出産経験ある女性で心疾患や脳卒中による死亡リスク減 約4万人の日本人女性を解析、JPHC研究

出産経験がある日本人女性は、経験がない女性に比べて心疾患や脳卒中、がんによる死亡リスクが低い可能性のあることが、国立がん研究センターなどによる多目的コホート(JPHC)研究から分かった。

出産や授乳を経験した女性や閉経年齢が高い女性では、そうでない女性と比べて全死亡リスクが低い可能性があることも示されたという。
詳細は「Annals of Epidemiology」6月14日オンライン版に掲載された。

出産や授乳の経験や月経歴などの女性に特有な要因が健康に多大な影響を及ぼすことは明らかだが、死亡リスクとの関連については結論に至っていない。
研究グループは今回、JPHC研究に参加した40~69歳の女性を長期にわたり前向きに追跡したデータを用いて、これらの要因と全死亡リスクや心疾患と脳卒中、呼吸器疾患、がんによる死亡リスクとの関連を調べた。

研究では、ベースライン時(1990~1994年)に全国11地域に在住し、がんや循環器疾患の既往がなかった40~69歳の女性4万149人を対象に、2014年まで追跡した。

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ベースライン時に行ったアンケート結果から、女性の出産経験や出産人数、授乳経験、初産年齢、初潮や閉経を迎えた年齢とその間の年数、月経周期、ホルモン療法の施行歴を調べた。

平均で20.9年の追跡期間中に、4,788人の死亡が確認された。解析の結果、全死亡リスクは、出産経験がない女性に比べて出産経験がある女性では26%低いことが分かった。

全死亡リスクは、出産人数が1人の女性に比べて2人または3人だった女性では12~17%低く、授乳経験がない女性と比べて授乳経験がある女性では19%低かった。

また、初潮から閉経までの年数が長いほど全死亡リスクは低下した。初産年齢については、22歳以下の女性に比べて30歳以上の女性では全死亡リスクの上昇がみられた。

さらに、死因別の死亡リスクを分析した結果、出産経験がない女性に比べて出産経験がある女性は、心疾患と脳卒中、全てのがんや乳がん、卵巣がんによる死亡リスクが低いことが明らかになった。

以上の結果から、研究グループは「出産経験がある日本人女性は、経験がない女性に比べて全死亡や心疾患、脳卒中、全てのがんや乳がん、卵巣がんによる死亡リスクが低い可能性がある」と結論づけている。

また、こうした結果の背景として、親となったことで意識や生活習慣が向上した可能性や、エストロゲンや授乳中に分泌されるオキシトシンなどのホルモンによる影響を挙げている。

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HealthDay News 2018年8月6日
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