魚料理や味噌汁を毎日食べる人ではインスリン抵抗性が低い ながはま0次予防コホートを解析、京大

日本人の食習慣の一部は、2型糖尿病の原因となるインスリン抵抗性と関連しており、魚料理や味噌汁、野菜を毎日食べ、夕食時の主食や卵料理、果物の摂取を控えている人ではインスリン抵抗性が低いことが、京都大学大学院糖尿病・内分泌・栄養内科学の池田香織氏と同教授の稲垣暢也氏らの研究グループの検討で分かった。

日本では他国と比べて冠動脈疾患が少ないことが知られており、研究グループは食習慣の中でも味噌汁など日本独自の食文化が影響している可能性を指摘している。
詳細は「Diabetes Research and Clinical Practice」7月号に掲載される。

冠動脈疾患リスクの一部には食生活の変化が影響すると考えられているが、過去60年間で日本の食習慣は欧米化が進むなど大きく変化しているにもかかわらず、冠動脈疾患は他国と比べて比較的少ないまま推移している。

また、いくつかの食習慣は糖尿病の発症と関連することが報告されているが、その機序についてはよく分かっていない。
なお、糖尿病の発症原因の一つとなるインスリン抵抗性とインスリン分泌能については、これらの程度を空腹時の採血による血糖値とインスリン値から推定するHOMA(Homeostasis Model Assessment)指数が有用とされている。

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研究グループは今回、日本人における糖尿病の発症の有無や冠動脈疾患の少なさに日本独特の食習慣が寄与している可能性に着目。
滋賀県長浜市の住民を対象とした「ながはま0次予防コホート事業」のデータを用いて、インスリン抵抗性およびインスリン分泌能と食習慣との関連を調べた。

対象は、2008~2010年に同コホート研究に参加し、ベースライン時の質問票調査に回答した30~74歳の成人男女9,764人のうち、採血前の絶食時間が10時間以上であった4,327人(女性2,956人、男性1,371人)。
妊婦、経口血糖降下薬やインスリン、ステロイドを服用中の人、腎機能が低下した人、低血糖や高血糖を呈する人などは解析から除外した。
インスリン抵抗性の指標であるHOMA-IR、インスリン分泌能を反映するHOMA-βを算出し、それぞれをlog HOMA-IR、log HOMA-βに変換して年齢やBMI、喫煙習慣、病歴、糖尿病の家族歴のほか、アルコール摂取を含む20項目の食習慣に関する項目との関連を調べた。

食習慣については、朝食や昼食、夕食にお米やパン、麺類などの主食を摂取する頻度や肉料理、魚料理、豆腐料理、卵料理、野菜料理、牛乳や果物、味噌汁などの摂取頻度を尋ねた。

解析の結果、女性では、炭水化物が多く含まれる主食を夕食に毎日取るとインスリン抵抗性(HOMA-IR)が高まり(週に4~5回以下の人と比べて1.07倍、P=0.013)、魚料理や味噌汁を毎日食べるとインスリン抵抗性が低いことが分かった(それぞれ週に1回以下の人と比べて0.90倍、P=0.043、週に2~3回以下の人と比べて0.95倍、P=0.038)。
これらの関連はインスリン分泌能(HOMA-β)でも同様に認められた。

また、男性では、卵料理を週に4~5回(週に1回以下の人と比べて1.14倍、P=0.011)、または果物を毎日(週に4~5回以下の人と比べて1.13倍、P=0.008)食べるとインスリン抵抗性が高まり、野菜を毎日食べるとインスリン抵抗性が低下する(週に4~5回以下の人と比べて0.91倍、P=0.003)ことが分かった。

また、男性ではアルコールの摂取頻度が週に4回以上の人では、飲まない人と比べてインスリン抵抗性が有意に低く(0.86倍、P<0.001)、インスリン分泌能にも低下がみられた(0.77倍、P<0.001)。

以上の結果を踏まえて、研究グループは「食習慣の中でも魚料理や味噌汁、野菜を毎日摂取する人ではインスリン抵抗性が低く、夕食時の主食や卵料理、果物を多く摂取する人ではインスリン抵抗性が高いことが、糖尿病や冠動脈疾患の発症に関連している可能性が考えられる。
特に味噌汁は日本人の食卓に欠かせない料理であり、日本の伝統食の健康へのベネフィットを再評価する必要もあるだろう」と述べている。

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参考情報:リンク先
HealthDay News 2018年5月7日
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