起床前後の交感神経活性の変動が24時間血糖変動と関連か 日本人2型糖尿病患者を解析、愛媛大グループ

日本人の2型糖尿病患者では、起床前後の交感神経活性の変動が24時間の血糖変動と関連している可能性があることが、愛媛大学大学院糖尿病内科学講座の松下由美氏らの研究グループの検討で分かった。これらの変動の増大は、糖尿病患者における心血管イベント発症の一因である可能性が考えられるという。研究の詳細は「Diabetes Research and Clinical Practice」6月号に掲載された。

 糖尿病患者では、明け方からの血糖上昇(暁現象)に、カテコラミンなどのインスリン拮抗ホルモンが関連している。一方、膵臓では交感神経刺激によりインスリン分泌抑制とグルカゴン分泌促進が起こり、血糖値が上昇すると報告されている。自律神経活性には日内変動があり、特に起床前後の変化は糖代謝や血糖変動に関連する可能性がある。そこで、今回、松下氏らは、2型糖尿病患者にホルター心電図と持続グルコースモニタリング(CGM)を同時に施行し、これらの関連について解析した。

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 対象は、同大学病院の入院2型糖尿病患者41人。血糖変動の指標を(1)起床前後1時間のSD(標準偏差)およびdelta(Δ)グルコース(最大値と最小値の差)(2)24時間のSDおよびMAGE(平均血糖変動幅)とし、慢性高血糖の指標を(3)24時間の平均血糖値、HbA1c値とした。また、自律神経活性の評価は、ホルター心電図の心拍変動解析により行った。low frequency(LF)を交感・副交感神経両者、high frequency(HF)を副交感神経活性、LF/HFを交感神経活性の指標とし、これらの起床前後1時間の最大値と最小値の差を変動指標とした(ΔLF wake-up、ΔHF wake-upおよびΔLF/HF wake-up)。

 年齢や性、BMI、糖尿病の罹病期間、多発神経障害の有無で調整した重回帰分析の結果、ΔLF/HF wake-upは起床前後1時間および24時間の血糖変動指標と正に関連したが、慢性高血糖の指標とは関連しなかった。さらに、ΔLF/HF wake-upは暁現象に関与する空腹時血中コルチゾールやアドレナリンとも正に関連していた。

 これらの結果から、松下氏らは「今回の研究結果は、起床前後の交感神経活性の変動、インスリン拮抗ホルモンおよび血糖変動が密接に関連する可能性を示唆している」と結論。その上で、「ΔLF/HF wake-upは24時間のLF/HF変動と正に関連したことから、起床前後の交感神経活性の変動が24時間の変動を反映して、24時間の血糖変動と関連している可能性がある。血糖変動は慢性高血糖よりも酸化ストレス、内皮障害と関連し、心血管イベントに関与するという報告があり、起床前後の交感神経活性の変動と血糖変動の増大は心血管イベント発症機序の一部を説明し得るかもしれない」と説明している。

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HealthDay News 2019年6月17日
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