全身性エリテマトーデスについて

「全身性エリテマトーデス」は、2016年にアメリカでも芸能人のセレーナゴメスさんが治療のために活動を休止したことや、2014年にドラマで石原さとみさんが発症してしまう役を演じたことから、病名を知っている人も少なくないでしょう。
免疫の異常によって発症するため、だれが発症してもおかしくありません。難病として指定されている全身性エリテマトーデスについて、基本的なことから知っていきましょう。
  1. 全身性エリテマトーデスとはどういうものか??
  2. 全身性エリテマトーデスの症状
  3. 全身性エリテマトーデスの治療法
  4. まとめ
全身性エリテマトーデスとはどういうものか?

全身性エリテマトーデスとは
本来身体を守るはずの免疫細胞が異常となってしまい、自分自身を攻撃してしまう自己免疫性疾患です。

「SLE」と略して呼ばれ、オオカミに噛まれた痕のような紅斑が出ることから「ループス」(ラテン語でオオカミを意味します。)とも名付けられています。20~40代の女性に多く発症する病気です。

原因は不明とされており紫外線を多く浴びたり、風邪などのウイルス感染、ホルモンバランスの崩れなどが誘因となっているとされています。

数年前までは、全身性エリテマトーデスを発症してからの寿命は5年と言われていましたが、ステロイドなどの使用によって生存率が上昇しています。

現在では、全身性エリテマトーデス発症後5年での生存率は95%を超え、普通に生活される方が増えています。

合併症を併発した場合死に至ることもあるので、注意が必要です。

全身性エリテマトーデスの検査と診断
全身性エリテマトーデスかもと疑いが出た場合は、下記の検査が行われます。様々な症状を表す疾患であることから、診断は慎重に行われており、現在日本では二種類の診断基準が使われています。

・血液検査
血液(抗核抗体、血算、赤沈)検査で、かかっている場合抗核抗体、抗ds-DNA抗体が要請になることが多いです。

・尿検査
蛋白尿や尿潜血が出ていないかを調べます。

その他に症状によって、生体検査・CT検査・MRI検査・髄液検査・脳波検査が行われます。

全身性エリテマトーデスの症状

初期症状は、発熱・だるさ・関節痛など風邪に似ています。なかなか改善しないことから発症が分かることが多いです。

・全身症状
38度を超える発熱が1週間以上続く・37.5度前後の微熱が2週間以上続くなどの発熱症状、全身の倦怠感や疲労感があります。また、食欲不振や体重減少なども出てきます。

・皮膚症状
蝶が羽を広げたような蝶型紅斑が出ることが有名です。また、顔や耳・首に丸い円盤のようなディスコイド疹が見られた理り、指が白く冷たくなるレイノー現象も起こります。

・関節症状
手・指・ヒザ・ヒジが腫れて痛む関節炎が起こります。また、日によって痛む場所が変化する移動型関節炎が見られることもあります。

・日光過敏症
紫外線に当たった後に赤い発疹・水ぶくれが出たり、発熱する場合があります。日光過敏症が全身性エリテマトーデスの始まりであることもあります。

・口内炎
痛みのない口内炎を発症します。鼻咽腔にもまれに発症することがあります。

・脱毛
円形脱毛のように部分的に毛が抜ける・全体の髪の量が減るなどの脱毛症状が出ます。また、髪が傷みやすく、途中から切れやすくなる人もいます。

・臓器障害
心臓・肺・消化器官・血液など全身のあらゆる臓器に障害を起こしますが、人によって症状や部位が異なります。また、臓器障害の出ない人もいます。

腎臓の場合、半数近くがかかってしまうループス腎炎と言われるネフローゼ症候群や急性進行性糸球体腎炎によるむくみや血尿などの症状があります。

心臓や肺では、漿膜炎が起こり、深呼吸すると胸が痛んだり、すぐに息切れしてしまうなどの症状が出ます。

他に、腹痛や吐き気が出た場合、腸間膜の血管炎や、ループス腹膜炎・ループス膀胱炎などの可能性もあります。

・中枢神経症状
中枢神経症状のCNSループスは重篤な症状とされています。うつ・失見当識・妄想という精神症状と、けいれん・脳血管障害などが見られます。

全身性エリテマトーデスの治療法

原因のわからない全身性エリテマトーデスですが、炎症を抑えて過剰な免疫を抑制することが夕刻な治療法になります。ステロイドの点滴薬・飲み薬が基本となり、炎症の状態が改善してきたら徐々に薬の量を減らしていきます。自己判断は絶対に禁物です。

ステロイドによって食欲が増進してしまうため糖尿病になりがちなため注意が必要です。さらに骨粗しょう症にもなりやすいので、合わせて薬が処方されることもあります。

日光を浴びることを極力避け、なるべくストレスをためないことも気を付けましょう。

全身性エリテマトーデスの予後は、症状が出なくなっている寛解期と再び症状が現れてしまう再燃を繰り返して慢性の経過をたどってしまいます。

しかし、閉経した女性の場合は再発する確率が少なくなっています。慢性化させず、再発させないためにもステロイド剤の服用と、医療機関への定期受診が大切です。

まとめ

全身性エリテマトーデスは何が原因で発症するかわからない難病のため、とても不安に思うかもしれません。

しかし、全身性エリテマトーデス発症したという国内外の芸能人の写真を見ると、実に多くの人がかかっていることが分かります。また、発症後も歌ったり踊ったりとされている方も多く、同じ全身性エリテマトーデスの人にとって希望が持てるでしょう。

以前とは違って生存率も高くなっており寛解期には、妊娠出産も可能ですので、きちんと投薬を受け、合併症を防ぐための定期診断を忘れず上手に付き合っていきましょう。

全身性エリテマトーデス(SLE)のセルフチェックに関する詳しい解説はこちら

全身性エリテマトーデスは膠原病の一種で難病指定されている病気です。
どういう症状があれば全身性エリテマトーデスが疑われるのでしょうか?今回は全身性エリテマトーデスの基本的な概要と、セルフチェックについてご紹介します。

全身性エリテマトーデス(SLE)とは?こんな症状に注意!セルフチェックについて

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