月経が近づくと無性にチョコが食べたくなるのはなぜ?


この研究を実施したのは米ニューヨーク州立大学オールバニ校のJulia Hormes氏ら。同氏らは今回、さまざまな文化的背景を持つ米国の女子大学生275人を対象とした調査を実施した。このうち81人は欧州やアジア、南米、オセアニアなど米国外の国で生まれた学生だった。
その結果、出身国を問わず「チョコレートが無性に食べたくなることがある」という女子学生が多いことに変わりはなかったが、「月経周期の特定の時期にチョコレートを食べたくなる」という回答者の割合を見ると、米国生まれの親を持つ女子学生で32.7%、親は海外からの移民だが自分は米国で生まれ育った移民2世の女子学生では40.9%だったが、海外出身の女子学生では17.3%にとどまっていた。

この調査結果を踏まえ、Hormes氏らの研究グループは「米国人女性には月経前にチョコレートが食べたくなるという人が多いが、世界の他の国々ではそのような女性は珍しいということが分かった」としている。
またHormes氏は、「月経前にチョコレートが欲しくなる」という現象が起きる要因の一つとして、文化的な背景が影響している可能性を指摘。「女性の美において『痩せていることが理想的』とされている社会では、チョコレートは“禁断の食べ物”。『月経前だから仕方がない』ということが、チョコレートを食べるための社会的に受け入れられやすい言い訳になっているのかもしれない」との見方を示している。
なお、過去の研究によると、月経周期の特定の時期にチョコレートを食べたくなる女性の割合は、スペインでは28%、エジプトでは6%ほどであることが分かっているという。研究グループは「これらの過去の研究で示されている地域差も、文化的な要因による影響が反映されているのではないか」との見方を示している。

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