧が原因で認知症を発症する」という因果関係を示したものではないが、Fargo氏は「長期間にわたって高血圧だった人で認知症の発症率が高いのは理にかなっている」とした上で、「認知症の症状は高齢期に現れる場合が多いため、高齢になってから初めて認知症について考える人が多い。
しかし、それよりももっと前の段階から、さまざまな因子が認知機能を低下させている」と説明。
このうち高血圧は薬物治療や生活習慣の改善でコントロールできる因子であることから、「認知症と戦う上で、高血圧などの修正可能な因子に対処することは強力な武器になる」と強調している。

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参考情報:リンク先
HealthDay News 2017年10月4日
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