家庭の経済状況は未就学児の肥満にも影響か 東北大

家庭の経済状況は、未就学児の肥満率に影響を及ぼす可能性のあることが、東北大学大学院公衆衛生学分野講師の遠又靖丈氏らの研究グループの検討で分かった。

特に時間的な余裕がない家庭において、経済状況が幼児の肥満リスクに関連していたことが示唆され、研究グループは「暮らし向きは、幼児の肥満の原因の一つに挙げられるのではないか」としている。詳細は「Journal of Epidemiology」6月9日オンライン版に掲載された。

家庭の経済状況は、学童期における肥満のリスク因子の一つとされているが、未就学児における関連は明らかにされていない。
研究グループは、家庭の経済状況と未就学児の肥満との関連を検討するため、保育所に通う4歳児を対象とした観察研究を行った。

研究グループは、仙台市内の143カ所の認可保育所に通う計1,848人の未就学児を対象に、2015年10月から12月にかけて横断研究を実施した。
家庭の経済状況に関しては、両親に暮らし向きや生活の中の時間的なゆとりについて尋ね、その回答から評価。対象とした子どもを「ゆとりがある」「どちらともいえない」「あまりゆとりはない」「全くゆとりはない」の4つの群に分けて解析した。
なお、肥満は男児がBMI 17.47kg/m2以上、女児は17.19kg/m2以上と定義した。

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対象とした子どもの肥満率は6.8%であった。また、家庭の経済状況は「ゆとりがある」が547人、「どちらともいえない」が600人、「あまりゆとりはない」が536人、「全くゆとりはない」は165人であった。

解析の結果、家庭の経済状況にゆとりがないと未就学児が肥満となる確率が有意に上昇することが分かった(ゆとりがある場合と比べた全くゆとりがない場合の肥満の調整オッズ比は2.31、95%信頼区間1.23~4.33)。

研究グループは「今回の解析では、認可保育所で給食を利用する子どもが対象となっていたが、こうした中でさえも家庭の経済状況が肥満の頻度と関連していた。
また、特に時間的な余裕がない家庭の子どもにおいて、家庭の経済状況と未就学児の肥満との間に強い関連がみられた。
家庭の経済状況は食生活と関連しており、例えば暮らし向きに余裕がない家庭では加工食品やファストフードの頻度が高い傾向にある」と分析。未就学児においても、家庭の経済状況は肥満のリスクを高める可能性があると結論づけている。

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参考情報:リンク先
HealthDay News 2018年6月25日
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