がんの家族歴がある人はがん罹患リスクが高い――JPHC研究

がんの家族歴のある人はがんに罹患するリスクが高いことが、日本人を対象とする前向き研究から明らかになった。全ての部位の合計では約1.1倍、部位別に見た場合、膀胱がんのようにリスクが約6倍に上るがんもあるという。国立がん研究センターなどの多目的コホート(JPHC)研究グループの研究によるもので、詳細は「International Journal of Cancer」10月8日オンライン版に掲載された。

 この研究は、1990年と1993年に全国10地域の住民を対象に行った生活習慣などに関するアンケート調査に参加し、がん既往歴のなかった40~69歳の人10万3,707人を、2012年末まで追跡したもの。アンケート調査の回答に基づき対象者全体を、がん家族歴の有無で2つのグループに分け、全部位のがん罹患リスク、および部位別のがん罹患リスクを比較検討した。なお、家族歴は、実父、実母、兄弟、姉妹に1人以上がんになった人がいる場合に「あり」とした。また、がんの部位別の検討では、各部位のがんごとに同じ部位のがん罹患リスクとの関連を検討した。

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 がんの罹患に関連する可能性のある、年齢、性別、地域、BMI、喫煙、飲酒、身体活動、糖尿病歴、健診受診歴、および婦人科がんについては月経状況とホルモン剤の使用について統計的に調整して解析。その結果、全部位のがんをはじめ部位別のがんも、家族歴がある場合は罹患リスクが高いことが分かった。統計的に有意なリスク上昇が見られたがんとそのハザード比(HR)は以下の通り。

 全部位のがん1.11、食道がん2.11、胃がん1.36、肝臓がん1.69、膵臓がん2.63、肺がん1.51、子宮がん1.93、膀胱がん6.06。このほか、大腸がん1.14、胆道がん2.33、乳がん1.50、前立腺がん1.47もHRの上昇は見られたが統計的には有意でなかった。

 続いて本人の喫煙の影響を除外する目的で、喫煙歴の有無別に解析すると、家族歴があることでリスクの上昇が見られた前記のがんは、喫煙歴の有無にかかわらずリスクが高い傾向にあった。例えば全部位のがんは喫煙歴のある群もない群もHRはともに1.11だった。また、飲酒習慣や体格で群分けした検討においても同様の傾向が見られた。

 なお、膵臓がんに関しては喫煙歴のない群で、家族歴がある場合にリスクが有意に上昇し、喫煙歴がある場合のリスク上昇は有意でなかった。この点について著者らは、喫煙の影響よりも家族性膵臓がんの影響の方が強いことを反映しているのではないかと考察している。

 家族歴がある場合にがん罹患リスクが上昇する理由として、同じ生活環境を共有することによる環境的側面と、遺伝的側面が影響していると考えられる。今回の研究結果から、本人の喫煙や飲酒、体格にかかわらず、家族歴があることがリスク上昇と関連することが明らかになった。研究グループは、「がんの罹患にはさまざまな要因が関連する。家族歴がある人は、予防のためにリスクとなる生活習慣を避け、推奨されているがん検診を受けることが勧められる」と述べている。

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HealthDay News 2019年11月25日
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