子宮外妊娠とは?原因・症状・検査・治療などを大解剖

子宮外妊娠について

子宮外妊娠とは、異所性妊娠とも呼ばれ、子宮腔内以外の場所で着床が起こった状態を言います。何が原因で子宮外妊娠は起こるのでしょうか?子宮外妊娠かどうかの検査方法や、子宮外妊娠が疑われる症状、子宮外妊娠だとわかった場合の対処法などもあわせて紹介します。
  1. 1. 子宮外妊娠とは
  2. 2. 子宮外妊娠の原因
  3. 3. 子宮外妊娠の症状
  4. 4. 子宮外妊娠の検査
  5. 5. 子宮外妊娠の治療
  6. 6. 赤ちゃんと再開するためにすぐに治療を

子宮外妊娠とは

子宮外妊娠とは、子宮腔内以外の場所で着床が起こった状態を言います。受精卵が着床した部位によって、何種類かに分類されています。

1.卵管妊娠
子宮外妊娠のなかで一番割合が高いのが、この卵管妊娠です。
卵子は卵巣から飛び出した後、卵管を通って子宮に到達します。通常、卵管では受精が起こるのみで、受精卵は子宮内部に到着してから着床となります。
ところが、さまざまな要因で卵子が子宮に到着できずにいると、そのまま卵管に着床せざるを得ません。
これが卵管妊娠です。

2.卵巣妊娠
基本的な原理は卵管妊娠と変わりません。
卵子は成熟し、排卵自体は起こったにもかかわらず、何らかの原因で卵管まで進むことが出来なかったことが原因です。そのため、卵巣内で受精が行われ、そのまま着床してしまいます。

3.腹膜妊娠
子宮や卵巣は腹膜という膜で覆われています。

何らかの原因で腹膜に着床してしまった場合が腹膜妊娠です。
もともと腹膜に着床する原発性腹膜妊娠と、卵管妊娠や卵巣妊娠が流産した途中で腹膜に再度着床する続発性腹膜妊娠があります。
腹膜妊娠のほとんどは、後者の続発性腹膜妊娠です。

4.子宮頚管妊娠
子宮頚管とは、子宮と産道をつなぐ部分です。分娩時以外は細く閉じられています。
本来着床するべき子宮腔内を通過してしまい、子宮頚管にて着床が起こった場合を、子宮頚管妊娠と言います。

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子宮外妊娠の原因

本来、受精から着床までの期間は約1週間程度です。ちょうどそれくらいの時間がすぎると、受精卵は子宮腔内に到着し、着床を行います。

ところが、様々な要因から、受精卵の到着の時期が着床の時期とタイミングを合わせられなくなるとおこるのが子宮外妊娠です。

ほとんどが卵管通過障害
様々な要因で卵子が卵管内をスムーズに通れなくなっていると、子宮に到着する前に着床が起こってしまいます。これが卵巣妊娠や卵管妊娠の起こる原因です。

では、卵管通過障害が起こるのはどうしてなのでしょうか?

卵管通過障害の原因の多くは性感染症
クラミジアを代表する性感染症の治療が適切に行われないと、感染がどんどん広がっていきます。
すると、子宮内から卵管、卵巣へと菌やウィルスが侵食していきます。その結果、卵管が炎症を起こし狭くなってしまいます。これが通過障害の原因となるのです。

子宮の奇形や子宮内膜炎
子宮奇形や子宮筋腫、子宮内膜症も子宮外妊娠を誘発する要因と言われています。
特に、子宮頚管妊娠では、その傾向が大きくなります。

子宮外妊娠の症状

一般的に、正常妊娠の自覚症状はこのようなものです。
  • 生理の遅れ
  • 基礎体温の高温期の継続
  • 妊娠検査薬の陽性反応
  • つわり症状の開始
それでは、子宮外妊娠の場合、特徴的な症状はあるのでしょうか?

基本的には正常妊娠と変わらない
子宮外妊娠であっても、妊娠自体は成立しています。
つまり、正常妊娠にみられる自覚症状は同じように感じることになります。

およそ妊娠6週未満においては、子宮外妊娠特有の症状を自覚することはほとんどないと言えるでしょう。

突然の腹痛
受精卵は日々成長を続けていきます。
子宮外妊娠で受精卵が着床した場所は、基本的にどこも狭く小さな場所です。いつか、受精卵のほうが大きくなってしまいます。

その結果、卵管が破れたり、亀裂が入ったり、受精卵が無理やり剥がれ落ちたりします。

子宮外妊娠が確定していない段階では、このような症状はあるとき突然、もしくは徐々に起こります。最初は腹部の違和感や鈍い痛みから始まり、突然にこれまで感じたことのないような激痛に襲われるのです。

出血
腹痛と同時に起こるのが出血です。

少量の出血がみられ、徐々に出血量が多くなっていく場合と、突然の腹痛とともに大量出血する場合があります。

前者の場合は生理と勘違いしやすく、発見が遅れがちになります。
後者の場合は卵管などの破裂が想定されるため、緊急の対応が必要となります。

子宮外妊娠の検査

子宮外妊娠が判明するパターンは2通りあります。
それぞれを詳しく見ていきましょう。

産婦人科受診で判明するケース
妊娠の自覚症状が現れると、産婦人科を受診しますよね。
その際に、本当に妊娠しているのかをエコー検査で確認します。尿検査で妊娠反応があるにも関わらず、子宮内に赤ちゃんを確認できない場合、子宮外妊娠が疑われることになります。

ただし、妊娠の早い段階では、赤ちゃんが小さすぎてエコーでは見つけられないこともあります。翌週以降に再度エコー検査を行い、それでも子宮内に赤ちゃんがみられない場合、子宮外妊娠であることが判明します。

そのほか、腹腔内の妊娠や出血状況を見るための検査や、流産の有無を確認するための検査なども併せて行われることもあります。

突然の腹痛や出血で判明するケース
妊娠していることに気付かず、赤ちゃんが大きくなっていくと、着床部位が耐えられずに出血や腹痛が起こります。

そのような異変に気付いて受診した結果、子宮外妊娠であったことが判明する場合もあります。行われる検査は、基本的には先の内容と同じですが、緊急の場合はそのまま治療に入ることになります。

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子宮外妊娠の治療

子宮外妊娠の場合、お母さんや赤ちゃんはどうなってしまうのでしょうか?
子宮外妊娠が判明した場合の治療法について解説します。

妊娠の継続は不可能
着床部位がどこであろうと、子宮外妊娠であることが確定した場合、非常に残念ですが妊娠を中断しなければなりません。それもできるだけ早期にです。

せっかく宿ってくれた大切な命ですが、そのまま妊娠を継続させたとしても赤ちゃんと会うことはできません。いつの日か赤ちゃんかお母さんの命が絶えられなくなるからです。

そしてそのリスクは日を追うごとに急激に高まります。とてもつらいことですが、一日でも早い決断が必要となります。

卵管妊娠の場合
子宮外妊娠のほとんどを占めているのが卵管妊娠です。

卵管妊娠の治療には次の方法があります。どの治療を行うのかは妊娠の状態によって異なってきます。

  • 卵管切除:着床部位の卵管を切り取ってしまう方法です。そのため、切除した側の卵巣からの妊娠を望むことはできません。
  • 卵管切開:卵管を切り開き、受精卵を取り除いた後、再び縫合します。切除とは違って、卵管を残すことが出来るのがメリットです。
  • 薬物療法:MTXという抗がん剤を投与し、受精卵などの妊娠組織を消滅させます。この場合も卵管を残すことが可能です。

卵巣妊娠の場合
卵巣妊娠の場合も、基本的には卵管妊娠に準じた治療が行われます。

  • 卵巣切除:着床している方の卵巣を取り除きます。卵巣は女性ホルモンを分泌する場所でもあるため、PMSや更年期障害などが強く現れやすくなる場合があります。片側の卵巣のみの切除の場合は、再び妊娠も可能です。
  • 薬物療法:卵管妊娠同様にMTXを投与します。

子宮頚管妊娠の場合
子宮頚管妊娠であった場合、状況によっては子宮全摘出を行わなければなりません。
しかし、状態によっては子宮を残すことは可能です。
部分的な切除やMTX投与などがそれにあたります。

腹膜妊娠の場合
腹膜妊娠の場合、腹腔症や開腹手術で着床部位を切除します。
場合によってはMTX投与も可能であり、再び妊娠することも望めます。

場合によっては待機療法も
正常妊娠であっても、初期には赤ちゃん側の要因で流産となってしまうことがあります。自然流産の確率は子宮外妊娠でも同じです。

お腹の中で育つことが出来なかった赤ちゃんは、お母さんの体内に吸収されるか、自然に流産となりお腹の外に出されます。
その時を待つのが待機療法です。

待機療法は適応できるケースが非常に限定されてしまいますが、一番体への負担が少ない方法です。

赤ちゃんと再開するためにすぐに治療を

産科医療の発展によって、子宮外妊娠であっても再び妊娠を望める可能性は格段に高くなりました。

今、お腹の中にいる命とは一度お別れしなくてはいけないのはとても悲しいことです。もういちどきちんと準備を整えてお母さんのもとに帰ってきてくれます。

その時、今度こそ元気に産んであげられるように、今はお母さんの体を最優先に考えなくてはなりません。子宮外妊娠は、とにかく早期の発見と早期の治療が重要なのです。

お母さんも赤ちゃんも、今はお互いに元気な対面をするための準備をする機会なのかもしれません。

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