短い教育歴や生活習慣病は認知症のリスク因子か 日本人対象の症例対照研究で検討、富山大

日本人では、短い教育歴や糖尿病などの生活習慣病は認知症のリスク因子である可能性のあることが、富山大学大学院疫学・健康政策学教授の関根道和氏と中堀伸枝氏らの研究グループが実施した地域住民を対象とした症例対照研究により明らかとなった。

詳細は「BMC Geriatrics」4月27日オンライン版に掲載された。

欧米の研究では、教育歴や職歴などの社会経済的因子と認知症リスクの関連が明らかになっている。
また、社会経済的地位が低いと認知症リスクが上昇するという関係には、生活習慣因子や糖尿病などの生活習慣病が介在すると考えられている。

研究グループは、2014年に実施された富山県認知症高齢者実態調査のデータを用いて分析を行った。
同調査は、同県在住の65歳以上の高齢者1,537人を無作為に抽出し、同意が得られた1,303人(回答率84.8%)を対象としたもの。
今回の研究では、認知症患者137人と認知症のない1,039人(対照群)を対象に、病歴や生活習慣に関する因子(喫煙歴、飲酒習慣など)、社会経済的因子(教育歴および職歴)と認知症との関係を調べた。

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年齢と性を調整して教育歴と認知症の発症リスクとの関係をロジスティック回帰分析で検討したところ、教育歴が短い(6年以下)人では、教育歴が長い(10年以上)人と比べて認知症リスクは3.27倍であった。
さらに、生活習慣因子や病歴、職歴で調整して解析すると、認知症リスクは3.23~3.56倍に上昇したと、研究グループは報告している。

また、認知症リスクの上昇と有意に関連する因子として男性、高齢(85歳以上)、習慣的な飲酒習慣、糖尿病やパーキンソン病、脳卒中、狭心症および心血管疾患の既往歴が挙げられた。
認知症リスクは、糖尿病があると2.03倍、脳卒中の既往があると2.59倍、狭心症や心筋梗塞の既往があると1.81倍であった。

さらに、今回の研究では、教育歴および職歴と、喫煙や飲酒などの生活習慣因子および生活習慣病との関係は認められず、社会経済的地位の低さと認知症リスクの関係に対する生活習慣病の媒介効果は最小限にとどまることが示された。

これらの結果から、研究グループは「生活習慣病は教育歴とは独立した認知症のリスクであると考えられ、認知症予防には糖尿病や心筋梗塞などの生活習慣病の管理が重要になると思われる」と話している。

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参考情報:リンク先
HealthDay News 2018年6月18日
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