糖尿病でも運動していれば介護リスクは糖尿病でない人と同レベル――新潟大

糖尿病患者は介護が必要になるリスクが高いものの、運動を続けていれば糖尿病でない人と変わらない程度にリスクが低下する可能性が報告された。新潟大学医学部血液・内分泌・代謝内科の曽根博仁氏、藤原和哉氏らが、新潟県三条市の医療ビッグデータを解析した結果、明らかになった。詳細は「BMJ Open Diabetes Research & Care」1月25日オンライン版に掲載された。

研究グループでは、三条市の特定健診と診療報酬請求および介護保険データを統合し、生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常症)および生活習慣(運動習慣の有無、現喫煙)と、介護保険の利用状況との関連を検討する後方視的コホート研究を行った。運動習慣の有無は「中等度の運動を週に2回30分以上、1年間継続していること」で判定した。

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2012~2015年に健診を受け、少なくとも2年間追跡可能だった39~98歳の1万1,469人のうち、心血管疾患の既往がなく要介護認定を受けていない9,673人(うち男性4,420人)を3.7年(中央値)追跡。すると追跡期間中に165人が要介護認定を受けた(うち要支援49人)。

要介護状態の発生に関連する可能性のある既知の因子を統計的に調整した上でリスク因子を検討すると、加齢(5歳ごとのハザード比2.48、P<0.001)やBMI18.5未満(ハザード比1.63、P=0.043)とともに、糖尿病(同1.74、P=0.013)と運動習慣がないこと(同1.83、P=0.001)が有意な因子として抽出された。

続いて、前記3種類の生活習慣病と運動習慣の有無を加えた、計4つのリスク因子の保有数と要介護リスクを検討。リスク因子を1つも保有していない人に比較し、1つ保有している人はハザード比1.34(P=0.365)、2つの人は同1.95(P=0.036)、3つの人は同2.11(P=0.031)で、4つ全てを保有している人は同3.93(P=0.003)であり、2つ以上保有している場合のリスク上昇は統計的に有意だった。

次に、対象全体を糖尿病の有無と運動習慣の有無で4群に分け、糖尿病がなく運動習慣がある人の要介護リスクを基準に、他の3群のリスクを比較した。すると、運動習慣がない人では糖尿病がある場合に有意に高リスク(ハザード比3.20、P<0.001)であるのはもちろん、糖尿病がなくても有意なリスク上昇(同1.82、P=0.003)が認められた。ところが、運動習慣がある人では糖尿病であっても有意なリスク上昇は認められなかった(同1.68、P=0.244)。

曽根氏は、「我々は以前、日本人糖尿病患者の大規模研究で、運動が糖尿病患者の死亡率を低下させる可能性を示したが、今回さらに、運動が介護リスクを非糖尿病者並みに改善し、健康寿命を延伸できる可能性も示せた。また、BMI18.5未満が要介護の独立したリスク因子であったことから、フレイルによる要介護発生を防ぐために、運動介入とともに栄養介入も重要と考えられる」と述べている。

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HealthDay News 2020年2月17日
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